~仮装と悪戯とお菓子~
ロエ2さんが吸血鬼だと読んで思い付いた適当噺。彼らはどんな事をして過ごしていたのかを空想想像二次創作してみました。ブラウザの<戻る>を押してやってください。
今日も今日とてカナミが無茶苦茶を言って頭が痛い、一体どうしてこうなったんだか·····。
「お菓子はいらないから悪戯させろ~♪」
《~仮装と悪戯とお菓子~》
「がお~♪」
カナミが犬耳を着けてシロエに前にやって来た、確かに今はエルダーテイルでもハロウィンイベントをしているが、現実では大々的にするお祭りではないので、仮装すると少し浮いた格好になってしまうのだが、カナミはお構い無しのようだった。
「狼女?」
「うん♪」
シロエが聞き返すとカナミは笑顔で頷いた、よくみると手に肉球グローブが付いている、どこで買ったのやらとシロエが溜め息をついていると。インティクスが両手を思いっきり広げ。
「悪戯プリーズ!!」
「いや、そんなバッチこーいみたいな態度もおかしいだろ」
カナミに悪戯してもらおうとしていたインティクスはカズ彦に呆れられていた。カナミは「しょうがないな~」と言いながら、肉球グローブでインティクスをモフモフと悪戯し始める。インティクスはよくみるとご満悦な表情だった。
「カズ彦、写メ撮りましたか!!」
「おう、後で送っとく」
「えっと、現像して···。ラミ加工して····。額縁····。いや、写真たてに」
「永久保存する気かよ····」
どうやら先程の二人の戯れは永久保存されてしまいそうだとシロエとカズ彦は呆れて物も言えない状態である。
「はい、シロ君♪」
「なぜ、シルクハット?」
「シロ君、夜型っぽいから吸血鬼ね♪」
「えー····」
シロエはおざなりに呆れて帽子を受け取った、この程度ならまだいいかと思っていたが。さすがに····そうもいかなかった。
「あとコレとコレもつけて~♪」
カナミが渡してきたのは着け牙と黒いマントだった。仕方ないとシロエは諦めて受けとり、2つを付ける。鏡がないので三人に感想を求めると。
「おお、雰囲気出てるよ♪」
「実は本当に吸血鬼なんでは?」
「子供が泣くな」
「インティクスとカズ彦は若干酷いよ!?、褒めてないじゃないですか」
仮装したシロエは溜め息を付きながらカナミに今回の趣旨を説明してほしいと求めた。カナミが言うには近所の子供会で行われるハロウィンの引率を頼まれたらしい。引率するなら当然仮装だろうということで今回の話に繋がったのであるが。
「4人もいればいっか」
「あまり大勢で集まって子供を脅かすのもよくないしな」
「まあ、それもそうだね」
「カナミ!カナミ!、似合ってますか♪」
インティクスも仮装を終え、カナミに御披露目をしていたのだが。よくみると何故かロングスカートのメイド服だった。
「仮装じゃないよね?」
「あれ?、こんなのあったっけ?」
「多分用意した人の趣味が混ざってんぞ」
「まあ、着け羽と着け尻尾をつければ小悪魔っぽくは見えるでしょう」
インティクスは特に気にした様子も見せず羽や尻尾を装着していた。カズ彦はよくみると狼の被り物を持っていたので狼男になるのだろう。待合所で仮装する四人の元へ子供会の人がやって来たのだが、ドアを開けた瞬間に顔がひきつっていた。
「やっぱ仮装はやりすぎだったんじゃ?」
「でもでも、仮装して付いていってくださいって言われたもん」
「んじゃ、なんで苦虫噛み潰した顔してんだ?」
暫くして子供会の人が土下座を始める、何事かと首を捻るが、青年の言葉ですぐに納得できた。
「すいませんでした!!、俺がひっそり趣味で買ったメイド服がバレるのが怖くて、仮装衣装の中に隠してたのをすっかり忘れてましたーーーー!!!!」
「ああ、そうなんだ~」
「メイド服があるなんておかしいって思ったが」
「やっぱ趣味品だったんだ····、あれ」
「ロングスカートタイプなのは、いい趣味をしてはいますが」
「ぐはぁ!!」
「インティクス!!、止めてあげて!!、この人を虐めるのは止めてあげて!!」
インティクスの虐めを受け、ライフがガリガリ減る青年が可哀想だったので、カズ彦とシロエがインティクスを宥める。インティクスも、メイド服を選んだ時点でそこまでは気にしてはいないらしかったが、着る勇気は凄いと思った。
