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ログ・ホライズン A's  作者: 椿
13/17

~レッツゴー小田原~

供贄の黄金でちらっと出ていた話を捏造!?、いいえ二次創作アンソロジーです。

 その日はビックリするほど直継が怒っていたのに驚いた、シロエとていい加減呆れるような事をカナミが言い出したせいである。


「かまぼこ工場に見学に行きましょう♪」

「どこの」

「小田原♪」

「何で」

「自転車で♪」

「お前なー」

「直継、どうどう」


 まさか小田原のかまぼこ工場に自転車で行こうと言い出すとは、無茶苦茶もここまでくれば横暴と言っても過言ではないのかも知れないが、直継がカナミに拳骨しそうになるのをとりあえず宥める。


「なんかテレビでしてたから面白いかなって♪」

「ほんっと、なあシロ···」

「なに?」

「なんとかしてくれ」

「カナミがこう言い出したら」

「聞かないよな」


 シロエは肩を竦めて直継を見る。直継も溜め息をついて諦めモードになってしまっているようだ。なんで自転車で集合掛けられたのかと思えばまさかの遠出。シロエとしても日帰りできるか心配だった。



              《~レッツゴー小田原~》



 自転車で2時間弱ほど掛けてシロエ達は、小田原のかまぼこ工場にたどり着いた。見学なんて本当にさせてもらえるのか心配で、交渉しろとか言われたらどうしようと、内心ハラハラしていたシロエは、工場受付でカナミが「昨日放送したテレビを観ました」と、受付の人に話しているのを聞いた、シロエはそのテレビを観てないので不安だったが、受付の人が「今、案内の者を呼びますので、後ろの席でお待ちください」と、スムーズに話が進むのは意外だった。


「大丈夫よ、×××(バキューン)スコープを観たって言えば、見学させてくれるって言ってたもん♪」

「それは事前に教えておいて欲しかった」

「ほえ?、シロ君は観てないの?」

「CADで作るダンジョンのマッピングをしてたから」

「あ♪、大学祭で出し物として展示するって言ってたやつ」

「昨日、そんな事してたのか。声掛けてくれりゃ一緒にダンジョン行ったのによ」

「上手く出来るか分かんないし、ちょっと恥ずかしくて」

「だいじょーぶだって、シロ君賢いんだから。パパっとできるって♪」

「根拠がないよ、それ」

「だな」


 シロエの事なのに、なぜかカナミがエヘンと胸を張って自慢そうにするのがなんだかむず痒かった。あまりそう言われるのになれてないせいなのもあるのだろうと、シロエは自分を分析してみる。カナミと直継の話を静かに聞いていると工場の制服を着た人が皆のもとへやって来た、どうやら工場の案内をしてくれる職員さんらしい。


「どうも、今日の案内を担当する橋本です」

「宜しくおねがいします♪」

「お願いします」

「宜しくお願いします」

「いえいえ、こちらこそ宜しく」


 担当の橋本さんは丁寧に頭を下げて挨拶してくれた、シロエ達も慌てて頭を下げて挨拶を返す。橋本さんは笑顔で「遠いところからわざわざ来ていただいてありがとうございます」と、言ってくれた。橋本さんについてシロエ達は工場の作業場に入る前のクリーニングルームへとやって来た。


「ここでクリーニングローラーを掛けて服の埃や髪の毛を取ってくださいね」

「ごめん直継、背中にローラーかけて」

「あいよ、ちょっとまってな」

「シロ君、私も~」

「はいはい」


********<クリーニングローラー>******************

粘着テープのついたローラー。

分かりやすく言えば、掃除用のコロコロである(こっちのが分かりにくいか?)

