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第14話 聞いていないぞ!


◇◇◇ブライアン◇◇◇


何だこれは・・・一体どういう事なんだ!

俺達3人が街の正門に駆けつけるとそこには悲惨な光景が広がっていた。


正門を守っているはずの兵士達の姿は既に無く、周りには血と肉片が撒き散らされその中心には漆黒の曲刀を構えた血塗れのアキナが恐ろしい程の笑顔で立っていた。


ブラアン

「何してるんだ!アキナ!!」


俺は大声で叫んだ!

当たり前だ!アキナは勇者で我々人間達の希望だったのだ・・・

それがなぜこの様な残虐な行為をしているんだ!訳が分からない。

少し前に元の世界に帰る方法を探すために街から出て行ったとは聞いていたが・・・

しかし、彼女は理不尽なこの世界の人間達の願いを受け入れ魔王討伐という命懸けの任務を引き受けてくれた。

そしてそれを、この世界の為であり自分為でもあると毅然と答えてくれた。

そんな、彼女に一体何があったんだ!何が彼女をここまで変えてしまったのだ!


アーヴィン

「待て!ブライアン!!」


アキナに駆け寄ろうとした俺をアーヴィンが止めた。


ブライアン

「何故止めるんだ!」



アーヴィン

「後ろを見ろ!迂闊に飛び込むのは危険だ。」


アーヴィンの指さす後方を見ると、そこには一人の魔族少女の姿があった。

そして、その両脇には禍々しい邪悪なオーラを纏った小さな双子の女の子がそれを護るように立っていた。


更に、その右脇には黒い軍帽とコートを羽織った女性があり得ない大きさの大剣を構え、反対側には双子の様にそっくりな少女2人が武器を構えている。

少女の一人は右脇の女性と同じ大きさの大剣を持ち、更に背中に羽の生えた小さな男の子を背負っている。

もう一人の少女は、土色の軍服に身を包み、見た事も無い槍の様な武器を構えている。



軍服の少女(夢華)

「どうした夢?何か残念そうだぞ?」


大剣の少女(夢)

「人数が足りない・・・陣形が組めない・・・残念」


大剣の女性(神奈)

「そこでロマ○ガとか古すぎない?」


大剣少女(夢)

「ダマレ・・・愚姉・・・」


大剣の女性(神奈)

「ひどい夢ちゃん・・・」


羽の生えた子供

「回復はまかせて♪」


大剣の少女(夢)

「サウロ君・・・お願いだから無茶しないでね・・・」


アキナ

「ねぇ・・・あんた達、いい加減真面目にやりなさいよ!!」


魔族の少女ラスティー

「ああ、それ私も思ってたわ・・・あんたらふざけ過ぎ!」


双子の子供ラズロット

「折角だから楽しくなのです♪」


双子の子供リズロット

「楽しい冒険なのだ♪」


軍服の少女(夢華)

「それはピクニックじゃないのか?まったく・・・」



何なんだこいつら・・・

戦いの最中だというのに、この緊張感の無さは一体何のつもりだ!

ふざけているのか?

だが、確認せねばならない、何故アキナが変わってしまったのかを・・・



ブライアン

「貴様達か!アキナをこんな風にしたのは!!」


大剣の少女(夢)

「はぁ?何いってるの?」


軍服の少女(夢華)

「自覚が無いのか?」


魔族の少女ラスティー

「流石に陽菜には同情するわね・・・」


な・・・何だと言うのだ!

この俺がまるで酷い奴の様ではないか!俺は神殿騎士として如何なる時もアキナがこの世界で生きて行く為に支えとなって来たと思っている。

それなのに、この俺がアキナを傷付けたとでも言うのか?そんな筈は無い!

なぜなら彼女の近くで支えとなってきたこの俺が一番彼女を理解しているからだ!


アーヴィン

「落ち着けって・・・今はアキナはどうでも良い。」


ブライアン

「アキナがどうでも良いだと!貴様本気で言っているのか?」


彼女はこの世界の為にいや我々の都合で召喚したんだぞ!

それを、用が済んだらどうでも良いというのは余りにも無責任ではないのか?


アーヴィン

「今はそれどころじゃないだろう!」


リックス

「それよりも・・この団体様が何しに来たかの方が重要だよ・・・」


ブライアン

「ぐ・・・」


二人が言う事ももっともだ・・・

街の正門が破られたのだ・・・こちらを優先せねばならない・・・だが・・・


ブライアン

「アキナ!聞いてくれ・・・俺達は・・・」


陽菜

「聞きたくない!」


何とか説得しようと話しかけたが、話すら聞いて貰えない。

どうすれば・・・


アーヴィン

「いい加減にしろブライアン!その糞ガキは事もあろうに大神官に斬りかかった!既に反逆者なんだよ!」


ブラアン

「な・・・聞いてないぞ!そんな事・・・」


聞いていない!そんな事聞いていないぞ!!

何故彼女がそんな事を・・・


陽菜

「あんた達が・・・あんた達が私を騙したんじゃない!魔王を倒せば帰れるって!でも実際はどうなったの?あの神官は私にこう言ったのよ"魔王を倒せばそれで良い・・・もう君は用済みだ"ってね。ふざけないでよ!!私は元の世界に帰れると信じて必死で頑張ったのよ!!」


なんだそれは!

俺はそんな事聞かされていないぞ・・・


ブライアン

「どういう事なんだ・・・」


陽菜

「とぼけないでよ!貴方達は最初から知ってたんでしょ!」


待ってくれ!本当に俺は何も聞かされて居ないんだ!

頼む!話を聞いてくれ!!


ブライアン

「違う!俺は何も・・・」


陽菜

「もう聞きたくない!もう私に話しかけないで!!」


ダメだ、何とか釈明しようにも、彼女は全く聞く耳を持たない。

どうすれば良いのか全く分からない・・・そもそも大神官は一体彼女にどう伝えていたのだ?

俺は何もできずただ立ち尽くすいがいできなかった。



うーん、何で私の作品の男キャラって勘違い男が多いんでしょうか・・・

今のところ伽藍のおっちゃん以外男気全開のカッコイイ人が居ない感じがします。

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