表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/135

第16話 勇者粉砕

パンパンパンパン

チュンキュンカン・・・


リアン

「ちぃ、障壁がうざってぇ!」


リアンお姉さんは二丁拳銃で華麗に舞いつつ、跳弾を上手く使い攻撃していますが、法衣姿の魔法使いが障壁を器用に使いそれを防ぎ、更にその障壁の隙間を縫うようにもう一人の魔女の格好をした魔法使いが攻撃魔法を撃ち込んでくるので非常に面倒臭さそうです。

よく見ると、この二人組も見覚えがある。

魔女の方は〃篠原しのはら 美樹みき〃、陰湿な性格で、虐めを受けている私をターゲットにして、陰湿な虐めの数々をしてきやがった奴だ。

ちなみに、私に声がキモいと罵倒しまくり失語症に追いやった憎むべき屑女だ。

そして法衣の方が、〃西野にしの 真理まり〃、気弱な性格に付け込まれ美樹に下僕の様に扱われている。

その点は同情するが、脅され自らの保身の為に虐めに加わったのをきっかけに、その虐めで日頃の憂さを晴らすようになったコイツも屑女だとおもう。


取り合えず、邪魔な障壁を粉砕しちゃおうか。


そう思った私は、二人に突進する。


ハッとした、真理が障壁を張り、私を止めようとするが、ゾディークV3で凪ぎ払いそれを粉砕する。


何が起きたか理解出来ず硬直する二人、


「今・・・」


リアン

「おうよ!」


伽藍

「がってん!」


私の声を合図にリアンお姉さんと伽藍おじさんが銃弾をばら蒔く。

私は地面を蹴って上に逃れ、被害はない。

跳躍中に下の様子を確認してみると、二人の身体にばら蒔かれた銃弾が次々とめり込む光景が見えた。

見た感じ、二人とも重傷だと思う。

いい気味だ♪もっと苦しめば良いと思うよ。

私は一回転して着地すると、リアンお姉さんと伽藍おじさんにハイタッチをした。

やり返すという初めての経験に、私はかなりハイテンションになっていたようだ。

それに、リアンお姉さんと伽藍おじさんとの連携がバッチリ決まったのも嬉しかったしね。


美樹

「ま・・・り・・・かいふ・・く」


美樹の言葉に反応して、真理が十字架の付いた杖を握りしめ、魔法を使おうとした。

まったく面倒な・・・

私は真理に歩み寄り、その横っ腹を力一杯蹴り飛ばした。


真理

「がはっ!」


足に骨の折れる鈍い感触が伝わるのと同時に、真理の口から血の混じった嘔吐物が吐き出された。

それと同時に、魔法を使用する為に集中していた力が四散し、彼女は動かなくなった。

どうやら重傷から意識不明の重体に格上げされたようです。


残るは、陰湿屑女だけ・・・どう処分しようかな・・・


そう思いながら、這いつくばって逃げようとしている美樹にゆっくりと近付いていく。

それに気付いた美樹は、ぎょっとした顔をして必死に逃げようと手足をバタつかせる。

中々滑稽で惨めな姿だね。

でもね、まだまだ足りないよ、私の積もりに積もった恨みには釣り合わない。


ゆっくりと楽しむ様に距離を詰めていく私に、逃げられないと思ったのか、美樹は私にこう言った。


美樹

「たす・・・けて・・・おねがい・・・します・・・なんでも・・・します・・・だから・・・ころさないで・・・」


怒りの限界突破ってこんな感じなんだ。

助けて?殺さないで?

私を自殺に追い込んだ奴がなに言ってるの?


「なら・・・」


怒りに任せて美樹の首を掴み持ち上げ、力任せに締め上げる。


「キモくない声・・・聞かせて」


更に手に力を込めて締め付ける。

助かりたい一心の美樹は、何とか声を出そうともがくが、出せる訳がない。

無敵チート状態の私が力任せに締め付けてるんだから、声なんて出せる訳ないでしょ♪頭悪いなぁ・・・

あれ?だんだん顔が赤くなってきたよ?どうしたの?

