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第10話 姉の悩み

◇◇◇ラスティー◇◇◇


神奈

「ねぇ・・・酷いと思わない?聞いてる?」


ラスティー

「・・・聞いてるから静かにしてもらえない?」


眠れないので、食堂車でお酒を飲んでいたら、変なのに捕まった。

彼女は夢の姉らしいのだが・・・色々痛々しい・・・


さっきから延々"最近妹の私への対応が冷たい"だの"弁慶クラッシュが痛い"だの私にとってどうでも良い内容の会話が続いている。

性質の悪い絡み酒って嫌よねぇ・・・夢の姉の様だし無下にはできないしホントにめんどくさい・・・

神奈

「後ね、夢ちゃん最近、天使の男の子を使い魔にして抱き枕にしてるの!分る?私の可愛い夢ちゃんが男と寝てるのよ!許せない!!」


そして、サウロという天使の子供の話になる・・・これで何回目だろうか?

酔っ払いの話の堂々巡り・・・聞く側にとってこれ程の苦痛は無いと思う・・・

もうね・・・そろそろ殴って沈めても良いかしら?



フィロ

「酔っ払いの相手大変だぞ♪」


ウェイターのフィロが頭に新しいグラスを乗せて持ってきてくれた。

あの天使もそうだがこの子も確か夢が可愛がっていたな・・・

そうだ・・・グラスを置いて帰ろうとしたフィロを私は抱きあげた。


フィロ

「抱きあげられたぞ♪お持ち帰りか?」


楽しそうに何か言っているが、それは置いとこう。

そして、フィロを神奈に見せ私はこう言った。


ラスティー

「ねぇ・・・この子も夢が抱っこしたりしてるけど貴方は嫉妬してるかしら?」


神奈

「え~する訳ないじゃない、その子は小動物みたいなものだし・・・」


やっぱりね・・・でも、夢にとってはこのフィロもサウロも同じ小動物認識なんじゃないかなと私は思ってる。それは彼女の行動がフィロに対してもサウロに対しても大した差が無いからだ。

違いがあるとすれば、フィロは女の子でサウロは男の子という事だけである。

そして、彼女の中でフィロが小動物と認識されているのなら、サウロの認識を雄の小動物という認識に変えてやれば良いだけなのだ。


ラスティー

「それで、サウロ君は?」


神奈

「・・・・」


ラスティー

「夢の場合、多分同じ小動物認識よ、フィロに対する態度と大して変わり無いもの・・・」


神奈

「・・・でもぉ!」


ラスティー

「貴方、犬や猫に対して嫉妬するわけ?それダサ過ぎよ?」


神奈

「う・・・分ったわ・・・そ・・・そうよね犬や猫みたいなものよね・・・」


どうやら、彼女も納得したようだ・・・まぁ今後に問題を先送りしただけの様な気もするが・・・まぁ良いか。

今後、サウロがカッコイイ男の子に成長したらどうなるかは知らないけどね。

まぁ、今は問題が解決して良かったと考えるべきかしら?

あのうっとおしい酔っ払いの堂々巡りからも解放されるのだしね。


神奈

「そういえば、最近の夢ちゃん可愛いのよ♪」


終わってなかったぁぁぁ!!



◇◇◇リアン◇◇◇


いやあ、変わったねこの列車も・・・

私は最後尾の乗務員室で癒しの一服を吹かしている。

昔は、123号車の旅客は居たが、残りは双子達だけが乗客だった。

だが、神奈や夢が来てからそれは大きく変わった・・・元々双子達はこの列車に他の者を乗せるのを余り好まなかった・・・それは、心を読む能力で知りたくない事まで知ってしまう事が嫌だったのだろう。

スノウは、機械だから心は読めない読めたとしても0と1の羅列で意味はまず分らない。

フィロは考え方は単純でしかも純粋だ・・・そして私は裏表が余りない・・・気に入らない事は我慢しないし、遠慮無くブッ飛ばす・・・

嘘が無い、だから双子達がこの列車のクルーにしているのだろう。

でなきゃ、接客業に全く向かない私がここに居る筈がない・・・

最近では、私の接客の悪さも名物となっているが最初の頃は酷いクレームの嵐だったからな・・・

まぁ・・・改める気は無いがな。


そんな、双子達が神奈や夢を成り行きとは言えこの列車のしかも双子達の生活空間に居住させた事にはびっくりしたが、そこから双子達は変わった。

何かあればこの列車に人を乗せる様になったのだ・・・一体何があったのかは分らないが、神奈と夢が切っ掛けを作った事に変わりは無い・・・それに最近は本当に楽しそうだ。


やれやれ、そろそろ私はお役御免かね?


スノウ

「何サボって煙草吸ってるんですか?不良乗務員さん?」


リアン

「あん?良いだろ?そろそろ私はお役御免になりそうだからな・・・」


おい!なんだよその"何を今更?"みたいな顔・・・目茶苦茶腹立つんだけど!!


スノウ

「邪神様は貴女を絶対にクビにしませんよ♪非常に不本意ではありますが・・・」


リアン

「何か最後が少し引っかかるが、礼は言っておこう。」


スノウ

「お二人にとってリアンさんはお姉さんみたいなものです。そして夢さんにとってもね・・・そんな大切な家族を要らないって言うと思います?私はこんな不良乗務員さっさと追い出して欲しいんですけどね。」


おい!さっきから良い話とセットでケンカ売ってるだろ!


スノウ

「まぁ・・・危機感を持って頂いた事は幸いです。これを機に心を入れ替えて乗務員として真面目に仕事をして頂きたいで・・・あれ?どうしたんですか?リアンさん・・・凄い形相で・・・ってちょっと何殴ろうとしてるんですか!僕は精密機械なんですよ!!」


リアン

「おう、だからな、さっきのお礼に精密機械の耐久テストでもしてやろうと思ってな♪なぁに、壊れたらちゃーんと直してやるから♪」


スノウ

「安心できる要素が何処にもありません!!ご遠慮させていただ・・・ちょ・・・ヤメテ!!」


そして私はさっきのお礼に笑顔でスノウとお話しした・・・肉体言語で・・・

スノウも涙を流しながら感謝しているようだ。お礼ができて良かった良かった♪


スノウ君とリアンさんは仲が悪いようでお互い遠慮の無い関係で実は非常に仲が良いのです。普段の煽り合いもお互いに遠慮が無い信頼があるからできるのです。

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