隣は何をする国ぞ
隣近所と仲が良いのは一番ですが、現実はなかなか難しいものがあります。騒音や臭い、ペット等がトラブルとなるケースも多いものです。最近も隣人を殺害し自分は自殺する、という事件がありましたね。国も同じで、過去に戦争があったりすれば世代を越えた怨讐が残り、非常に厄介な事になります。
日本の回りもどうも仲が良いと呼ぶにはちょっと、という国が多い。本格的な戦争となったのは一世代前ですが、そこを拘っている状態が続きます。この辺は他でさんざんやってらっしゃるからこのへんでパス。けれど隣近所、仲があんまり良くないのは東アジアに限った事じゃなく、逆に仲の良い国を見つけるのが大変なくらいですね。
インド。お隣パキスタンとは宗教も絡み、お互い核兵器を所有して牽制し合う仲。アッサムや北西辺境で国境を接する中国とも東西で国境問題を抱えます。南西の隣国スリランカとは、スリランカが民族対立の内戦時代に、インドが反政府側に同情的だったため一時険悪でした。
イスラエル対アラブ各国は、もう解決出来たらノーベル平和賞が何個あっても足りません。実際に一時的な和平でノーベル平和賞が双方に贈られましたが……残念。
アフリカ諸国。自分たちが決めた国境ではなく旧宗主国が会議や紛争で勝手に勢力圏を決め、それがそのまま国境になったものだから、独立後お隣と喧嘩にならなかった例の方が珍しい。何せ砂漠のまん中や密林の中に走る何百キロも直線の国境線です。人口分布など考えていない場所も多く、同じ部族が双方分断された例が多く見られます。
アフリカに関しては、部族の強弱で政権が誕生する事が多く、それは何も人口多数側部族が支配するのでなく少数派が支配するケースが多いものです。それが他方を弾圧、隣国の同じ部族がやられた方を応援するから戦争、という図式が多く見られます。資源を反政府側が抑え、それを資金に独立闘争と言うのも多い(ブラッド・ダイヤモンド問題)。
アメリカとメキシコなども、不法移民や麻薬からみでどうもしっくり行っていないようにも見える。つい百年前には戦争をしていました(メキシコ内戦)。
ちょっと脇にそれましたが、要は隣近所と喧嘩にならない国など世界を見回してもあんまりない、ということ。それを関係の薄い他の国はどう見ているか。自国に影響しなければ、放りっぱなしでいい、それに尽きます。何も東アジアだけ仲が悪いのではない、自国に関係無ければ報道も小さいから目立たないのです。
さて、尖閣絡みで日中もし戦えば、みたいな記事を見かけますが、総じて「質の自衛隊・量の人民解放軍」と報じてますね。それは事実かも知れませんが、情報諜報戦や宣伝戦ではあちらが断然有利だということをお忘れなく。と言うか、この方面の日本は情けない状態ですね。
戦う前に勝ってしまう、それが情報戦争や宣伝戦争です。日本人の自己宣伝下手や謀略(嘘や騙し)嫌いは自分たちの中では美徳でしょうが、相手側が思いっきり宣伝と謀略を仕掛けて来た場合は、放りぱなしではまずい。他国の地域紛争は関係無ければ興味の対象でもない。宣伝しなければ負けです。
むしろ、外で戦わない憲法を持つ(改憲論はひとまず置いて)国なのですから、英国やイスラエルばりの諜報・防諜組織があってもいいんじゃないかな、等と考えます。え?米とロシア?いえ、あの国の諜報は自国防衛以上なので、専守防衛の参考にはなりません。
何だか話が壮大になったところでこの項はおしまいです。