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第11話 悪意イッパイなお姉さん

♪~ワイドビューチャイム~♪


スノウ

「本日は、Snow Expressにご乗車ありがとうございます。現在、基幹本線を黒龍フィロン分岐点に向かい走行中です。その先、シュバルトメイジシュタット線の混雑のため、入線が困難となっております。同線の入線許可が降りるまでの間、臨時に黒龍フィロン駅に停車致します。お急ぎのところ列車が遅れます事をお詫び申し上げます。」


♪~ワイドビューチャイム~♪



スノウ君から予め聞いてたけど、やっぱりこの先で足止めになるようです。

というのも、次元軌道を走る列車は日本の鉄道の様にダイヤに従って運行している訳ではなく、空いた閉塞区間(列車同士の衝突を防ぐ閉塞システムの管理単位)に入れる列車を割り当てるアメリカの鉄道に近いシステムで運行している。

つまり、列車が集中する区間の入口で待たされる事になるのである。

そして、待たされるであろう場所には必ず臨時に停車できる大きな駅があるのだそうだ。

今回臨時に停車する黒龍フィロン駅は正にそれである。


さっき部屋の前を通りかかったスノウ君に、黒龍フィロン駅のある世界の事を聞いたら、リアンさんの方が詳しいって教えてくてたので、今現在リアンさんを探して食堂車に向かってる最中です。


何故食堂車かって?

そんなの簡単な事ですよ♪

って考えている間に食堂車の食堂〃レインボー〃に到着です。

そして思った通り、リアンさんは気ダルそうにテーブル(椅子じゃないよ)に腰掛け、プカーと煙草を吹かしてました。

さすが、サボマイスタのお姉さん!その仕事する気ゼロのスタイル憧れます♪


リアン

「おうチビ夢、何か用か?」


私に気付いたリアンさんが、右手を挙げて声を掛けてくれました・・・が、〃チビ〃は余計だと思う。

・・・言っても無駄な気がするので、要件を伝える。


黒龍フィロンの事・・・教えて・・・」


そうそう、この前の一件以来、勇気を出して声を出せる様になったよ。

・・・とは言っても、人見知りが激しいからスノウ君、リアンさん、フィロの3人限定だけどね。

でもさ、かなりの前進だと思う訳です。

だってさ、今までみたいに後ろ向きな逃げ続けるスタイルじゃないし、前向きに頑張ろうって少しずつ思える様に成ってきたしね。

リアンお姉さんには感謝です・・・が、〃チビ〃言うなって思います。


リアン

黒龍フィロンについてか・・・」


〃あんまり良い世界じゃ無いぞ〃って前置きしてからリアンさんは、黒龍フィロンっていう世界について説明してくれました。



黒龍フィロンという世界を一言で言い表すなら、〃アウトローな方々がうごめく暗黒街〃です。おお!何かちょいワルな感じでカッコイイです。

ちなみに、リアンお姉さんがSKBEに入社するまでは、ここで暮らしてたそうです。

いわゆる、古巣ってやつでしょうかね?


後、黒龍フィロンを牛耳ってるボスっぽい人と知り合いなんだそうです。

お姉さん!カッコ良すぎ♪


この後、リアンさんはその人に挨拶しに行くそうで、〃一緒に来るか?〃って言ってくれました。

か・・・軽すぎません?てか、ひきこもりの私に一体幾つハードル越えさせる気なんですか?

一応、お姉さんと一緒に居ればほぼ安全なので問題は無いそうですが・・・


と、迷ってる私を見たリアンさんは〃ショック療法だと思って付いてこい〃と、言いました。


あ・・・あれ?確かさっきは〃付いて来るか?〃だったはずですよね?


「拒否権・・・」


取り敢えず聞いてみた。


リアン

「そんなもん有るわけねぇだろ♪」


ですよね!

てか、凄い満面の笑みだよこの人・・・絶対楽しんでるよね?悪意イッパイだよね?何その〃来なかったら解るよな?〃的な雰囲気は?

うう、行きます!行けば良いんでしょ!!


そして、リアンさんの満面の笑みという圧力に屈し、覚悟を決めるヘタレでひきこもりな私なのでした。

もういい、ヤケクソだ!どうにでも成るがいいさ!




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