~想いの向こうで~ 《番外篇》
ログ・ホライズンA'sは作品の都合上、更新しても更新歴が変わらない事が御座います。
作風として段分けした結果なのですが、読んでくださる方々には大変ご迷惑をおかけしてしまう事になると思います、誠に申し訳御座いません。
鷲獅子で飛び立っていった仲間達を見送りながら、彼等は光で彩られた雪景色を眺めていた。
「行っちまったな」
「てとらも付いていったし、ススキノも静かになっちまうな」
「いつか、また会えるさ」
「デミの奴はせいせいしてる事だろうよ」
ウィリアムの呟きに、フェデリコやヴォイネン達が思い思いの言葉を返してくれる。ウィリアムは「そうかもな」と笑って返し、フェデリコ達に振り返った。
「俺は····。お前らとあのレイドが勝てて、本当に嬉しかったぜ」
恥ずかしそうにそう言葉にだした彼の背中を、仲間達が叩いた。
「別に、いまなら泣いてもいいんだぜ」
「せっかくだし、泣いとけよ」
「あぁ!!、だっ、誰がなく··かよ···」
強気に返したウィリアムが、必死に涙を堪えているのを仲間達は知っていた。だから彼等はウィリアムの背中をもう一度優しく叩き。
「ギルマスさ、いつも言ってたよな」
「<シルバーソード>を、いつか<放蕩者の茶会>を超える伝説の集団にするんだ!
····って、まあ<茶会>が解散してるから超えれたかどうかは分かんないが」
「·····」
「よかったな、ウィリアム」
「伝説を支えた名参謀がさ、仲間だってさ」
「·······うぅ」
仲間達の言葉に、ついにウィリアムは涙を流し始める。仲間達もそれを優しく見守っていた、その涙の意味を理解出来ているから····。
「俺····俺······。いつか····<茶会>に入れてもらうんだ·····って、だって俺
皆と会う前は····はぐれもので、誰とも上手く行かなくて···」
「そうだったな」
「でも······<茶会>がなくなって、·····すげー悔しくて····すげー悲しくて····」
「知ってる··」
ウィリアムの涙の言葉を、仲間達は優しく受け止めていく。
「だから····俺···、初めて出来た友達を大事にしようって·····、必死にさ····」
「ああ」
「皆と一緒に居たくて<シルバーソード>を作って····。
皆を守りたいって思ってさ····」
ウィリアムの涙は止まらなかった。仲間達は。その涙を止めず、ただ静かに··優しく続きをまった。
「いつか···<茶会>の人達に、皆スゲーんだって自慢したくて····」
「できたじゃないか」
「うん······。シロエさんがさ、俺の事を···フレンド登録にさ「もうしてあるよ」
って言ってくれたんだぜ!、憧れた<茶会>の人だ!!、嬉しくないわけ
ないじゃねぇか!!!」
「だな。アキバの街を作り直して、そしてあのレイド」
「俺らをさ·····ヤマトの為なんていう、バカみてぇなでっけーレイドをさ
するために誘ってくれてさ、俺らはそれを乗り越えたんだぜ!!!」
「今までしてきたレイドの中でも最高の気分だよ、俺もお前もさ」
「そうさ、ギルマスだけじゃねえよ」
「こんなくそデカイ戦利品、エルダーテイルの頃にはなかったぜ」
「だな、こんなお宝、俺のマジックバッグにゃあでかすぎらぁ♪」
「あはは♪あったなそんな感じの名セリフ、俺も言えばよかったぜ♪」
「俺さ·····エルダーテイルをさ·····続けててよかった····って」
「皆も同じ気持ちさ」
ウィリアムは涙を乱暴に拭き取って、仲間達に振り返る。
「いい顔になったな、ギルマス」
「はっ!!、誰に言ってやがる」
「ははは♪、そっちのほうがお前さんらしい」
「///うっせえ!!///」
ウィリアムは仲間達と笑い会うと、空を見上げ。不適な笑みを浮かべて振り返った。
「明日っから忙しくなるぜ、料理の素材やら薪集めだってしなきゃなんねえしな」
「レイドに行ってた分、がんばんねぇとな」
「うっしゃ、まずは帰って腹ごしらえでもするか」
「ああ、<シルバーソード>の新しい出発だ!!」
ウィリアム達はシロエ達が帰った空を見つめ、新しい夢を目指して再び歩き出した。
《~想いの向こうで~》
日常篇やエルダーテイル篇やショートエピソードを更新しても、作品の構成上により、更新歴が変わらないという事情があります。読んで頂く方々に対し誠に申し訳なく思います。ご迷惑をおかけして申し訳御座いません。
今回はショートエピソード形式で掲載しております。




