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ログ・ホライズン A's  作者: 椿
11/17

~彼らと三日月と学園祭~

今回は彼の学園祭風景の二次創作アンソロジーを

彼らのクラスメイトはオリキャラですのであしからず。

多分?ドタバタはしません。

 章介はそわそわと落ちつきなく時計を眺め、教室のドアの前でウロウロと行ったり来たりしていた。落ち着きのない章介に円がため息まじりに声を掛ける。


「ちったあ落ち着けよ」

「円!、俺の格好変じゃないよな!?」

「いや、ふつうに学生服のだし、エプロンついてるだけだし」

「マリエさんに笑われたらどうしよう····」

「んな大袈裟な・・・」

 



              《~彼らと三日月と学園祭~》



 学園祭の模擬店でタコ焼き屋をすることになった章介と円とクラスメイト達は、何故か張り切るクラスメイトの清良の指示により、テキパキと模擬店の準備を終え。開店を待つばかりだった。清良は章介にお茶のペットボトルを渡しながら声をかける。


「どうしたの章介君、顔色悪くない?」

「ああいや、大丈夫だよ高町さん」

「そう?、それならいいけど」


 清良から受け取ったお茶を飲んで一息つく章介に、円が意地悪な笑みを浮かべてからかいの言葉をかける。


「マリエさんがくるからビビってるんだよな章介♪」

「円!!、そっ·?!そんな?!ことはないぞ~!?」

「カミカミだし、言えてないから」

「ちょ、トイレ行ってくる」

「あいよ」


 章介が気分を落ち着けようと教室を出ていくと、円の肩を清良が掴む。


「あの····高町さん?、痛い··痛いです····」

「ねぇ円君♪」


 清良は笑顔を浮かべて円に振り向き、円はその表情を見て恐怖を感じた。声とは裏腹に眼が笑っていないならいざ知らず、オーラのような物まで見えるのである。


「恐い、恐いから、なんか般若がでてる」

「マリエさんって、章介君の何♪」

「いだだだだだだだ!?!?、肩もげる!?、もげるってば!」

「あら、ごめんなさい」


 肩を放してもらえた円は、自分の身が危うくなる前に、差し障りなく教えるべきだと判断し、言葉を濁して喋り始める。


「で、そのえるだ~ている?、っていうの?」

「<エルダーテイル>な、そのゲームで俺とアイツが入ってるギルドっていう所の」

「ちょちょ!?、ぎるど?ってなに?」

「ギルドっていうのは、まあ···チームとか、仲間の集まりとか···かな?」

「チーム。·····ヤンキーの集まりみたいな?」

「全然ちげぇし!、なんつうのかなぁ?」

「なに話してるんだ?」


 トイレから戻って来た章介が円に声を掛けると、清良はビクッと肩を震わせ章介に振り返る。あわあわと手を振りながらしどろもどろに言葉を紡ぐ。


「え!?、いや!?、あの!?、いつも二人が話してるえるだ~ている?っていう

 えっと····ネットゲームだよね?、面白いのかな~って」


 クラスメイトに興味を持ってもらえたからか、章介は清良にエルダーテイルの説明を始める。清良は説明を聞きながらうんうんと頷いていた。円が「本当にわかってんのか?」と言ってからかうと、腹に肘をお見舞いされた。


