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第17話 狂ったお茶会

スノウ(車内放送)

「本日は特別列車Snow Expressにご乗車頂きありがとうぎざいます。現在列車は路線渋滞の影響で27時間程度の遅れでシュバルトメイジシュタットに向かって走行中です。お急ぎの所列車が遅れました事を深くお詫び申し上げます。」


昨日の一件の後、怪我した黒龍フィロンの人達の手当てとかを手伝ってたら、いつの間にか朝になってました。

眠いのを我慢してよく頑張ったよ・・・

その後、一段落してようやく休めると思った矢先、スノウ君から〃入線許可が降りたから戻って〃って呼び出され、急いで列車に戻る事に・・・何てタイミングなのホントに・・・


後、伽藍おじさんや黒龍フィロンの人達が見送りに来てくれた。

びっくりしてる私に伽藍おじさんは、〃嬢ちゃんはもう家族の一員だ、見送りに来るのは当たり前だろう。〃って言いました。

嬉しくって、思わず抱き付いて泣いちゃったよ。

何か、伽藍おじさんがお父さんみたいに思えて来ちゃった。

最後に、扉が閉まって列車が動き出した後、しばらくデッキで涙が止まるの待ってら、リアンお姉さんが通り掛かって頭撫でてくれた。


何か、こっちの世界に来てからいっぱいいい人に巡り会えてる気がする。

この列車に乗った事が転換点だったように思う。


そう思いながら、ポケットからパスを取り出す。

〃何処までも行ける切符〃

確かにスノウ君はそう言った。

宮沢賢治の物語、銀河鉄道の夜では、ジョバンニが何処までも行ける切符で、天国に向かう列車に乗り旅をした。

じゃあ、私のこのパスで乗ることができた列車、

〃Snow Express〃

この列車は、何処に向かう列車なのだろうか?


私はあの日、確かに自ら命を絶った。

もしかしたら、この列車の旅が、神様が与えてくれた命のロスタイムなのかもしれない。


そんな事を考えながら、自分の部屋に戻りベットに潜り込んだ。

耳を澄ますと、床下からガタゴトという心地よいジョイント音が聞こえ、それが眠りへと誘う・・・




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




真っ暗な空間に私は立っている。

さっき確かにベットに潜り込んだ筈なのに・・・


「これは・・・ゆめ?」


幼女L

「夢たんの見るゆめなのだ♪」


幼女R

駄洒落だじゃれじゃないのですよ♪」


私の呟きに答えながら、両脇に小学校低学年くらいの幼女が、闇から滲み出る様に現れた。

二人はお揃いの白黒のゴスロリドレスに身を包み、その服に合わせたこれまたお揃いのその身体には不釣り合いなほど大きなモフモフした帽子を被っている。肌の色は不自然なほど真っ白で、唇が真っ黒なのも同じ、違いはそのブラウンのボブカットヘアーに片方だけ結われた三編みとスカーレットとエメラルドグリーンのオッドアイが逆になっている所である。


「双子?」


幼女R

「分裂した双子なのです♪」


幼女L

「元は一人なのだ♪」


分裂した双子?

一卵性双生児の事かな・・・でも元は一人・・・意味が判らないよ。

まぁ、ゆめみたいだし、双子って事にしとこう。

それより、何故にコイツらが私のゆめに現れたのかの方が重要だしね。

・・・そもそも、コイツら誰?


「二人・・・何者?」


幼女L

「それは、秘密なのだ♪」


名乗る事ができない?

いや、面白がって秘密にしてる感じだね。

何故に?何の意味が?


幼女R

「面白いからに決まってるのです♪」


面白いからって・・・あれ?私喋って無いよね?

コイツ・・・私の心を読んだ?


幼女L

「さぁ?なのだ♪」


絶対に読んでるだろ!

あーもう、完全にコイツらのペースじゃないか!

そもそも、コイツら何しに来たんだよ!


幼女R

「真夜中のお茶会なのです♪」


幼女L

「カルアもあるのだ♪」


えーと、その瓶って間違いなくお茶じゃなくて、お酒的な何かだよね?

お茶会じゃなくて宴会だよそれ!


幼女R

「宴会はエレガントじゃないから、お茶会なのです♪」


幼女の一人はそう言いながら、指をぱっちんと鳴らした。

すると、何も無い場所に、白い丸テーブルと椅子が現れた。

当然、カップやグラス、お菓子なんかも一緒に出てきた。


幼女L

「狂ったお茶会じゃないから安心するのだ♪」


幼女が抱えていた瓶をテーブルに置きながらそういった。

狂ったお茶会〃マッドティーパーティー〃

童話の不思議の国のアリスで描かれるワンシーンだが・・・未成年者が堂々と飲酒してお酒なのにお茶会・・・十分狂ってると思う・・・


幼女R

「ちゃんと席も用意してるですよ♪」


どんだけアリス押すんだよ!

もう良いや、何言っても無駄っぽいし付き合うよ・・・それに、ちょっと面白そうな気がするしね。

私は、そう思いながら用意された席に着いた。

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