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第16話 リスペクト・オブ・冷蔵庫♪

◇◇◇神奈◇◇◇


さて、私の今回のお仕事は、目の前の魔法使いの足止め・・・


魔法使い

「はじめまして・・・わたくし、宮廷魔法使いのリックスと申します。」


見た感じ、優男に見えますが・・・その正体はお約束なんでしょうけどね。

どうやって正体を暴いてあげましょうかね♪取り合えず私も名乗るのが礼儀ですかね?


神奈

「あらあら、ご丁寧に・・・私は黒剣士の"守崎 神奈"と申します。」


次はどう来ますかね?


リックス

「それでは単刀直入に・・・私の邪魔をなさるのは止めて頂きたいのですが・・・」


本当に単刀直入ですね・・・言ってる意味は理解しかねますが・・・

妨害を止める事で得られるメリットがありませんし、そもそも邪魔をする事で私が被るデメリットが一切考えられませんからね。という訳で・・・


神奈

「えーと・・・おっしゃっている意味が良く理解できないのですが・・・」


首を傾げて質問してあげました。


リックス

「なるほど、では簡単に言わせて頂きますね・・・邪魔したら殺すって事です、理解できましたか?平民」


あら?雰囲気がちょっと変わりましたね・・・ひょっとしてちょっとイラっときたのかしら?

しかも、私を平民とか言っていますね。

ああ、そういう事ですか・・・この世界は魔法が仕える者が貴族で使えない者が平民となる社会システムで、彼は高貴なる貴族様って事ですね。神奈さん納得♪


そうだわ、良い事思い付いちゃった♪

この魔法使いは自分の魔法に対する絶対のプライドを持っている・・・

それなら、その貴族様ご自慢の魔法を剣でぶった斬るっていうのは中々面白いんじゃないかしらね♪


きっと顔を真っ赤にして怒り狂ってくれるに違いないわ♪

なんだか神奈さんワクワクしてきちゃった♪

じゃあまずは手始めに、かるーく馬鹿にしてあげましょう。


神奈

「あらあらあら・・・大した自信ですこと。その割には大した事なさそうですけどね♪貴族様なのに♪」


リックス

「な・・・何だと!!平民の分際で!!」


ちょっと煽ったらいきなりキレちゃいました・・・ホント沸点の低いなぁ・・・

まぁ・・・その方が、からかい甲斐がありますけどね♪さてさて、どんどん煽って行きましょうかね。


そんじゃお次はと・・・


神奈

「さっきから威嚇してる割には全然攻撃して来られないのですね♪もしかしてビビってらっしゃるのかしら?」


リックス

「へ・・・平民の分際で!!良いでしょう!お望み通りに・・・」


神奈

「ヘイ かもーん♪」


リックス

「八つ裂きにしてあげますよ!!」


煽ったら面白いくらいに乗って来たので、トドメのムカつくポーズで挑発したら、遂に限界突破して突撃してきました。

何と言う事でしょう♪魔法使いが突撃とかおバカ過ぎじゃありませんか?

まぁ、拳を魔力で強化してるみたいですが・・・


拳を軽~く避けつつ、足を引っ掛けてやったら、あらお見事・・・綺麗なヘッドスライディングが決まった様です。


神奈

「あらぁ?そこにはホームベースなんてありませんよ♪そもそも野球なんてしてませんしね♪」


私がそれをからかいながらケラケラ笑っていると・・・

彼はむくりと起き上がり、怒りに満ちた表情でこっちを睨んだではありませんか。

いやぁ、やっぱりプライドの高そうな人をからかって遊ぶのは楽しいですね。

武人は戦う相手を敬う?いつ私が武人になりました?

ちなみに私のモットーは"不真面目"そして"不誠実"、そしてこれは私の中では普通の行いで、別に恥とは思っていませんよ。

そもそも、相手がクソ弱いのがいけないんですから・・・悔しかったら私がふざけられない位の強さを持ちなさいって事です。そんな相手に、何で真面目に戦ってあげる必要があるんでしょうか?

そう、弱いなら玩具にされる、それが常識・・・だって私はダークサイドですからね。


リックス

「こ・・・殺す!!炎の鞭よ!!」


ほうほう、今度は炎の鞭ですか・・・バルログチックで良いですね・・・だがしかし、魔法使いなんですから距離を取って戦う事をまず考えましょうね。

・・・と思ったら、炎の鞭で私の初代ゾディークを絡め取り動きを封じたではありませんか・・・

成程・・・そこで魔法で・・・と思ったら拳にさっきより強い魔力を込めて殴りかかって来ました・・・

君、脳筋剣士に転職した方がいいんじゃな?


