第20話 ネコミミのチート装備
自動放送
「間もなく終点、シュバルトメイジシュタットです、どなた様もお忘れ物の無いよう、今一度ご確認ください。」
スノウ(車内放送)
「間もなく列車、終点のシュバルトメイジシュタットに到着いたします。当駅での連絡予定の特急〃ゼファー24号〃にお乗り換えのお客様にご連絡いたします。特急〃ゼファー〃出発時間過ぎておりますが、この列車の到着を待っての出発となります。お乗り換えのお客様は8番線においでください。ご乗車ありがとうございます、終点シュバルトメイジシュタットです。」
自動放送
「この先揺れることがあります。お立ちのお客様は手すり等にお捕まりください。」
滑走軌道を抜けると、線路は街中を走る石畳の併用軌道になった。
固いジョイント音と車輪の転がる振動から、線路が徐行する事を前提に、道路に固定されたバラスト等のクッションの一切無いものだとわかる。
街並みも、絵本に出てきそうな位お洒落でカラフルなまるで遊園地のアトラクションみたいなモノで、異世界情緒満点でわくわくします。
その後、列車は複雑なジョイント音を奏で渡り線を車体を揺らしながら駅に入った。
そして駅に到着した時、私は衝撃を受けた。
ホームが無いのである。
代わりに、飛行機の乗り降りで使うようなタラップ車が走り回っていたのである。
自動放送
「タラップ設置のため、扉が開くまでしばらくお待ちください。4号車以外の扉は内側に折り畳んで開きますので扉から離れてお待ちください。本日はSKBEの列車をご利用頂きありがとうございました。」
もはや飛行機状態である。
それは置いておいて、私も降りる準備をしよう。
今着ているのは、黒いネコミミフード付きのパーカーワンピースで、この前のお茶会の後届けられた。スノウの説明では、双子の邪神が作った防具で、あらゆる攻撃を無効化する優れもので、なおかつ着ている者にとって最適の気温と湿度に周囲を保ち、汚れても直ぐに浄化され新品同様になるおまけ付きなんだそうだ。
・・・もうね、絶対ゲームだったら封印されるレベルのチート装備だよこれ・・・
ぶっちゃけこれ一枚で服は問題無さそうだけど、荷物なしというのも寂しいので、何組かの着替えを用意してもらった鞄に詰める。
後、次の運転でもここは私の部屋になるので、不要な荷物は置いていって良いとスノウ君から言われているので、荷物を最小限にできるのはありがたいです。・・・とは言っても、私の持ち物ってほとんど無かったりする。
もう少し増やしても良いかなって思う今日この頃です。
荷物を準備している間に、列車から降りた人達の集団は消え、お外も安全地帯になったようなので、そろそろ列車から降りますかね。
そして、部屋に鍵をかけて私は乗降口に向かい歩き始めた。