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第9話 黒風1号

◇◇◇陽菜◇◇◇


復讐・・・あまり良い響きの言葉では無い・・・だけど・・・私を良い様に利用したあの神官や国王達は許せない。

明日、神官や国王達に私の怒りをぶつけてやるつもりだ。

そして、ラスティーという魔王の娘が現れ、この世界をリセットする・・・いや、話を聞く限りこのSKBEという組織は私の住んでいた世界より遥かに進んだ技術を持っているので、前より悪い状況になるのかもしれない。

でも、知った事じゃない!元々彼等が呼ばれる側の気持ちを考えず召喚を行ったからだ!

そう、彼らの自業自得・・・今後この世界の人々にどんな不幸が降り掛かろうとも私のせいじゃない。


その時、"コンコン"と部屋の扉がノックされた。


陽菜

「どうぞ・・・」


ラズロット

「こんばんわなのです♪」


リズロット

「こんこんなのだ♪」


双子達だった・・・

さっきの話では、この二人は邪神と呼ばれる恐ろしい存在らしい・・・

でも・・・そうは見えない・・・無邪気な子供にしか・・・


リズロット

「子供とは失礼なのだ。」


ラズロット

「失礼千万なのです。」


陽菜

「あ・・・その・・・ごめんなさい・・・」


あれ?私うっかり喋っちゃってた?

いや・・・そんな筈は・・・


ラズロット

「陽菜たんは喋って無いのです♪」


リズロット

「でも、リズ達の前では隠し事はできないのだ♪」


陽菜

「あの・・それって・・・私の心を?」


二人が笑顔で頷いた。

やはり、私の思考が筒抜けだった・・・確かにこの二人は邪神、これ位できても不思議じゃないしな。

そんな二人が私に何の用なんだろうか?


ラズロット

「まずはこれをあげるのです♪」


ラズロットはそう言うと、私に一振りの大太刀おおたちを差し出した。

その刀身は150センチ程度あるが・・・一体今まで何処に隠していたのだろうか?


リズロット

「それは秘密なのだ・・・・」


まぁ・・・お約束だよな・・・まぁこれは良いとして・・・刀身が漆黒でである。

いったい何で作ればこんな色に・・・


ラズロット

「ウランコン合金をミスリル合金コーティングしてるです♪」


リズロット

「とっても頑丈なのだ♪」


手に取るとずっしりと重たいが、動かすのに苦労は無い・・・不思議な感じだ。

そう、重量はあるのにその重さを感じない様な不思議な感じだ・・・

そして、持った時に身体にみなぎる力・・・これは・・・


リズロット

「夢たんの持ってるゾディークV3の刀バージョンで、チート能力強化とアクションサポート機能が標準装備なのだ♪」


ラズロット

「その名も黒風1くろかぜいちごうなのです♪」


凄い・・・凄いんだけど・・・最後のラズロットの一言で全てが台無しになっていると思う。

黒風1号ってまるで特急の愛称みたいなネーミングはどうかと・・・


ラズロット

「刀だから和風の名前にしてみたのです♪」


リズロット

「何か問題あるのかの?」


ネーミングセンスが致命的な事が問題じゃないかな?

というより、もしかして冗談じゃ無くて素だったの?もしかして真面目に名前つけてこれ?


ラズロット

「カッコイイ名前なのです!」


リズロット

「ちゃんと振りかざす時は"唸れ黒風1号!"って言わなきゃダメなのだ!」


うわぁ・・・恥ずかしすぎる・・・正直無いわぁ・・・

この二人・・・もしかして私を痛い子にしたかってる?

訳無いよね・・・多分この二人のネーミングセンスが絶望的なんだと思う・・・

だが、これは無いと思う・・・言ったら怒ると思うから言わないけどね・・・


ラズロット

「さっきから失礼すぎるのです!」


リズロット

「失礼なのだ!」


心の声聞こえてたぁぁぁぁぁ!!

その後、何故か双子達に"唸れ黒風1号!"と言いながら構えを取る練習という名の羞恥プレイをさせられた・・・何で私がこんな目に・・・


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