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第26話 邪神の正体

延々と続く地下ループ線を下り終わったところに簡易的な駅があった。

トンネルにコンクリートのホームがあるだけの無人の頭端駅である。


ラズロット

「この先にで見たものは絶対に口外しないこと・・・」


リズロット

「約束できるかの?」


今までふざけていたラズとリズからは想像だにできないくらいの真剣な表情だ。

・・・逆に考えれば、それぐらいヤバいものなんでしょうが・・・約束しないと先に進まないでしょうし、この中の情報を拡散して獲られるメリットも思い付かないので頷いて肯定の意思をつたえた。


ラズロット

「それなら、着いてくるのです。」


リズロット

「リズ達・・・邪神の本当の姿を見せるのだ・・・」


二人は、駅から更に奥に向かう通路に向かって歩き出し、愚姉もそれに続く。

私もそれに続こうとしたとき、リアンお姉さんとスノウ君が着いて行こうとしていないことに気付きました。


「いかないの?」


スノウ

「僕達が同行できるのはここまでです。」


リアン

「神殿の中枢に入れるのは選ばれた奴だけなんだ、気にせず行ってこい。」


そんなに大事な場所だったんだ・・・

そんな場所に私なんかが足を踏み入れて大丈夫なんだろうか・・・

そう思いながら、リアンお姉さん達に手を振り、ラズ達に追い付くため走って後を追った。




通路を抜けると、そこには巨大な空間があり、その中心には結界により束縛され蠢く巨大な塊があった。塊には天井から生えた無数のチューブが刺さっていて、緑色に発光する液体を吸い取られている。

更にこの塊は、常に大きくなろうとしているようだが、何かに阻まれている様に膨らんだり萎んだり

を繰り返している。

何でしょう、見ているだけで暗黒面に引き込まれそうなそんな不気味な何かを感じずにはいられません。いったいこの塊は・・・



リズロット

「・・・リズ達の本当の姿なのだ」


ラズロット

「十字教会の信仰する始祖神が封印された姿であると同時に、ラズ達のコアでもある存在なのです。」


この塊が、ラズとリズの核?

しかも、十字教会の信仰する神様の成れの果て・・・なら十字教会にそれを伝えれば同じ神様を信仰する者同士で和解できるんじゃ?


ラズロット

「それじゃ無理なのです。」


神奈

「夢も同じ事考えたんだね・・・でも根本的な問題があるんだよ。」


根本的な問題?

あ、もしかしてこれが封印された姿だから?


リズロット

「その通りなのだ、夢たん頭の回転速いのだ♪」


封印を解いて神様を在るべき姿にってことなりかねないよね・・・封印された姿がラズ達の核って言ってたから、封印を解いてしまうとラズ達が消滅する事になると容易に想像できる。

うーん、確かにカトリックとプロテスタントみたいに、信じる神様が同じでも、対立してるから、神様が一緒ってだけじゃ、和解の理由にはならないもんね・・・

そうなると、和解するのは難しいかもね。あと口外しないことにしてるのも納得、無駄に火種をばら蒔く必要無いもんね。


ラズロット

「夢たん凄いのです。ちょっと教えただけで殆ど正解を推察しちゃうのです♪」


リズロット

「未だに理解しきれてない神奈たんとは大違いなのだ♪」


神奈

「あうあう、本気で凹むからこれ以上は止めて!」


愚姉の理解能力の無さは神がかってるからねぇ・・・そもそもアレと比べないで頂きたいものである。愚姉とは違うのだよ愚姉とは。


ただ、未だに解決できない疑問がひとつ・・・


リズロット

「何かの?」


そもそも、何で始祖神を封印する必要があったんだろう?


ラズロット

「始祖神は何をする為に存在するか知ってるですか?」


うーん、部屋のパソコンでなんとなく見つけた資料には、世界を創造した存在って書いてあったけど・・・


リズロット

「逆なのだ・・・」


ラズロット

「始祖神は世界を飲み込み無に還すための存在なのです。そしてその無から新しい世界が生まれるのです。」


リズロット

「世界を飲み込んだ始祖神は自壊して一時的に消滅するのだ」


ラズロット

「でも、核は残るのです。核は長い時間をかけて本体を再生し再び世界を飲み込み自壊するのです。」


つまり世界の破壊と再生が永遠に繰り返されるってこと?

その流れを食い止める為に封印してるんだね。


ラズロット

「双子の子供を犠牲に・・・」


え?それって・・・


リズロット

「にゅ?何か気付いたかの?」


絶対ラズとリズだよね?


ラズロット

「始祖神と同化して、ラズ達が生まれたのです。」


リズロット

「だから、その前の双子の子供は別人なのだ♪」


・・・うーん、別人とは思えないだけど・・・まぁ、二人の中ではそういう認識なんだろうね・・・うん、これ以上詮索してもしょうがないね。

あ、でも・・・子供二人の犠牲だけで神様を止められるとは思えない、例え特別な力を持った子供だったとしてもね・・・きっと他にもあるよね?封印を維持する為に何かするとか・・・


リズロット

「夢たん鋭いのだ♪」


ラズロット

「他にも色々な手段で封印をしてるのです。」


そう言ってラズとリズが、この封印の詳細を話始めるのだった。


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