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第12話 黒龍城砦

かつて香港という場所に存在していた有名なスラム街〃九竜城砦〃・・・それを都市単位まで巨大化させた様な街の世界、それが黒龍フィロンとい世界である。

無計画に増改築を繰り返し、建物同士が入り組み、複雑怪奇なダンジョンと化したカオスの極みと言って良い街・・・そんな街の中を、リアンさんに手を引かれ絶賛移動中でごさいます。


すれ違う人達も、刃物や拳銃持ってたり、絶対に人殺してるって断言できる凶悪な顔してたり、変な奇声上げながら暴れてたりと、表の世界ではまず見れない・・・正直見たく無かったです的な光景を絶賛堪能中であります。


・・・もう帰りたいです・・・めっちゃ恐いです・・・生命の危機です。


リアン

「おいおい、そんなに恐がんなって、私と居りゃ絶対安全なんだから・・・」


リアンさんの言う通り、すれ違う人、すれ違う人がお姉さんに対して〃姉さんお久しぶりッス〃とか〃姉御!お帰りやさい〃等々、ヤクザ映画みたいな挨拶をしていきます。

ここではかなり顔が利くみたい・・・とはいえ恐い事に変わりはないので・・・


「恐いものは恐い・・・」


と本音を伝えたが〃だから、ショック療法なんだよ〃って楽しそうに言い放つお姉さん・・・鬼ですか貴女は・・・

そんな私を気にする事なく、街の奥へ奥へと進んでいくリアンさん、建物同士が重なり合っているので昼の筈なのに真っ暗な道は、怪しげなネオンサインや看板の明かりに照らされ、その混沌とした街並みを更に際立たせています。

うん、リアンさんとはぐれたら間違いなく迷う自信がある!!てか、命無いよねこれ・・・

言っとくけど、私は方向音痴じゃないからね!だってさ、ひきこもりになる前は、名古屋の地下街迷わず歩けたんだからね!!


リアン

「お、空いてるな・・・って事は、今日はここに来るって事か・・・探す手間が省けたな。」


ある扉の前で、リアンさんは立ち止まった。

扉の脇には〃BARバー KOSKAコスカ〃と書かれた看板が掲げられている。


リアンさんは、その重たそうな扉を開けて店には入り・・・


リアン

「マスターいるかい?」


マスター

「何か用か?」


リアン

「昨日忘れ物しちまってな・・・」


マスター

「何を忘れたんだ?」


リアン

「何、大した物じゃない、お気に入りの煙草さ。」


マスター

「昨日店を出るときにポケットに入れてただろ?」


リアン

「そうだったかい?なら別の場所か・・・」


マスター

「何なら買ってくかい?」


リアン

「そうだな・・・デカイ札しか無いんだが良いか?」


マスター

「良いだろう・・・久しぶりだなリアン!」


リアン

「おう、久しぶりマスター」


カウンターの立つマスターと謎のやり取りをした後に、その人と親しそうに握手しました。

えっと、もしや此れは・・・


リアン

「この店に入る為の儀式みたいなもんだ。」


あたふたしてる私を見たリアンさんは、さっきのやり取りについて教えてくれました。


マスター

「普通の奴は、門前払いにする決まりなんでな・・・」


コップを拭きながら、マスターが補足してくれました。どうやら特別なお客さん専用のお店のようです。


マスター

「所でその嬢ちゃんは?」


リアン

「うちの列車で預かってる特別なお客だ、心配は要らない。あのバカ双子のお気に入りみたいだしな・・・」


マスター

「それなら良い。」


一見さんの私でも取り敢えず問題ないようです。

お店の雰囲気は、こじんまりとしたごく普通のバーなんですが、マスターが何となく只者じゃ無さそうな雰囲気を醸し出してる気がする。

まぁ、素人目なんだけど、眼帯とかしてるし目付きも鋭いし絶対に普通じゃないよこの人・・・


マスター

「ボスに要件か?」


リアン

「何、久しぶりに寄ったんで挨拶だ。」


マスター

「なるほどな・・・まだ来るまでかなり時間がある、何か飲むか?」


リアン

「いつものを頼む。」


マスター

「バーボンだったな、そっちの嬢ちゃんは?生憎ジュースは置いてない。」


リアン

「だろうな、適当に頼むわ♪」


マスターが頷き、シェーカーに色々入れて降り始めた。何かカッコイイ・・・


リアンさんの前に出されたのは、当然バーボン・・・で、私の前に出されたのは乳白色の液体・・・

ミルクですね・・・何処の西部劇だよ畜生!!

某ゲームのサンダ○ンさんに成るぞ!!

恐いからやらないけどさぁ・・・

取り敢えず、悔しいから一口・・・


甘い!!しかもアルコール入ってる!!


マスター

「ベイリーズミルクだ・・・飲みやすいが飲み過ぎるなよ、ひっくり返るから。」


めちゃくちゃ美味しいよこれ!

お正月に飲んだ御神酒のお酒イメージを綺麗さっぱり払拭・・・そいえば、私未成年だったきが・・・


「私、未成年・・・」


リアン

「ここは黒龍フィロン、お前の国の法律圏外だ♪」


マスター

「それに、ここに法律は無い♪」


「・・・解った・・・。」


良いのかな?

でも、悪い娘になってみるのも面白いかな♪

だってさ、日本に居たときは、親が怖くてこんな事できなかったしね。

それに、このお酒とっても美味しい♪


ちょっと後ろめたい背徳感と美味しいお酒を楽しみつつ、時間が過ぎて行くのでした。

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