~漢達の挽歌~
二次創作アンソロジーです。原作との違いがございますがご了承ください。
アキバの街の戦闘系ギルドはその日、窮地に陥っていた。
「くそが、どうしてこうなりやがった」
《~漢達の挽歌~》
ある日の事。黒剣騎士団はレイドに行くために、メンバー達に集合を掛けたのであるが、誰1人として来なかった。
「っかしいな、皆ログインしてるはずなんだが···」
「どうしたんでしょうね?」
アイザックとレザリックの二人は、アキバの街の中央広場でメンバー達にメールを送っていた。
「いつもなら、マスディ君に、イーグル君、フリード君に、パウルス君
彼らはすでに来ているはずなんですが」
「だよなぁ」
レザリックの言葉にアイザックも相槌を返す。アイザックは頭をガシガシと掻きながらメンバーからの返事を待っていた。
「二人だけとは、珍しいな」
「ウッドストックか」
「ご無沙汰です」
ウッドストックがアイザック達へと声をかけて近づいてくる。以前所属していた事もあり、気になるのだろう。
「いつもの仲間はどうした?」
「どうしたもこうしたもねぇよ···」
「レイドに行く時間なのに皆が来なくて」
「そいつは珍しいな、何かやらかしたのか?」
ウッドストックがアイザックへ振り向き、質問してみる。だがアイザックは心当たりがさっぱり思い付かないと、肩をすくめる。
「あ、メールが帰って来ましたね」
「あ?、なんでレザリックだけにメールが返ってくるんだ?」
「さあ、読みますので待ってくださいね」
レザリックの方からカチカチというマウスのクリック音がする。多分メールを開いているのだろう。
「じゃあ読みますね」
「早くしてくれ、レイドが始まっちまう」
「せっかくだから儂も聞かせてもらう」
「好きにしろ」
「では」
~前略、ギルマス様へ~
アイザックさん、本日は如何お過ごしでしょうか?。私達は今、メンバーの皆と共にストライキを敢行しております。
「ストライキだぁ~!?」
思わぬ単語にアイザックが思わず変な声をあげる。
「続きをを読みますね」
「ストライキとは穏やかじゃないな」
「うっせえ」
~多分、レザリックさんが読んだメールの内容に驚いている事でしょう~
「お見通しだな」
「うっせ!、髭むしんぞ」
~しかし、勘違いしてほしくないのは、私達はギルマスに不満があって
ストライキしているわけではないと言うことです~
「ほれみろ髭!」
「うむぅ」
~今回はギルマスにあるお願いがあって、このような形を取らせて頂きました~
~それは·····~
~『ギルメンにおんなのこがほしーーーーーい!!!(切実)』×48~
「はぁ?」
「これは····またなんとも」
「あ!。続きが来ましたね、読みます」
~先日行われたレイド制覇の打ち上げで、他の方々と一緒になったことは覚えていらっしゃると思います~
「そうなのか?」
「<茶会>や<D,D,D>と場所が被ったんだよ」
~メンバー全員、あのときの事は悔しくて忘れられません。だって·····~
~『男しかいないの<黒剣>だけじゃないですか!!!』×48~
~他のギルドの方々は女の子とキャッキャウフフしているというのに~
~『野郎だけでキャッキャウフフできるかぁ!!!!(切実)』×48~
ウッドストックがアイザックを見やり。
「ソッチの趣味があったのか?」
「決めた···髭むしる」
「大丈夫ですよ、アイザック君は
<黒髪ロングヘアーの巨乳>さんが好きですから」
「///てめレザリック!?、さらっとプライバシーな事ばらすんじゃあねぇ!!///」
「ほう、お前さん···」
「んだよ髭」
「マニアックだな」
「········」
「ちょ···まっ···!!、髭はとれないから!!ヤメテ~!!」
アイザックはウッドストックを放すとレザリックに振り向き。
「で、続きは!」
「え~とですね」
~先日、レイドの助っ人の女性がオフ会に来ていただけなかったのが、
残念でなりません、そこで·····私達は考えました~
~『自分達でギルドに潤いをもたらせばいいじゃないかと!!!』×48~
「バカかコイツら」
「今回はさすがに、アイザック君に同意ですね」
「儂もそう思う」
レザリックが再びメールを読みはじめる。
~そんな訳で、ギルマスに勧誘の許可を得る為に
やむ無くストライキさせて頂いております~
~どうか何卒!!、勧誘の許可を頂けませんでしょうか!!~
~『どうか!!どうか!!勧誘の許可を····宜しくお願いします』×48~
「今日のレイドは中止ですね···」
「くそが、どうしてこうなりやがった」
「なあアイザック」
「なんだ髭、まだいたのか」
「ヒドイっ!!。それはさておき、勧誘は許可してやらないのか?」
「ああ、なんで<黒剣>に低レベルを入れにゃなんねえんだよ」
「そこまで曲げろと言ってる訳じゃない」
「じゃあ、なんだってんだ」
「せめて···ほんの少しだけでも。妥協してやる事は出来んか?」
「ちっ····。相変わらずうるせえ髭だぜ。おいレザリック」
「なんです?」
「レベル下限85までなら許すと言っておけ。
それ以上はビタ一文まけねぇともな」
「分かりました」
「すまんなアイザック」
「うっせえ髭、次邪魔しやがったらマジむしんぞ」
こうして、アイザックの許可を取り付けたメンバー達は、アキバの街やシブヤの街で勧誘を開始、憧れのオフ会を夢見て頑張ったのでした。
・・・・・後日・・・・・
GMコールされました♪