「もし興味があるなら詳しく教えるよ♪」

「///章介君♪///」

「鈍感だな·····章介」

「なんの話だ?」

「いや、こっちの話」


 その後、学園祭の始まりと共に宣伝に出ていた章介と円が教室へ戻ると。


「小竜、飛燕もお帰り♪」

「ちょっと飛燕、学園祭に呼んどいて案内もなしなの?」

「///ま!、マリエさん///」

「いや、あるって言っただけで呼んでないから」


 彼らの模擬店にマリエと明日架がやって来ていた。予定が合ったのはどうやらこの二人だけだったようだ。章介を呼ぶ女性の事を聞こうと、清良は円を引っ張る。


「ねぇ、あのポワンポワンの人がマリエさんって人?」

「ああ、そうだけど?。どした?」

「うぬぬぬ、なによ章介君、あんなオバサンがいいの!!」

「いや、そんな年齢じゃないから、失礼だな」

「ならなに!?、なんで章介君はあんなにデレデレしてんの!?」

「そりゃ~」

「は!、そうか···胸なのね、そうに違いないわ!!!」

「あの~、高町さ~ん?。って聞いてないし」


 清良は一人で考えを巡らせて勘違いしまくっているらしく。円が呼んでも全く聞こえてないようだった。


「はぁ、どうすっかね~」

「なにが?」

「どぅわぁ!?」

「そんなに驚かなくてもいいじゃない」


 後ろに明日架が来ていたのに気付かなかったので声をかけられて驚いた円に、明日架はぷぅと膨れて拗ねる。そんな円の肩を正気に戻った清良が叩く。


「この人は?、円君の彼女さん?」

「「/////なっ!?!?/////」」


 二人は同時に真っ赤になり、同時に否定を始める。その光景は清良からすれば恋人ぽく見えてしまうのだが、二人がムキになって否定するのでからかうことにした。


「章介君と円君は休憩に行ってきたら?、円君はせっかく彼女さんが来てるんだし」

「「///だから、違っ!!!///」」

「はいはい、行った行った」


 清良は真っ赤になって否定する二人を教室から追いやり、円に模擬店の割引チケットを渡すと。


「ついでに、どっかで宣伝もしてきてね~」

「あとで覚えてろよ!高町」

「はいはい」


 清良にひらひらと手を振られ、円は唸りながら歩き出す。隣を歩く明日架も不機嫌そうだ。


「まったく、なんであんたの彼女だって言われなきゃなんないのよ」

「明日架が俺に突っかかってくっからだろ」

「あんたがいつもいつも」

「やめようぜ、周りの眼が痛い」


 マリエを伴って歩く章介は従姉か姉弟と見られているらしく、マリエも特に否定しないでいるので問題は起きていなかったのだが、円と明日架はそんな風に見える訳もなく。


「もげろ」

「いいよな、彼女いるやつは」

「俺だって彼女ほしいし」


 など、学校の友人達に随分と妬まれているらしい。これ以上明日架と喧嘩して面倒が増えるのも嫌なので、気にしない事にした。げんなりする円に明日架が話しかけ。


「ねえ、あの高町さんって子さ」

「ん?」

「小竜狙い?」

「ああ、そうっぽい」

「へぇ~♪、モテるのね小竜」

「なんかアイツ、巨乳好きだと勘違いされてたけど」

「ああ、マリエさん···おっきいもんね···」

「いや、返答に困るんだけど」

「あんたが振ったんじゃない、それにあの子もさ」

「ん?」

「おっきいわよね~······羨ましい」

「あの···明日架さん?」

「も~!!、なに食べたらあんなにおっきくなんのよ!!」

「いや、返答に困るんでやめてください」

「うっさいお馬鹿!」

「ひでぇ!!」

「もう、この学園祭の出し物、めいいっぱい遊んでやる~!!」

「へいへい」


 なんだかんだで仲良く学園祭を廻ったこの二人の目撃者達は。後日、出逢いを求めてエルダーテイルのプレイを初めたとか。


「くぅ~···、私もプレイ初めればよかったかしら」

「そこまでして章介の気を引くくらいなら告白すりゃ··いだだだだだだだ!!!」

「なにか言ったかしら円君♪」


 今日も彼らの学校は平和だった。


~《高町 清良たかまちきよら》~

章介と円のクラスメイト。

章介に想いを寄せていてマリエに対抗意識を燃やしている。マリエを見て章介を胸派だと思い込み、章介目当てでエルダーテイルを始めようかと悩んでいる最中。

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