第6話 喧嘩のバーゲンセール?
◇◇◇神奈◇◇◇
♪~ワイドビューチャイム~♪
スノウ(車内放送)
「本日はSKBEの臨時特別列車"Snow express"にご乗車ありがとうございました。まもなく、ブリアデス線ポセロに到着致します。なおポセロ到着後、列車は車輌工場まで運行いたしますが、特別列車1~3号車のお客様はご乗車になれませんのでご注意ください。なお、特別列車の4~7号車のお客様は引き続きご乗車ください。ご乗車ありがとうございましたまもなくポセロ、ポセロです。」
♪~ワイドビューチャイム~♪
ようやく目的地に到着するようね。
フェラキムア砂漠の入り口にある小さな村"ポセロ"・・・
海に面してはいますが、ここは砂漠の入り口・・・という事で真水がほとんど手に入りません。
そして、この状況を利用して幅を利かせていたのが、暗殺者ギルドと手を組み水を高値で販売する悪徳商人達でした。
では何故、暗殺者ギルドと手を組むと水が手に入るのでしょうか・・・実はSKBEが行った調査という名の諜報活動で暗殺者ギルドの拠点はフェラキムア砂漠の中心部にあるオアシスにある事が分かっています。
つまり、そこの水を運ぶ手間さえ何とかすれば、大きな利益を得られると・・・
そして目を付けられたのが、ポセロを拠点に活動する商人達でした。彼らに水を高値で売り付け運ばせれば良いんです。
後は商人たちがポセロまでその水を運び更に高い値段で水を売ると・・・
いやはや、酷い話ですね・・・
そんな中、SKBEの完全子会社〝ブリアデスレールウェイ〝がここを起点駅としてポセロ、ブリアデス間を結ぶ路線"ブリアデス本線"を開業させた事で事態は急変しました。
なんと、この路線を利用してSKBEが大量のタンク車を投入し、ブリアデスからの水輸送を開始したのです。
元々は、〝ブリアデスレールウェイ〝の職員達の生活用水の確保が目的だったのですが、"是非とも水を販売してほしい"という地元住民達の熱い要望に応え赤字にならない程度の良心的なお値段で水の販売開始と・・・ちなみにこの時の価格は、現地の相場の10分の1という驚異的な安さだったそうで、現地の悪徳商人に甚大な損害を与える見事なダンピング攻撃となり間接的とはいえ暗殺者ギルドにも大ダメージを与えたのだそうです。
その後、SKBEが大量輸送で更に輸送コストを下げ水の販売価格を下げ続けた結果、水で暴利を貪っていた悪徳商人のほとんどが廃業に追い込まれるという大参事となりました・・・
そりゃね、複数の異世界に跨って活動する超巨大企業とこんな僻地の商人では企業体力が違いすぎますからね、一瞬でプチッとやられちゃうでしょうね。
それは置いといて、ここ数か月でブリアデス本線の沿線で似たような事件が頻発しており、SKBEは多くの商人達から恨みを大量購入中という状況です・・・ヤバイよね・・・ぜったこの状況ヤバイよね・・・絶対どこかでテロ起きるよ?
さてさて、そんな状況下でSKBEの特別列車の〝SnowExpress〝から降り立った私達ですが、早速何処からか強烈な殺意のこもった視線を向けられております・・・
多分、暗殺者ギルドの皆さんが沢山潜んでいるんでしょうね・・・狙いはラズ様とリズ様かな?まぁ無理だと思うけどね。
だってさ、あの二人、対戦車ロケット弾の整形炸薬が直撃してもビクともしない化物なんだからね・・・
あとついでに、駅の雰囲気はと言うと、何だか物々しい状況で、SKBEの防衛局の方々が小銃を携行した状態で絶賛警備中と・・・うん完全にテロ特別警戒中ですね。
ただ、警備の方々の様子を見ると、それ程緊張している様子は無いようですね。まぁ、今回の護衛対象が頑丈すぎるアレですからね・・・
それは置いといて、私とフルムは最寄りのホテル向かい、ラズ様とリズ様はブリアデスレールウェイの本社に向かう事となりました。
あ・・・これって絶対私達っていい感じの的だよね・・・最悪だ・・・