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第5話 身分証明は大切

とりあえず黒髪のお姉さんが落ち着くのを待って、非常に面倒ですが事情を聞いてみました。

お名前は、"白崎 陽菜"で一応18歳の時にこの世界に召喚され1年暮らしたそうな・・・って事は19歳ですね。

どうやら彼女は、このフローセリアしか知らず、大小様々な世界が浮かぶ多次元空間〃ヴィーケ〃という概念すらも知らなかったようです。

当然、異世界同士を結ぶ鉄道会社SKBEの事も知る訳が無く、異世界間を自由に移動できなんて夢にも思っていなかったそうな・・・

もうね、よくある異世界トリップモノの主人公状態で最後に"実は帰れませんでしたテヘペロ"的な可哀想な主人公状態です。


うん、同情するよ・・・同情するけど私が助ける義理は無いと思う。

でもまぁ、このまま見捨てるのもアレなので、駅の改札までは案内してあげました。

ちなみに、この駅自体に結界が張られていて、現地の人が入り口を見つけられない様になってるみたいです。ちなみに、ダミーの入り口があり、そこからだと駅施設には行けなくなってるんだって・・・

良くできてるね。


という訳で、私達は今通常の入り口を通り駅の改札に居ます。


「ここが改札・・・後は駅員に・・・」


夢華

「私達ができるのはここまでだな・・・」


と、後は駅員に丸投げするつもりで別れようとしていると・・・


駅員さん

「ちょ・・・どこから入ってきた!ここは一般人は入れないんだぞ!!」


駅員さんがもの凄い勢いですっとんで来ました。


陽菜

「え・・・あ・・・その・・・」


「じゃ・・・そういう事で・・・」


私がパスを取り出し、手を振り改札を抜けようとしたら・・・

凄い力でしがみ付かれました・・・そして、捨てられた子犬の様な目で"お願いだ・・・見捨てないでくれ"と懇願されました・・・


駅員さん

「所でお二人は?」


そして飛び火した・・・取り合えず私と夢華は双子から貰っていたパスを駅員さんに見せ、事無きを得ました・・・が・・・


駅員さん

「困りますよ・・・現地の人を連れ込んじゃ・・・」


何か怒られた・・・まぁ部外者連れ込んだ感じになっちゃったしね・・・


夢華

「実は、この世界に誤って転送された者の様だったので・・・」


駅員さん

「ああ、そう言う事ですか・・・何か証明になる物はお持ちですか?」


まぁ・・・そうだよね・・・何か持ってると良いけど・・・


陽菜

「その・・・使えないので処分して・・・」


うわぁ・・・アカン奴やんそれ!

さっきまで笑顔だった駅員さんの顔が険しくなっちゃったよ・・・


駅員さん

「残念ですが、身分証明のできない方をお客様としてご乗車させる事はできかねます。ご了承ください。」


駅員さんはそう言うと、何やら無線機で連絡しています。

そして、すぐさま警備員さんがやってきて、陽菜を連行しようとしました。


夢華

「ちょ・・・ちょっと待ってくれ・・・いくらなんでも冷た過ぎないか?」


まぁ・・・夢華ならそう言うよね・・・多分この状況なら何とか助けようとするよね、この娘なら・・・


駅員さん

「しかし、規則がありますので、お乗せする事はできません!」


そうだよね・・・この駅員さんも間違ってない・・・規則に基づいて仕事してるんだから、それを人情で捻じ曲げるのもちょっと違う気がするしね・・・


どっちも言ってる事は正しい・・・でも双方が納得できる落とし所は・・・


ラズロット

「何もめてるですか?」


あった!いや、居たよココに・・・ルール無用の免罪符が!!


ラズロット

「免罪符?かの?」


ラズが首を傾げたので、事情を説明する・・・まぁ、状況を頭に思い浮かべるだけだけどね。

それで勝手に心読んでくれるし・・・なんて便利♪


ラズロット

「ほむほむ・・・つまり、この人が異世界トリッパーで何とか列車で元の世界に帰れる様にできないかって事かの?」


異世界トリッパーって新しい表現ですね・・・まぁ大体あってますが・・・

んで、ラズは陽菜を見て数回頷くと・・・こう言いました。


ラズロット

「条件付きならOK出すですよ♪」


条件?条件とな?とりあえず陽菜をみると・・・なんか顔がパァーって明るくなったね。

まぁ、最悪の状況は脱したもんね・・・後はその条件が何なのかだと思うけど・・・何だろう嫌な予感しかしねぇし・・・しかもラズの顔が目茶苦茶良い笑顔だし・・・絶対何か企んでるよね?


夢華

「で・・・その条件というのは?」


夢華の質問にラズは更に良い笑顔でこう言いやがった・・・


ラズロット

「ラスティーたんへの謝罪文♪」


夢華

「へ?」


「え?」


陽菜

「な・・・」


一瞬時が止まり、そして・・・


夢&夢華&陽菜

「なんじゃそりゃ~!!」


見事にシンクロした・・・だってさ意味分んないよ・・・何で謝罪文?

って一瞬考えたら思い出した・・・

確かラスティーの父親が勇者に殺されたんだったよね・・・んで"私が地位と権力を奪う前に何してくれてんの!!"って怒り心頭だったんだっけ・・・

んで、陽菜は召喚された勇者と・・・ああ、納得。


でもさ・・・こいつがこの条件出した理由って・・・


ラズロット

「面白いからに決まってるのです・・・それ以外にあるですか?」


安定の悪魔でした・・・

帰る為とは言え、邪神の生贄とはむごすぎる・・・


ラズロット

「地味に夢たん失礼なのです!」


いやいや、絶望のどん底の人に謝罪文書かせるとか鬼でしょ・・・

ん?でもさ・・・さっきの駅員さんの話を良く考えると、陽菜が嘘を言ってるかもしれないって事で乗車させられないって事だよね・・・

って事はですよ・・・ラズが心読んで間違い無く異世界トリッパーだって確認できた時点で問題解決じゃね?違うの?


ラズロット

「夢たん・・・」


「んにゅ?」


ラズロット

「それを口に出したら"明日以降お部屋の冷蔵庫のドリンクが全部ハバネロソースに変わるだろう"って占いに出てるのです♪」


何それ怖い・・・てかその犯人ラズだよね?

脅しだよねそれ?コーラだと思ってハバネロソース一気飲みして悶絶したくなければ言うなよって脅しだよね?


ラズロット

「これは占いなのです♪」


もういいや・・・ホントにやれるだろうしコイツなら・・・黙ってた方が私的には安全だしね。

ここは、陽菜さんに尊い犠牲になって頂くと致しましょう。うんそうしよう。


ラズロット

「夢たんは悪魔なのです♪」


貴方にだけは言われたくないです!!


てな訳で、陽菜がラスティーへの謝罪文を書くという条件で・・・というか"もう帰れるなら何でもやります"的な感じでみたいだけど・・・ラズが動いてくれました。

ラズが一言言っただけで駅員さんが"イエッサー"と言わんばかりに速攻でパスを発行してくれました。

しかも、私や夢華と同じタイプのやつだし・・・絶対普通に帰す気無いよね?玩具にする気満々だよね?

もうね、私にはそのパスが地獄行きにしか見えないよ・・・頑張って強く生きておくれ・・・


ラズと夢ちゃんのやり取りは、勝手にキャラが喋って文章ができていく感じになるので作者としてはかなり気に入ってます。

あと、今回で番外編を含む100部目みたいです。

しかし、困った事にやりたい事が尽きない状況で、終わりが見えません。

大丈夫かな・・・

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