~突撃娘とバスガイド~
ふと彼ら出逢いが気になってついやってしまった・・・・。
今では後悔?しているかもしれない?
その日、彼は何時ものようにエルダーテイルをプレイしていた。wikiで調べたデータを元にダンジョンをくまなく探索しCAD用のマッピングデータを集めていた。
「よし、今回はこんなものかな、別窓で開いて細かい修正点をメモしてっと」
何時ものように探索を終えた青年は『コールオブホーム』を唱えアキバへと帰ってきた、探索で集めた素材の一部をマーケットに流し残りの素材や貯まった金貨を銀行へ預けようとギルド会館へと向かった青年は、何故かイキナリ別のプレイヤーキャラにしがみつかれたのである、青年はそのプレイヤーが操作ミスか、はたまた誤って自分が割り込んでしまったのかと思い声をかけてみることにしたのだが、そのプレイヤーから放たれた第一声はとんでもない方向へ飛んで行くような発言だった。
「見てみてカズ君♪、良いもの拾ったよ~♪ほら♪付与術師♪」
勝手に人にしがみついて拾った発言、その上友人と思わしき人に自慢するという暴挙に青年は思わず声を荒げて怒鳴ってしまった、しかしそのプレイヤーは全く人の話を聞いておらず謝ってくれたのは友人と思わしき人の方だったのだから青年としても頭が痛い、仕方ないのでその人の謝罪を受けた上で怒鳴ってしまった事を謝り自分を勝手に拾った発言するプレイヤーの事を聞いてみることにした。
「何なんですかあの人は」
「俺も知り合って間もないんだが、まあ・・・・あんな奴なんだ」
「・・・もしかしてあなたも?」
「うむ、ダンジョンでソロ探索していた用だったから声をかけたらこの有り様でな・・・」
「心中御察しします・・・」
どうやら似たような境遇で巻き込まれたらしいその人と青年が話し込んでいると、1人また何処かへ突撃していったと思っていた暴走娘が帰ってきて、二人を怒鳴りつける。
「ちょっと~!!、二人もちゃんとパーティーメンバー勧誘してよ~!!!」
「話の流れがまっっっっっっっったく分からないんですが!!!!」
「すまない、俺も全く分からん」
イキナリ捕まった上、拾った発言、そしてパーティーメンバーを勧誘しろと怒鳴られるという話の流れが全く理解の出来ない会話に青年は眉間に皺をよせ、無駄かもしれないと思いつつ意味を聞いてみることに、すると彼女から返ってきた答えは。
「そんなの、全職業、全種族コンプリートして冒険するために決まってるじゃない♪」
「「!!!!」」
彼女の発言に二人は言葉を失ってしまう、しかし青年はなんとか一言言葉を紡ぎだした。
「ちゃんと意味あったんだ・・・」
「同感だ・・」
「むぅ~!、人を何だと思ってるのよ」
「「暴走列車?」」
「ひっど~~~~~い!!!!」
ぷんすかと膨れる彼女を尻目に青年はあることを思う、それは・・・さっきの彼女の発言。
(全種族に全職業コンプリートして冒険かぁ・・・確かにちょっとやってみたいかも)
青年もエルダーテイルをそれなりに長くプレイはしているが、思った以上に全職業そして全種族コンプリートしたパーティーメンバーというのには未だに会ったことが無かったのだ、だから青年は彼女に。
「コンプして冒険したいならちゃんとメンバーの職業と種族を把握してください、因みに僕の名前はシロエです種族はハーフアルヴで職業は付与術師」
「俺はカズ彦という種族は~~で職業は暗殺者だ」
「私はカナミ、種族は~~で盗剣士だよ~♪」
それぞれの自己紹介を終え、シロエは必要な残りの種族と職業を計算し始める。
「えーと、後必要なのは職業が~種類と種族が~種類ですね」
「そう言えば君の噂を聞いたことがあるぞ」
「うぇ、そうなんですか・・・」
「凄腕の付与術師らしいじゃないか」
「そんなんだぁ♪、シロ君って凄腕なんだ~♪良いもの拾っちゃったなぁ♪さすが私♪」
「それに結構情報通で頭がいいらしと」
「おお♪シロ君は凄腕でしかも頭が良いのか♪こんな良いもの拾えちゃうなんて幸先いいねぇ♪」
「すまん、なんか色々悪化したらしい・・・」
「そうみたいですね・・・」
「・・・すまん・・・」
「いえ、彼女には何を言っても無駄そうなんで諦めました・・・・」
シロエは凄く申し訳なさ100%で謝るカズ彦の声とカナミの能天気な明るさ100%の声をステレオで聴きつつ、色々考える事を諦めることにした。
(この人は何を言っても聞きそうにないし・・・・はぁ~・・・)
この出会い?が後に伝説の集団を産み出すことになる切っ掛けになったのか、それとも青年の苦労の幕開けだったのかは本人達のみぞ知る。
~ちなみに~
「あ!私今から晩御飯だから一旦落ちるね~♪後の勧誘宜しく♪。」
「「自由すぎるわ!!!」」