あ、首締めてるから息できないんだね♪

ほらほら、もっともがいてもがいて♪無駄だけどね。

何か顔が紫色になってきたね♪どうしたの?元気が無くなってきたよ?

さてと、そろそろ飽きてきたし、お姉さん達が色々尋問したいと思うし、殺さないであげるよ。


私を手を放し、美樹を解放する。

崩れ落ちた体勢のまま、必死に空気を吸う彼女の姿は、ある意味滑稽な姿で面白いと思った。


伽藍

「やるなぁ嬢ちゃん、ひさしぶりに背筋が凍ったぜ♪良いセンスだ♪」


伽藍おじさんが〃Good〃のサインをしている。

やっぱりアウトローな世界に住んでる人は違うね。

でも何で笑顔がひきつってるのかな?

やっぱり引いてる?


リアン

「いや何だ、お前裏社会でも充分やってけそうだな・・・」


何でしょう、誉められてるようなバカにされてるようなスッキリしないこの評価は・・・

そりゃ怒りに任せて凶行の限りを尽くしましたよ?

だってさ、やり返すのがこんなに楽しいって思わなかったんだもん。過去の清算って大事だと思うよ、私の未来の為にね。


リアン

「まぁ、コイツらと過去に何かあっての事だろうし、お前の気が済んだんなら良いさ。身内じゃねぇ奴が死のうが生きようが関係ねぇしな。」


伽藍

「それにな、身内に怪我させた以上、只じゃ済まさねぇ。まぁ今回は嬢ちゃんが代わりにやってくれたがな・・・」


何だろう、やり過ぎだって怒られるかと思ったんだけど、その辺はノータッチみたいです。

いや・・・むしろよくやったって誉められてるのかな・・・


結局の所、お姉さん達は身内以外はどうでも良いみたいだね。

さすがアウトローワールドの住人!!


とここで、私はある異変に気付いた。

倒れてた4人が消えた!

リアンお姉さんと伽藍おじさんもそれに気付き、周囲を警戒する・・・が、


リアン

「気配はもう無ぇな。」


伽藍

「大方、7大天使が慌てて回収したんだろう。」


7大天使ってさっきも聞いた気がする、あの4人を召喚したとか言ってたけど・・・

呼ぶならもっと強そうなの呼べば良いのに、何故にあいつらだったんだろう。

回収したって事は、また来るのかな・・・面倒臭いなぁ・・・



◇◇◇◇◇◇◇◇◇




大怪我をした勇者4人を回収した大天使ウリエルは驚愕していた。

何故ならば、双子の邪神が呼び寄せたダークサイドの勇者一人に、こちらの勇者が手も足も出ず完敗してしまったからである。

経験が足りないというのも言い訳にならない、相手は武器を受け取ったばかりの勇者、むしろある程度訓練させたこちらの勇者の方が有利だったはず!

だが、ダークサイドの勇者は武器の能力で押しきってみせた・・・

ならば、こちらの勇者の武器をより力を持った物に・・・と行きたいが、残念ながらこれ以上力を持った物を与えると、その力を支えられず器が壊れてしまう。

逆に考えれば、双子の邪神が呼び寄せたダークサイドの勇者の器が桁違いに大きい事になる。

こちらの勇者の器が小さい訳では無い、むしろかなり大きい筈である。

だが、あの桁違いな器と比べてしまうと遥かに見劣りしてしまうのも事実。

鍛えれば器は大きくなる、あの桁違いの器は大きな驚異ではあるが・・・

いっそこちら側に・・・いや、そうすればまたあの忌々しいヤツがしゃしゃり出てくるだろう・・・

何とか今の勇者で対処する方法を考えねばな・・・


ウリエルが回収した勇者達をみる・・・

傷付いた身体は元通りだが、皆顔に生気は無く、ガタガタと震えている。

これは立て直すのが大変そうだ・・・

黒龍フィロンで経験を積ませ自信を持たせるつもりが逆に自信どころか心までへし折られこの有り様だ。


さて、どうしたものか・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