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第23話 耳長族の少女

◇◇◇夢◇◇◇


村長

「ふむ・・・耳長族への集落へ行く方法とな・・・」


夢華

「何か無いか?彼等に友好的に近づく方法とか・・・」


村長

「難しいのぉ・・・彼らは外部との繋がりを殆ど持っておらん・・・」


村長の家を訪問し用件を伝えた訳ですが・・・

耳長族との友好関係を築くのは難しいみたいです。

何か困ってる事とかあればそれを解決してっていう王道がありそうなんだけどね。


「耳長さんが困ってること・・・」


村長

「そうじゃのぉ・・・昨日、傷だらけの耳長族の娘が村に逃げ込んで来たようじゃな・・・」


夢華

「本当か?今その娘はどこに?」


村長

「酷い怪我でな、村に着くなり気を失って・・・今は村唯一の宿屋で治療をしておるが・・・このままでは助からんじゃろう。」


うーん、見事なお約束というかベタベタな展開だねこれ・・・

その娘の状況からして、今魔界の森で何か問題・・・それも相当ヤバイレベルが起きてるんじゃないかな。

怪我が酷すぎて手の施しようが無い状態みたいなんだけど、あくまでこの世界の基準・・・私の予想だとぞディークV3が搭載してる術式回路の魔法で何とかなるレベルだと思う。

だってさ・・・死者蘇生の魔法とかもあるみたいだしね。

ゾディークV3万能説かな?


まぁ、それは置いといて、村長さんに保護された娘の居る宿屋の場所を聞いて行ってみる事にしました。


宿屋は"森の入り口亭"という名前の女将さんとその娘で切り盛りしているとても小さな宿みたいです。

女将さんに事情を話したら、運び込まれた女の子の部屋まで案内してくれました。


夢華

「な・・・これは・・・生きていられる状態なのか?」


部屋に入って女の子の姿を見た夢華が絶句してます。

そりゃ、全身血塗れの包帯ぐるぐる巻きの状態じゃねぇ・・・見た感じ胸の部分が上下してるからまだ生きてるみたいだけど・・・この出血量ならそう長くは無さそうだね。


ちなみに、この世界には布団は無いから硬いベッドに何かの毛皮が敷かれた所に寝かされています。

たぶん私が寝たら余裕で次の日に身体が痛くなると思う。

んで、寝てる娘の格好は、薄緑色の髪に長く尖った耳と、聞いていた耳長族の特徴と一致します。


「それじゃ、治療しちゃおう・・・」


夢華

「え?できるのか?」


何か夢華が"何言ってるの?"みたいな顔で私を見てますが、説明する時間が勿体無いのでそのままゾディークV3の術式回路を起動させます。

起動させた魔法は"完全治癒"の魔法で、この娘の様な酷い状態でも身体を元通りに修復してくれます。

ペンダントのゾディークV3内の術式回路で癒しの力に変換された私の魔力は、両手に流れそして寝ている女の子の身体に流れ込んだ。

すると、みるみる傷が塞がり苦しそうだった息遣いも安らかなものとなった。


夢華

「凄いな・・・本当に完治してる・・・」


「凄いのはゾディークV3だよ。」


神の奇跡を見たような驚きで私を褒める夢華でしたが、凄いのは私じゃなくて私が持ってるゾディークV3なので複雑な心境です。

今の猫耳フードのパーカーワンピとゾディークV3を取り上げられたら何の取り柄も無いヘタレっ娘なんですよ私は・・・


女の子

「うーん・・・」


・・・と、私がネガティブ思考に入りそうになった所で、女の子が目を覚ましました。


女の子

「っっ!!人間!」


そして、女の子は私や夢華の姿を確認するなり飛び跳ねるように驚き、臨戦態勢をとりました。

うーん、一応SKBEの支援が始まってから魔族と人間の関係は改善しつつあるんだけどねぇ・・・

SKBEには人間の職員もいっぱい居るからね。

でも、耳長族ってほぼ森の中に引き篭もってた種族なので、魔王軍時代のまま人間は敵意対象なんでしょうね。

んで、私と夢華は人間と・・・間違いなく話がこじれるだろうね・・・

何だろう・・・もの凄く双子の悪意を感じるんですが、気のせいかな?


とりあえず、こっちから名乗っておこうかな?少しは状況が改善するかもしれないし・・・


「えっと・・・私は"森崎 夢"でこっちは"森崎 夢華"、今の魔王の使い・・・敵じゃないよ」


女の子

「・・・エレナ・・・エレナ=フォレイス・・・」


一応向こうも名乗ってくれたけど・・・めっちゃ警戒されております。

まぁ・・・今まで敵対してた種族から魔王の使いって言われても無条件では信じられないって感じかな・・・


ふふふ・・・そんな事もあろうかと、ラスティーにお願いしてそれぞれの族長に宛てた親書を書いてもらっております。

・・・という訳で、リュックサックから持ってきた親書を取り出し、エレナに見せたら納得してくれました。


彼女は、この村の近くにある集落に住んで居たそうですが、昨日に集落が男女2人の人間に襲撃され命辛々ここまで逃げてきたそうな・・・何だろう嫌な予感しかしません。

んで、その襲撃した人間の特徴を聞いてみたら予感が核心に変わりました。


勇輝と美樹のコンビで間違い無いでしょう・・・またお前らか!


「何か言ってなかった?そいつら・・・」


エレナ

「古代遺跡の場所を教えろと・・・叫んでいました。」


夢華

「古代遺跡?」


エレナ

「私達耳長族は、太古の昔に高度な魔法文明を築き上げていました・・・」


夢華

「なるほど、今回の2名はその遺跡にある何かを探していると・・・」


遺跡・・・かぁ・・・まさかその古代魔法文明で作られた超古代兵器とかかな?



「もしかして・・・超古代兵器?」


夢華

「おいおい・・・お前が最近見てるアニメじゃないんだから・・・」


う・・・うるさいですよ!

いいじゃん!ちょっと浪漫を求めたって・・・ここはファンタジー世界なんだよ!!

そこまでバッサリ言う事無いじゃん!いじけるぞ!いじけちゃうぞぉ!


エレナ

「えっと、そこまで凄い物ではありませんが・・・確か"神殺しの武具"というものが・・・」


夢&夢華

「それだー!!」


エレナ

「えぇぇぇぇ?!」


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