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第10話 私の声と心の壁

クラスメート1

「あいつさぁ、地味な癖に勉強できるとかムカつかない?」


クラスメート2

「ちょっと、聞こえちゃうよ!」


クラスメート1

「うんわざとだし・・・おい、何見てんだよ!」


ああ、確かこれ小6の時だっけかな・・・

勉強ができるだけでイジメ対象になるとか、どんだけ理不尽なんだよ・・・


クラスメート3

「お前の声、キモいから喋んなよ!」


当時の私

「え?あ・・・」


クラスメート4

「だから声出すなって!」


・・・こんなん言われたら、怖くて声出せなくなるよね・・・喋りたくなくなるよね・・・てか、コイツらマジで死ね。

私だってさ、好きでガリ勉やってるんじゃ無いんだよ!やらなきゃ親の集中砲火食らう地獄があるからやってるんだ!!命懸けなんだよこっちは!!

それと、声とかどうにもならんでしょうが!


担任

「守崎、この前の相談だけど・・・お前の思い込みじゃないのか?」


酷い!もうね、必死に助けを求めたのに・・・


・・・もういい、私は誰も信用しない!

一生一人で生きて行くんだ!誰も頼らない!!


ガシッ


ちょw誰?もう私は誰も信用しないし誰も頼らない!だから邪魔しな・・・


リアン

「大丈夫か?」


う・・・

なんで?もう誰も頼らないって決めたのに!

なんで邪魔するの?出てくるならこうなる前に・・・無理だよね、分かってる、分かってるよそんな事!!


リアン

「おい!しっかりしろ!!」


リアンさんの声で悪夢から現実に引き戻された。

最悪の夢だった・・・

変な汗でびっしょりだし・・・


リアン

「かなりうなされてたから心配したぞ・・・どこか具合が悪い所は無いか?」


身体には異常が無いので、首を横に振る。

どうやら私の部屋のベッドに寝かされてる様だ。


リアン

「それにしても災難だったな、偶然忍び込んできた〃十字教会〃の殉教者に遭遇しちまうなんてな。」


十字教会?殉教者?何ですかそれ?

謎の単語に私は首を傾げる。


リアン

「ああ、十字教会ってのは、SKBEと長い間戦争をしてきた宗教組織だ。昔は強大な組織だったが戦争を繰り返す度に衰退して今では一部の地域を勢力圏にするのが精一杯の弱小組織になっちまった哀れな奴らさ。

お前の世界にも居ただろ?十字架を掲げて祈る奴等・・・カトリックとか言わなかったか?・・・あれと良く似た組織だ。」


イメージとしては、キリスト教(正教会)のイメージで良いのかな?

確かに、さっきの人の感じからしてして間違い無いと思う。


リアン

「んで、殉教者ってのは、衰退した十字教会がSKBEに送って来るテロ攻撃者・・・お前の世界で言うなら、イスラム武装勢力がよくやる自爆攻撃みたいなやつだ。おそらくお馬鹿邪神コンビ(双子の邪神様の事)が乗ってるって誤情報で送り込んできたんだろうが・・・あの程度じゃあの二人が居たとしても、嫌がらせ位にしかならないだろうな。」


つまり、私の変な引きの強さが原因と・・・

居ないなら普通に諦めて帰って頂きたいです。

そいえば、さっきの奴どうなったんだろう?


リアン

「後、さっきの奴は細かく切り刻んで便所に流しといたからもう安心だ。」


何それ?何処を安心すれば良いの?逆に恐いよ?

何かとてつもない事をサラッと言っちゃってますよこの人・・・

てか、人命軽っ・・・軽すぎて空中浮遊しちゃいそうですよお姉さん!


若干引き気味の私に気付いたのか、リアンさんは私の肩に手を当てて〃安心しろ、身内の命の重さは理解してるから〃って優しく言ってくれました。

安心?して良いのかな?

何だろう、私の中の倫理観が少しずつ崩れてく感じは・・・あ、でもちょっと面白い気がしてきた・・・

このまま、血を見たら卒倒するのも克服できたら良いのになぁ・・・


リアン

「ま、夢が無事で何よりってのは本音だ、もう私の中では身内だしな。」


リアンさんはそういって、私の頭を撫でてくれた。

何だか嬉しい。


リアン

「さて、私はそろそろ仕事に・・・ん?」


リアンさんが立ち上がろうとしたとき、私は思わずその服の裾を掴みました。

だって、お礼言ってなかったし・・・何とか引き留めようと思ったら無意識にね。

取り敢えず、ノート・・・ノートが無い!

何でこんな時に、でも今伝えないと後で後悔する。

声で・・・いや・・・キモい声とか言われたく無い・・・でも・・・


リアン

「おいおい、どうした?」


「あ・・・」


リアン

「?!」


「あ・・・あり・・・がとう・・・リアン・・・さん」


リアン

「・・・おう!こっちこそな♪」


ちょっとびっくりした顔をしたリアンさんですが、すぐ笑顔で答えてくれました。

私の声、変じゃなかったかな・・・


リアン

「思った通り、綺麗な声だな♪使わなきゃもったいないぜ」


リアンさんの言葉を聞いた時、目頭が熱くなって勢いで抱き付いちゃいました。

そんな私をリアンさんは優しく受け止めてくれた。

この人なら・・・

この人なら、信じても良さそう。

でも、やっぱりまだ恐い、人と関わるのは恐い・・・拒絶されたくない・・・だから関わるのを辞めた。

だけど・・・

だけど、やっぱりリアンさん達とは関わりを持ちたいって思い始めてる。

だから、少しずつ・・・少しずつ前向きに頑張ってみよう。


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