取り合えず、殴られて興奮する趣味は無いので迎撃しましょう。何で迎撃しようかなぁ・・・

そうだ!久々にあれやってみましょう♪


私は左手を相手の首元に翳し、魔力を込めました。


リックス

「う・・・が・・・きさま・・・なにを・・・」


すると、彼は突然首元を抑えて苦しみ始めました。

まぁ、私が魔力で首絞めてるからなんですけどね・・・

ちなにみにこの魔法は、魔力の手"マジックハンド"という魔法で、いわゆるダースベイダーがフォースで相手の首を絞めるアレが出来ちゃう私のお気に入りの魔法です。やっぱり悪役っていうのはこうでなくちゃね♪


そして、ここまでやったらやる事はただ一つ、魔力で首を絞めたまま吊り上げる、ダースベイダーさんの十八番おはこのあの技です♪


神奈

「あらあら・・・予想以上に弱過ぎで拍子抜けですわね♪」


そして、いかにもな悪役の台詞を言ってみました。

キャー!私カッコイイ♪

もうこの瞬間は自分が大好きになれる瞬間です♪

後は相手が何か良い感じの台詞で乗っかってくれれば・・・


リックス

「が・・・は・・・こ・・・殺さないで・・・死にたくない!」


その瞬間、一気に冷めました・・・

なにそれ?いきなり命乞い?全然面白くないし・・・折角盛り上がってたのに・・・

何か鋭い視線で"お前なんぞには負けん!!"って言い返して来るのを期待してたのに・・・

しかし、そこにあるのは残念ながら恐怖に怯えた表情・・・何?ちょと私が圧倒しただけでコレなの?

もしかして、この魔法使いって最初から素質があって、自分より強い相手と戦った事がない?

きっとそれだね・・・でもまだ炎の鞭だけだしね・・・もう少し遊びたいんだけどねぇ・・・


そこで私は閃いた・・・そう"圧倒的な閃き!!"そしてそれを実行に移す。


まずは、マジックハンドを解除し相手を解放する。

そして・・・


神奈

「うーん、そうですね。優しい神奈お姉さんがチャンスをあげましょう♪」


リックス

「う・・・ぐ・・・」


ふふふ、寛大なる私に感謝なさいな♪

にしても、冴えないリアクションです事・・・もっとね"チャンスだと?"みたいな気の利いた良い感じの台詞は出てこないのでしょうか?何か"何が起ったのか理解が追い付いてない"みたいな反応は全然面白くありません。

全く、私のカッコイイワンシーンになるんですからもっと頑張ってください!!


神奈

「そうですね・・・貴方の最強の魔法を私に撃ち込んでみなさい・・・もし私にかすり傷でも付けられたら、今回は逃がしてあげましょう♪」


リックス

「な・・・何故?」


うーん、40点・・・台詞が微妙です。

"何が狙いだ!"ぐらいのカッコイイ台詞吐きなさい!

・・・て言ってもしょうがないですね・・・続き行きましょう。


神奈

「私は弱い君で最大限楽しむ方法を考えただけ・・・貴方の為ではありません。さぁ・・・早くしてくださいな、のんびりしてたら私の気が変わっちゃうかもしれませんよ?」


私の一言で、彼は上空に浮かび上がると、巨大な術式イメージの構築を始めます。

やっぱりこの世界でも、原始的な術式展開型の魔法なんですね・・・

見た感じかなり文明が遅れている世界なので仕方ないかもしれませんが・・・何かこう私を驚かせる何かが欲しい所です。

と考えていると、術式の展開が完了し、膨大な魔力を収束したエネルギーの球体が現れました。

ふむふむ・・・悪くはありませんが・・・それだけですね。全然凄いレベルではありません。


リックス

「吹き飛べ!!」


彼の言葉と共に、収束したエネルギーの球体は私に向かって飛ばされました。

おそらく直撃すれば、この辺り一帯が巨大なクレーターになる威力だとは思いますが・・・

残念・・・全く面白味も無いありきたりな攻撃でガッカリです・・・


私は無言で初代ゾディークを構えると、その球体を野球のボールの様に簡単に撃ち返しました。

その様子を見た彼は既に戦意を失い、ガタガタと震えております。

あれ?このシーンどっかで見た覚えが・・・あ、そうだ!これって某アニメで野菜さんが冷蔵庫さんに渾身の一撃を撃ち返されて絶望するシーンではありませんか!

ふふふ、まさか最後でこんなに彼が役に立ってくれるとは思いませんでした。これは全力で悪役を演じなければ♪


神奈

「さてと・・・今度はこっちから軽~くねいきますよ♪」


私はそれっぽい台詞を言うと、魔力で全身を硬化させ、地面を蹴り冷蔵庫さんのリスペクト、強力な頭突きをしかけました。

完全な恐慌状態となったリックスさんは当然避けられません。見事に直撃を食らい、吹っ飛びました。

そして、それに高速移動で追い付いて、尻尾・・・が無いのでそのままくるりんと回転してかかと落としで地面に叩き落とします。


うわぁ♪めっちゃ楽しいこれ♪


そして、地面に倒れてるそれを尻尾の代わりにマジックハンドの魔法で首を締めながら持ち上げ、こう言います。


神奈

「あらら、つまんないよ?まるで戦う気がなくなっちゃったみたいだね♪」


そして、そのまま背中に拳を撃ち込んでいきます。

ああ楽しいな・・・拳を撃ち込む度に私のテンションが上がっていきます。

そしてリックスはと言うと、抵抗する事も出来ず、ひたすら血を吐きながら攻撃に耐えている感じですね。

うーん、見物人が居なくて残念、ここで"手助けしたければ何時でもどうぞ"って言いたかった・・・

まぁ、多くを望んじゃいけませんね。


そして、私は飽きるまでリックスの背中に拳を撃ち込む遊びを続けるのでした♪

楽しいな悪役ムード全開だよ♪

神奈お姉さんはDB好きなのです。

多分夢より強いと思うこの人・・・というよりピンチになる場面が想像できないです・・・天然だけど・・・

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