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第21話 次の計画へ

◇◇◇夢華◇◇◇


夢華

「夢!何があったんだ!しっかりしろ!!」


「あひひへへへ・・・へへへ・・・」


駆けつけた私が問いかける度に笑いで反応する。

しかも、息を切らし、だらしなく口を開きよだれを垂らしながら・・・ちょっと卑猥ひわい・・・いや、明らかに正常とは言えない状態になっていた。


神奈

「あらあら・・・見事なアヘ顔ねぇ・・・」


おい!お前姉だろ!自分の妹の事なんだから少しは心配しろよ!

・・・とツッコミたい所だが、夢の姉である神奈という人物にそういった態度を求めるのは無駄な事だろう。


神奈

「大丈夫だよ♪邪神様のお約束のかるーいお仕置きだと思うし、可愛い夢ちゃんのアヘ顔が見れて眼福眼福♪」


この姉は・・・だから夢に"愚姉"とバカにされるんだぞ・・・

だが、その軽いお仕置きとはいったい・・・


ラズロット

「にひ♪全身を羽毛でくすぐられるイメージを直接脳に送り込んだかけなのです♪」


リズロット

「死ぬほどくすぐったいだけなのだ♪」


な・・・何だと!

夢は、この様な状態になるまで全身をくすぐられるという地獄を味わったというのか?

恐ろしい・・・何と言う拷問なのだ・・・

私も同じ事をされたら間違い無く夢の様になってしまうだろう。

精神が崩壊していないか非常に心配だ・・・何せ抱き抱えている私が触れる度に痙攣し笑うという状況なのだからな。



夢華

「も・・・元に戻るんだろうな・・・これ・・・」


神奈

「ああ、私の経験だとしばらくほっとけば治るわよ♪ねね夢華、それ私に貸してめっちゃ遊びたい♪」


しばらくすれば元に戻るらしいが・・・

何だろう、彼女は私の抱える夢で遊びたいと訴えている。しかも満面の笑みで・・・


そして私は思った、"殴りたい、その笑顔"と・・・



◇◇◇ラスティー◇◇◇




私は目の前の信じられない光景に唖然とし固まっていた・・・

だって、見た事も無い様な攻撃であっという間に街が瓦礫の山に変わって行ってしまうんだから・・・

その様子は・・・そうあの恐ろしい龍族達が全面戦争を仕掛けて来た災厄に匹敵するものだ。

私達の世界の常識ではこんな壊滅的な破壊を行える軍隊なんて存在しない・・・

強大な魔力を持つと恐れられた私の父、魔王でさえここまでの破壊を行うことはできなかっただろう。


ラスティー

「ねぇ・・・貴方達って一体・・・」


聞かずには居られなかった。彼らSKBEという組織とはどんな存在なのかを・・・


ラズロット

「ごく普通の武装した民間鉄道会社なのです♪」


私の問いかけに答えたラズだったが・・・ごく普通?

これの何処が普通なのか理解できない・・・


この圧倒的な暴力が普通だと言えるのならSKBEという組織はどれほど強大な存在なのだろう。

その想像だにできない強大な力に対し私は恐怖を覚えた・・・

だけど、それと同時に今の私には必要な力だとも思った。


何故なら、フィーロス王国を中心とした人間達の国の連合は、異種族全てを敵視している。

魔の領域が豊かな地域であれば間違いなく私達を排除しにかかるだろう。

幸いかは知らないが、魔の領域は痩せた大地が広がる混沌とした世界であり人間達にとって何の価値もない。

だからこそ、魔王という圧倒的な力を失った私達が今日まで生き延びてこれたのである。

個々の力は圧倒的に私達魔族等の異種族の方が優れている。

しかし、人間達の方が数が多く組織的な部分で大きく私達を凌駕している。

理由は簡単だ、例えば私達魔族は個人主義が強い、他にも耳長族みみながぞくは閉鎖的で森の中に引き篭り、鉱錬族こうれんぞくに至ってはより強い金属や優れた道具を作る事にしか興味が無い、そして闇人族(闇人族)は更に酷く金さえ貰えれば何でもする連中ばかり・・・どうやったって組織的に活動する人間達に適う訳がない。


そしてそれを纏めるのが圧倒的な力を持った魔王という存在である。

悔しいが、私の力をもってしても父である魔王の足元にも及ばない・・・故に私が今魔王になったとしても状況は絶望的だと思っていた。

しかし、SKBEという組織の力があれば、魔王の代わり・・・いやそれ以上の力を得られるかもしれない。


ラスティー

「ひとつ確認したいのだけど・・・」


リズロット

「なにかの?」


ラスティー

「SKBEの総帥・・・フラウといったかしら、彼は本当に路線の拡大にしか興味が無いのかしら?」


だが、確認しなければならない・・・ある日突然彼らが敵になる事が無いのかをね。


ラズロット

「うーん、SKBEと暗黒神殿の関係が続く限り路線の拡張が最重要になると思うのです。」


リズロット

「国家の運営って責任ばっかりで利益が出ないって言ってるからの♪」


成る程、要はフラウ=ラッテという人物はこのSKBEという組織の利益にしか興味が無いという訳なんだな・・・

では、何故私達の国を助けるのだろう・・・そこにある彼の利益とは・・・


ラズロット

「この世界で安心して路線を拡張できる基盤の確保なのです♪」


リズロット

「路線が広がればそこから大きな利益が生まれるのだ♪」


つまり、私がSKBEの路線拡張に配慮をすれば良いという事か・・・その程度なら大した問題にはならないよね。

よし!問題解決!帰ったらさっさと魔の領域を統一しちゃいましょう。

何時人間達が体制を立て直して攻めて来るか分からないしね。


まぁ、そこで固まってる二人(国王と大神官)を見る限り当分は問題なさそうだけど、同盟に参加している周辺国が結束しちゃう可能性もあるしね。


ラスティー

「さて、挨拶も終わったし帰りたいのだけれど・・・」


リズロット

「ほむ、やることやったしそろそろかえるかの♪」


ラズロット

「陽菜たんは気が済んだですかの?」


陽菜

「え?ま・・・まぁ・・・ねぇ・・・逆に相手が哀れに・・・てか、"たん"とか言うなし!」


リズロット

「"たん"付けは親愛の知るしなのだ♪」


ラズロット

「それじゃスノウを呼んで帰るのです。」


帰る方向で話がまとまった様なのでラズが何か四角い物体・・・スマートフォンと言うみたいだけど、それでスノウに連絡したら、数分後"Snow Express"がミュージックホーンという楽器?を鳴らしながら迎えに来た・・・。

全く・・・何だか急に緊張感が無くなった気がする・・・いや元々無かった気がするかも・・・

本当に彼等と居ると真面目に何かを考えるのが馬鹿らしくなる・・・

まぁ・・・最近は私も人の事は言えないけどね・・・

さて、帰ってからが忙しくなるわね、出来れば色々お手伝いをお願いしたいんだけど・・・無理かなぁ・・・


そう思いながら私は皆に続き空中に停車した列車に乗り込むのであった。





更新が遅くなり変態(大変)申し訳ありません。

お引越し作業やらを優先していたため作業が停滞気味となっております。

さて・・・"念願の愛知県(名古屋)への転勤を手に入れたぞ!"と盛大にフラグを・・・w


"殺してでも奪い取る"とか言わないでね♪

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