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第1話 他人の空似?

◇◇◇フルム◇◇◇


魔都"ブリアデス"・・・・

先代の魔王の時に一度来たことがあるのだが、どうも街の様子がおかしい・・・

かつての物々しい雰囲気はなりを潜め、代わりに活気が満ちているのだ。

更に街の至る所で何かの工事が行われ見た事も無い形の建物が作られつつある。


一体何が起きたのだろうか?

確か、魔王の娘のラスティー=ブリアデスが王座を引き継ぎ魔王となったとは聞いている。

王が変われば街の様子も変わる・・・だがしかし、この変わり様は異様としか言えない。

何か嫌な予感がするが、暗殺者ギルドの依頼は拒否できない。

そんな事をすれば私は無事では済まないだろうし、何よりあの粉が貰えなくなってしまう・・・


あの粉は最初、辛い事を忘れられると言われて報酬代わりに渡された。

煙にして吸うか粉末をそのまま鼻から直接吸引する方法で使用するそれは、最初は全てを忘れ幸せな気持ちにしてくれる素晴らしいものだった。

しかし、しばらく使い続けて異変に気付いた・・・使う頻度がどんどん多くなっていくのだ。

だが、気付いた時には手遅れで、この粉を貰う為だけに生きている様な有様だ・・・


何度か止めようとしたが、無理だった。

今まで忘れていた苦しみが何倍にもなって押し寄せてくるのだ。

だから、もうこの粉を止める事はできないのだとあきらめた・・・

この粉の為なら私は何でもする。

なぜなら、この粉が唯一私を辛い現実から遠ざけてくれるものだから・・・



そう考えながら、街を歩いていると・・・


ドンっ


突然何かにぶつかり、バランスを崩して転倒してしまった。


三編みの女性

「あ、ごめんなさい・・・怪我しなかった?」


フルム

「気をつけなさ・・・っ!!」


文句を言ってやろうと、ぶつかった相手をみた私は言葉を失った・・・


フルム

ねえ・・・さ・・・ま・・・」


数年前に死んだ筈の大好きだった姉さまがそこに居たのだ。


三編みの女性

「大丈夫みたいね・・・ごめんなさい急いでるのでそれじゃ・・・」


フルム

「え・・・あ・・・まっ・・・」


慌てて声を掛けようとしたが、時既に遅し。

姉さまらしき人は、慌てながら再び人混みの中に消えてしまった。

私は何もできずただ呆然するだけだった。


????

「何やっているんだい?」


突然声を掛けられ思考停止状態から立ち直った私は、声のした方を確認する。

そこには、道化師の格好をした私より少し年上の男が立っていた。

彼は"ディエロ"という名前で、暗殺者ギルドの幹部の一人だ。

どうやら私の監視役のようだ。


フルム

「姉さまが・・・居た・・・」


ディエロ

「死人は生き返らない、冷静になりたまえ・・・」


微かな希望も、彼に容赦なく握り潰された。

そうだ、姉さまの死んだ瞬間を私はしっかりと覚えてる・・・

だからさっきの人はきっと別人・・・そう思ったら急に悲しくなってきた。


その辛さから逃れたい私は、持っていた包み紙の一つを開き、その中の粉を力一杯吸い込んだ。

やっぱり私を助けてくれるのはこれだけなんだ・・・



◇◇◇神奈◇◇◇


まったく、邪神様は何処に行ってしまったのかしら・・・

それにしても、さっきの娘・・・夢ちゃんに良く似てて可愛かったわね♪


いけない、私は今執務をほっぽり出して逃走した邪神様を連れ戻さなきゃいけないんだった!

もぉ!夢ちゃんが居た時はこんな事無かったのに!

何で私の時だけ?


神奈

「邪神様!どこですか!!」


その後私は、人混みの中を延々と探し回る羽目になり、ようやく見つけた邪神様達に"そろそろ飽きたから帰る"と言われたのには軽く殺意が湧きました。

わ・・・私だって怒る時は怒るんですよ!!

今回の物語の中心は新キャラのフルムと神奈お姉さんです。

さて、ハッピーエンドとなるか、はたまたバッドエンドとなるか・・・

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