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第22話 お化粧と百合

目が覚めると、見覚えの無い部屋のベットに寝かされていた。

枕元には、さっき私を撃沈しやがった愚姉が椅子に座り看病・・・ラノベ持ったままよだれ垂らして爆睡してるのには、殺意が湧きました。

まぁ、長い髪を後で三編みにした髪型に眼鏡という優等生っぽいスタイルでお勉強はバッチリなのに天然のアホの子という残念な人、それが愚姉である。


多分、起きるまで待ってる時間を潰そうと読んでいたラノベの催眠効果にやられたんでしょうね。

当然、この愚姉の間抜け面はスマホでバッチリ写真に収めさせて頂いております。

後でからかって遊んでやろう・・・1年ぐらいひっぱれるかな♪

ま、これで散々イジる刑で今までの地獄はチャラにしてあげましょう。


軽い?ふふふ私のイジリはかな~りエグいですよ、それじゃあ手始めに、この写真をプリントアウトして愚姉の職場に配布してあげましょうね♪


さーて、プリンター借りなきゃね♪

私は、愚姉を起こさないように、布団から静かに這い出すと、プリンターを求めて建物内の散索を開始した。






う~ん、散索を始めて10分位経ちました。

邪悪雰囲気を醸し出す不気味な装飾やオブジェが至るところにあります。

どうやらこの建物は神殿(邪教)みたいですが、正直に言います・・・迷いました。

だが、私は断じて方向音痴ではない!この建物が広すぎるんだ!エスカの何倍あるんだよってツッコミ入れたいです。


????

「あら?可愛い娘ねぇ、どうしたの?」


困った顔でうろうろしてたら、全く面識の無いお姉さんに突然話し掛けられました。

お姉さんは漆黒といっていい位真っ黒で綺麗な足元まで届きそうな位の長ーいストレートヘアーです。

うー、私のボッサボサの前髪ぱっつんボブヘアーとはえらい違いです。

肌も真っ白で透明感・・・というか光ってるかもって思える白さです。

何でしょう、ちょっとニキビとかで残念な事になってる私のお肌とは正反対です。ちくしょうめ!


お姉さん

「それにしても勿体無いわねぇ、ちゃんとお手入れすれば私のドストライクな可愛い娘なのに・・・」


劣等感に浸る私にお姉さんが変な事を言いました。

〃勿体無い?〃〃可愛い?〃

えーと、お姉さんは眼科に行った方が良いとおもいますよ・・・

てか、嫌味だろ!絶対に嫌味だろ!不細工な私への!


お姉さん

「ちょっとご免なさい♪」


お姉さんはそう言うと、突然私を抱き寄せ、櫛を取りだし私の髪をそれでとき始めたではありませんか。

突然の出来事に頭がフリーズして何もできない私・・・それを気にする事無く髪をといていくお姉さん・・・


ちょ、何なのこの人!見ず知らずの私に!

慌てて暴れる私にお姉さんは〃いいからいいから♪〃と私の意思などお構い無しといった感じで、楽しそうに作業を続けていきます。

変なおくすりニキビの所に塗り込まれるは、化粧水やらファンデーション塗られるは・・・私はお人形じゃありませんと言いたいです。


お姉さん

「はい、完成♪」


不満だらけでしたが、お姉さんが手鏡で完成?した私の顔を見せてくれた瞬間に、驚きに変わりました。

鏡に写っている顔は、普段の私とは別人です。

ボサボサだった髪は、艶のある綺麗なストレートに、顔にいっぱいあったニキビは綺麗に無くなり、透き通るような綺麗な肌に、いつも眠そうなおめめはパッチリクリクリに・・・


魔法ですかこれは?


お姉さん

「ね♪こんなに可愛いのに勿体無いなかったでしょ?」


驚いている私の頭を撫でながらお姉さんが言いました。

確かに納得です。

私自身が気付いて無かったのに、それを瞬時に見付けちゃうお姉さんはスゴいと思いました。


お姉さん

「貴女、自分に自信が持てない娘でしょ?」


うっ・・・図星です。

私自身、自分が不細工だと思ってたしね。

だってさ、今まで可愛いとか綺麗とか言われた事無いしね。そもそも、髪とかお肌のお手入なんていう面倒な事とは無縁だったからね。


お姉さん

「ダメよぉ、自分に自身を持たなきゃ!まぁ貴女のお手入れは期待でなさそうだから形状記憶しておいてあげたから安心なさい。」


悪かったな面倒臭がりで・・・ん?いま形状記憶とおっしゃいましたか?もしかして・・・お姉さんのお手入れは、メンテナンスフリー?

確認してみよう・・・


「それ・・・」


お姉さん

「私のお化粧はメンテナンスフリーなのよ♪イメチェンの時とかは困るけど、絶対にしないでしょ貴女」


し・・・失礼な!私だって髪型変えたりとか・・・ゴメンナサイ、面倒でやったことありませんでした・・・


何か切ないかも・・・

あ、お礼言わないとね、色々失礼な事言われたけど・・・


「ありがとう・・・」


お姉さん

「気にしないで、可愛い娘の発掘っていう私の趣味だから♪」


どんな趣味だよ!てか、お姉さんってもしかして百合ゆりの方?



お姉さん

「私はヴェネ=マティブ、種族は〃淫魔〃、貴女は?」


「夢・・・守崎 夢・・・」


ヴェネ

「夢かぁ・・・私好みの可愛い名前ね♪もうドストライクよ夢ちゃん♪」


やっぱり、百合の世界の方だったようです・・・貞操の危機を感じて、全身に鳥肌が立つのが判りました。残念ながら私はその気はありません。

しかし、私の腕を握るヴェネさんの手に力が入り、危険度MAXです!



神奈

「あ、夢!そんなところで何やってるの?」


大変不本意ですが、愚姉の声に救われたようです。

ヴェネさんの手の力が緩みました。

・・・しかし


ヴェネ

「私は常闇の港湾都市群の世界〃ブルーネ〃のSKBE防衛局第3司令部で働いてるの、寄ることがあったら訪ねてきてね♪」


耳元でささやかれました・・・背筋が凍るとはこういう事の様です。

そのあと、名残惜しそうに首筋にキスをしてからやっと解放してくれました・・・


あ、今思い出しましたが、愚姉をアホ面写真でイジる作戦は失敗のようです。

しかし、今はそれどころではありません!

主に私の精神状態(SAN値)が・・・


とりあえず悔しいから、愚姉の弁慶をおもいっきり蹴っときました。


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