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第21話 死んで詫びろ!

とりあえず困った・・・


列車を降りてみたは良いが、何をするか一切考えていなかったのだ。

そもそも、呼び出した相手に迎えを寄越さないとはどういう了見だ!

さて、どうしたものかと考えていると・・・


????

「ゆ~め~♪」


?!っ、この声は・・・まさか・・・

声のした方を確認するとそこには見覚えのある姿があった。

守崎もりさき 神奈かな、そうあの愚姉である。

愚姉は、これ以上無い笑顔で私に駆け寄ってくる。

そして私も、愚姉に駆け寄り、仲良く抱き合う・・・訳が無い、ランデブーする直前に私は姿勢を低くしてそのまま伸び上がる勢いを利用して拳を打ち上げた。いわゆる〃カエル跳びアッパー〃というやつである。

私の拳は、愚姉の顎を的確に捉え、それを力一杯に吹っ飛ばした・・・縦回転で・・・


吹っ飛んだ愚姉は、その先にあった車止めを派手に吹き飛ばし止まった。


神奈

「いったぁ・・・何するのよいきなり・・・」


「軽い挨拶・・・」


神奈

「全然軽くないし!挨拶じゃないし!」


ちぃ・・・予想外に頑丈な愚姉だったようだ。

よく見ると、愚姉の服装が、SKBEの制服の黒バージョンであることに気付いた。


「愚姉の癖に・・・再就職・・・」


神奈

「うるさい!仕事クビになった事には触れるんじゃありません!」


何かムカついてきました。

仕事クビになって失踪した(多分死んだ)と思ってたら、こんな所でのうのうと生きてやがった。

こいつのせいで、クソ親の歪んだ期待を私が一人で受け止める事になった。

そして、その重圧に押し潰された私は何なの?


「お前の・・・せい・・・」


神奈

「え?」


「全部お前のせい・・・死んで・・・詫びろ!」


私は〃ゾディークV3〃を第2形態に変形させ、力一杯に愚姉を切りつけた。


ガコーンっ


重い金属音と共に、〃ゾディークV3〃は同じ大きさの巨大な大剣に受け止められた。

愚姉の持つ〃初代ゾディーク〃のようである。


神奈

「へぇ、夢も持ってたんだぁ・・・でも使い方が初心者マークだねぇ♪」


そう言うと、愚姉は物凄い力で刃ごと私を撥ね飛ばした。


撥ね飛ばされた私は、身体を捻り、何とか体勢を建て直し着地すると、再び地面を蹴って愚姉に迫る。

そして、力の限り攻撃を放つ。

・・・が、そのことごとくが愚姉の〃初代ゾディーク〃に受け止められた。


「愚姉の・・・癖に・・・っ?!」


怒りに任せて〃ゾディークV3〃を振り回していたが、ふと視界写った人だかりに気が付き我にかえった。

どうやら、この騒ぎに人が集まってしまったようだ。

〃しまった〃と思った時には既に手遅れで、恐怖感と頭痛そして拒絶反応の吐き気が私を襲う。

足がふらつき、自身を支えられず体勢を崩し倒れ込んでしまった。

駄目だ、人が怖い、さっきまで平気だったのに・・・スノウ君やフィロ、リアンお姉さん達に出会って治ったと思ってたのに・・・

悔しい・・・悔しいけど怖い・・・

視界が涙でぼやける・・・

もう無理だ・・・


私が諦めて意識を手離そうとした時、愚姉の声が耳に届いた。


神奈

「ねぇ、知ってる夢、姉より優れた妹なんて居ないんだよ♪」


ブチッ・・・


私の中で何かがブチ切れた・・・

あれだけ私を押さえ付けた恐怖を無視して私はゆらりと立ち上がった。

恐い・・・だけど、目の前のクソムカつくにやけ顔の愚姉をブチ殺さないと怒りが収まらない!


フルスイングで愚姉に渾身の一撃を打ち込む・・・が、見事に受け流され私はバランスを崩した。

そして、そこに生まれた隙に愚姉の強烈な一撃が叩き込まれた。


グワァァァン


私の着ている服が、防御フィールドを展開しそれを防ごうとしたが、愚姉の強烈な一撃の衝撃を殺しきれず、残った衝撃が防御フィールドを抜け内部の私を襲った。


衝撃がかなり殺されているはずなのに、身体中の骨格が軋むような衝撃だった。

当然、私が堪えられる筈もなく吹き飛ばされ近くの壁に叩き付けられた。

意識が闇に沈みゆくなか、〃はい、良くできました、でも残念でした〃という愚姉の言葉が聞こえた。

次は絶対にブチ殺すと心に誓い、私は意識を手離した・・・


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