表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/135

第24話 EF63型電気機関車

EF63型電気機関車・・・

かつて碓氷峠うすいとうげと呼ばれる場所に敷かれた最大66.7 ‰の急勾配をもつ路線を走行する列車をサポートする補機(勾配を登る時に連結される補助機関車)として活躍した有名な機関車である。

いまそれが私の目の前に、当時の運用形態である重連状態で停車している。


今からこの機関車を連結して、Snow Expressは神殿の地下に向かうらしい。


何故かというと、双子の邪神からの黒剣士になる申し出を快く承諾した私に2人は〃見せたいものがある〃といい神殿の地下深くにある場所に行くことに成ったわけだ。

当然、歩いて行ける距離では無いので、シュバルトメイジシュタット駅から地下に向かう専用線を通るのだが、ここの路線の勾配が54‰程あり、通常の列車では走行不能であるため、先のEF63を連結する必要がある。

更に、Snow Expressは気動車であるため、地下路線で煤煙を撒き散らし走行するのは色々と問題あるので、ジャンパ栓を改修したEF63からサービス用電源(室内照明等の電源)を貰い、エンジンを停止した状態で運行するのである。

ちなみに、EF63側のTCAIは、IFDを装備しない簡易型で、連結されるとその列車の制御下に入るようになっている。


スノウ

「連結作業終了しました。エンジン止めるよ!」


ジャンパ栓を繋ぎ終えたスノウがエンジンを止める合図をだした。


リアン

「あいよ、電源を外部に切り替えたから何時でもいいぞ。」


乗務員室の窓から顔を出したリアンは問題無しの合図をおくる。

それを受けて、スノウは遠隔操作で列車のエンジンを停止させた。

さっきまで唸っていたエンジン音が消え、代わりに今まで聞こえなかった機関車のブロアーの音がよく聞こえるようになった。


あ、そうそう、私は先頭の乗務員室でこの作業を見学しております。

実は私、連結作業が大好物だったりします。

隣にはラズとリズが窓に張り付いて、集中してるから話し掛けるなオーラを出しております。


リアン

「枕バネの空気抜いたが問題ないか?」


スノウ

「異常検知はしてないよ。」


シュゥゥゥという音と共に車体が沈み込み、ガコンという震動でそれがとまった。


リアン

「これはな、急勾配で脱線しないように枕バネの空気を抜いたんだ。クッションが無くなるから乗り心地は悪くなるが我慢してくれ」


不思議そうな顔をしていた私に、作業中のリアンお姉さんが作業の内容を教えてくれました。

乗り心地が悪くなるのは当然ですね、枕バネが無くなると軸バネだけで衝撃を吸収する事になるんですから・・・

この後、リアンお姉さんは乗務員室を出て、先頭のEF63の運転席に乗り込みました。

TCAIが故障した時には、EF63側からマニュアルで運転できるようにするためなんだそうです。


スノウ(車内放送)

「連結作業が終了致しましたので間もなく発車いたします。扉閉まりますご注意下さい。」


リアンと入れ替わりで乗務員室に乗り込んだスノウ君は、乗務員扉を全開にして安全確認をしつつ、力一杯笛を吹き、扉を閉めた。


ブィーッ


出発合図の音がした数秒後、前のEF63がブォォォォンという重たい吊り掛けモーターの音を響かせゆっくりと動き始めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