「んじゃ子供達と一緒に、レッツ····ハロウィーン♪」
「「「お~~」」」
子供達と合流したシロエ達は皆其々囲まれ、質問責めにされていた。
「おに~ちゃん達は付き合ってるんですか~♪」
「あら、おませさんですこと♪」
「なあ狼のあんちゃん、どっちが彼女~♪」
「はっはっは♪、坊主、世界にはな、女を二人囲う男だっているんだぜ♪
この二人は吸血鬼さんの××××なんだぜ♪」
「「カズ彦!!!子供に変な事を吹き込まない!!!」」
「吸血鬼さん、二股なんだ。ウチのパパみたい」
「今なんかサラッと凄い事言ってる子がいませんでした!?」
「子供って、以外と知ってるものなんですね···」
「よし、お菓子貰いにしゅっ··ぱーつ♪」
「は~い♪」×25
子供達に付いて歩き、街の夜景を眺めていたシロエは、こんなのもたまには悪くないと、星の出始めた空を見上げた。移動ルートが書かれた紙を頼りに一軒づつ回って行くと、色んな反応が返ってきて楽しかった。
「可愛い~♪、むしろ私が悪戯してお持ち帰りしたいくらいですわ♪」
なんて言ってる人までいた位である。無邪気な子供達を見れば大概の人は可愛いと思うのだろう。
~数時間後~
すべてのルートを回り終えたシロエ達は、お礼がわりのジュースやお菓子やケーキ等をもらって食べていたのだが。突如カナミが肉球グローブでシロエの頬を挟みモフモフし始めた。
「お菓子はいらないから悪戯させろ~♪」
「カナミ?」
「んにゃ~?」
「えっと、なんで酔ってるの?」
「よってないにゃいよ~?、にゃははははは♪」
「おいシロエ、その缶見せろ」
シロエがカズ彦に従い、カナミが飲んでいたジュースの缶をカズ彦に渡すと。
「誰かが間違えてオレンジサワー混ぜてたみたいだな」
「ってことは···」
「お約束だ、諦めろ」
「ですよね~」
「しーろーえー、なんであなふぁはかなみばはり」
「インティクスもか、そっちはなんだ?」
「こっちはレモンチューハイです」
「やれやれ、こりゃ····、どうにもならんな」
「そうで···うひゃあ!!」
シロエは思わず上ずった声をだしてしまった、酔ったインティクスが何故かシロエの首筋を舐めたせいである。
「ちょ!!離れて」
「吸血鬼ひゃんは~、おんひゃのほひがほひんでひょ~?」
「いいから離れてくださいインティクス、ってカナミもサラッと膝で寝ないで!!」
「んにゃ~···」
「おいインティクス、さすがにそんな行為はホテルでするべ「アホは事言ってないで止めてください!!」、だそうだ。程々にしとけ~」
「や~ら~、もっろひろえにいたづらふる~!!」
「どうどう」
「危なかった~···」
カズ彦がインティクスをひっぺがしてくれたおかげで難を逃れたシロエだったが、カナミが膝を占拠してしまっているので動けない、シロエはカズ彦の協力のもと、酔ったインティクスと数分程の対峙を続けた。酔ったインティクスも眠りこけ、ようやく一息ついたシロエを、眩しい光が襲う。よくみるとカズ彦がスマホを構えていた。
「カ~ズ~ひ~こ~!!」
「落ち着けって、今回は撮ってないからよ、ホレ」
カズ彦のスマホを覗きこむと、そこにはカナミとインティクスの二人だけが写っていた。シロエの膝で猫の様に丸くなって寝るカナミを、抱くように寝るインティクスの写真。その写真を見てシロエは溜め息をつく。
「なんでこの二人は酔うといつも僕に絡んでくるのかな····」
「そら、好意の裏返し····。つか好意が全面にでてるんじゃないか?」
「ならカズ彦とかでもいいじゃないか···」
「こら朴念人、そういうのは二人が起きているときには言うんじゃないぞ」
「一応は······。分かってますよ」
さすがにそこまでは言い過ぎじゃないかとは思うが。シロエとて、カナミ達に好かれている事自体は疑ってない、まあ好意の種類は間違えているかもしれないが。
・・・後日・・・
インティクスのアバターがメイド服になってました
「カナミのお世話をするのが生き甲斐です(>ω<)>♪」
だ、そうである