とはいえ、大きな工場ならもっといいものもあるかもしれないが。

*************************************


 シロエは直継にクリーニングローラーを掛けてもらいながらカナミの背中にクリーニングローラーを掛けてあげた、髪をあげたカナミのうなじが見えて少しドキッっとしたのは黙っておくことにした。カナミは髪の毛が作業場に落ちないように編み目の細かい帽子に入りきらない髪を纏めていたが上手く行かずにいた。ローラーを掛けていたシロエに申し訳なさそうに振り返り。


「ごめんシロ君、髪の毛纏めるから手伝って~」

「いいよ」


 シロエはカナミの髪の毛を優しく纏めて持ち上げ、カナミは髪留め用のゴムで髪の毛を纏め上げていく。髪の毛を纏め上げたカナミの姿は珍しいので少し新鮮な感じがした。まあ、すぐに帽子を被ってしまったが。なにやら直継に笑われていた気がしないでもない。


「最後に手を洗っていただくのですが、実際にしてみせますので皆さんも♪」


 橋本さんは手洗い場に備え付けられた専用ブラシで爪の間を綺麗に洗う、シロエ達も見よう見まねで爪を洗い始める。手を洗い終えるとゴム手袋を付け、アルコールを吹き掛けた。


「では、作業場に入りますね」

「「「はい♪」」」


 最後に風を吹き掛けて埃を落とす部屋に入り、ようやく作業場に入った面々は。


「おお~♪」

「でっかいな~」

「いかにも工場って感じだね」


 工場の大型機械の数々と進んでいく作業工程を見ると、少しワクワクとした気分になった。たまに観るテレビで工場内を映しているが、実際に入ってみると、違った迫力がそこにはあった。


 橋本さんに案内され、少しずつ作業場を進んでいくシロエ達は、かまぼこができる工程を見ながら。


「かまぼこってこうやってできてんのか~」

「私、手作業で板につけてるんだとだったんだ思ってた」

「あ~、僕もそう思ってたかも」

「手作業で板につける作業もありますよ♪、よろしければやってみますか?」

「「「「ぜひ♪」」」」


 案内された場所は、板かまぼこを作る場所で、そこでは確かに手作業で板にかまぼこをつけていた。橋本さんがその作業場の担当の方に見学の事情を説明し、シロエ達のもとへ戻ってくる。


「では、お手本を見せますので♪」


 作業場の担当さんが見事な手際で、板にかまぼこを塗りつけ、お店で見るような綺麗な半円の形に出来上がると、流石だと感心してしまった。シロエ達もたどたどしくではあるが、板にかまぼこを塗りつけていく。若干不恰好ではあったが、自分でやってみると、なにやら感慨深いものがあった。


「てかコレって、売りもんになんねーよな?」

「さすがにないよ」

「どうするのかな?」

「それはですね、今日の記念にお持ち帰り頂くように

 いまから最終的な加工に入りますので」

「いいんですか!?」

「ええ」

「やった~♪」


 その後は食堂に案内され休憩、一時間もした頃に橋本さんが戻ってきた。その手には加工が済み、包装されたかまぼこがあった。


「これが皆さんが作ったかまぼこです、どうぞ♪」

「「「ありがとうございます♪」」」

「それから、折角ですからできたてのかまぼこを食べて頂こうと思いまして」


 橋本さんができたてのかまぼこを持ってきてくれたのは、面々も嬉しかった。切り分けられたできたてのかまぼこはすごく美味しかった。


 その後は食堂を出て、別の道を通って最初の場所へと戻ってきた。クリーニンルームを通り、外へとでる。受付まで戻ってくると、皆で頭を下げ。


「今日はありがとうございました」

「色々楽しかったです」

「お世話になりました」

「いえいえ、かまぼこの良さが少しでも皆さんに伝われば、私共も十分です」


 案内してくれた橋本さんに挨拶をもう一度してから皆で工場の外へ出る。帰りもまた自転車だが、まあいいだろう。余韻を楽しみながらゆっくり帰るのもいいものだと皆同時に笑みがこぼれた。




        ~家に帰って食べたかまぼこもやっぱり美味しかった~



実際に橋本さんが居たらごめんなさい。創作、創作なんです!!

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