第2話 救いを求めて
◇◇◇神奈◇◇◇
ここは魔都"ブリアデス"の繁華街です。
ようやく邪神様達を見つけられましたが、問題が発生しました。
凄い視線を感じます。
どうやら誰かが私達・・・特に邪神様達を狙っているようですね。
しかし、その感じる視線の主を特定しようとすると直ぐにその視線は消えてしまいます。
そしてしばらくするとまた別の場所から視線を感じるという状況です。
相手はかなり訓練された暗殺者なのかもしれませんね。
とりあえず、私は今視線を感じる方向に強力な殺気を放ってみました。
その瞬間、視線は感じなくなりました。
まぁ・・・相手は私を正面突破する力は無い様なのでそこまで心配する必要はありませんかね。
しかも、私の護衛する対象は完璧なチートな訳ですしね・・・
◇◇◇フルム◇◇◇
ディエロ
「ふむ・・・あの女性、確かに君の姉にそっくりだな。しかも相当な手練だ。こちらの視線に直ぐに気付いているようだ。」
私とディエロは少し前に双子の邪神を見つけから今まで、隙が無いかをずっと伺っている。
しかし・・・あの姉さまそっくりの女の人が直ぐにそれに気付いて、私達を見つけようとしてくる。
その鋭い感覚も私の大好きだった姉さまそっくり・・・本当に別人なの?
できる事なら、直接会って確かめたい・・・
でも、それはできない事は良く解かってる。だって相手は双子の邪神を護衛してるみたいだし、下手に接触すればこちらの存在が露見してしまう。
でも・・・会って話したい・・・姉さま・・・
ディエロ
「さっきから落ち着きが無い様だが、もしかしてあの女性と話したいなんて考えてないだろうね?」
う・・・完全にバレてる。
フルム
「・・・・・・・」
ディエロ
「図星だね・・・でもそれをやるつもりなら我々を裏切る覚悟でやる事だね。」
・・・分かってるよ・・・そんな事・・・
やっちゃいけない事だって分かってる!
だからこうやって諦めようと頑張ってるんじゃない!!
ディエロ
「どうやら今の君に冷静な行動は不可能みたいだ・・・今日はもう帰って明日仕掛けよう。」
帰る?でも・・・帰りたくない・・・すぐそこに姉さまが居る・・・
フルム
「・・・もう少し様子を見る・・・」
話せなくてもいい・・・ただその姿をもう少しだけ見てたい・・・
ダメかな・・・
ディエロ
「わかった・・・気の済む様にするといい・・・ただ僕は裏切りを許さない、それだけは覚えておいてくれよ。」
ディエロはそう言うと、風が吹くように消えてしまった。
多分私の心が揺れ動いてる事は完全に気付いていると思う。
だけどあえて私の自由にしろと言った・・・試してるんだろうね。
本音を言えば、今直ぐにでもあの人と話して確認して、もし姉さまならこんな組織裏切っても構わない。
でも、それが無理なのは十分に分かってる。
私はポケットから小さな紙包みを取り出した。
この粉の束縛がある限りもう逃げられない・・・
でも、あの人と戦えば・・・姉さまなら私を解放してくれるかな?
私は漠然とそんな事を考えながら、姉さま・・・かもしれない女の人の後を見つからない様に慎重に尾行していた・・・その先にある救いを信じて・・・
どうやらフルムちゃんは何かを考えているようです。
彼女の考える救いとはいったい・・・
そうそう・・・この度、北海道から愛知県にお仕事の都合でお引越ししました。慣れない暑さで干物にならないか心配でなりませんが、今まで通り連載を続けて行きますので、よろしくお願い致します。