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とうとうゲーム内へ潜入でするぞっ!
今回はβテスト。
正式バージョンになってからデスゲームになります。
βテストではデスゲームじゃないっす。
ハッ
ぱっと目を開けた。
ここは……どこだろう……。
とてつもなく広く白い世界だ。
俺が周りを見渡していると画面が現れた。
‐名前入力‐
キャラネームを入力しろということであろう。俺は数分悩んだ結果「トール」にすることにした。俺の名前の「徹」をカタカナで書いただけだが我ながらなかなか良い名前だろうと思った。
ん? 入力の仕方が分からない……。
名前は決めたものの入力がどうやってやるのかが全く分からなかった。
確か……公式には……キーボードと心の中で思いながら親指と人差し指、そして中指で目の前をスライドさせると出てくると書いてあったな……。公式読んでない奴には辛い仕様だな。
俺は慣れない手つきで目の前をスライドさせた。
すると画面状のキーボードが出てきた。これで離れたやつとチャットできたりするらしい。普通に喋れたりするので近くにいる奴とチャットするときにはこれは必要ないとも書いてあったな。
俺は名前を打ち込み、画面上の「OK」を指で押した。
トールさんですね。
画面が現れる。そこには外見設定と書いてあった。外見を設定しろということか。俺は画面の右端に「現実と似た外装にする」というボタンがあったのでそれを押した。
俺の周囲を光が飛び交う。くるくると回っていると、俺の体がキランと光った。何が起きたのかと思い、外見設定に映される自分の姿を見ると現実の俺とかなり似たキャラが出来上がっていた。流石にそのままはまずいと思った俺は髪の色と目の色を変えOKを押した。
因みに職業は何ですか?
また画面が現れ<戦士><魔術師><司祭><盗賊><狩人>と書いてある。
俺は<戦士>を選択し「OK」ボタンを押した。すると武器選択と出た。
<片手剣と盾>
<両手剣>
<斧>
<槍>
ここまで下調べしてなかった俺は少し悩んだ。安定職とは言っても勿論ハズレ武器もあるはずだ。初めは武器が変えられないのでここでしっかり決めないとかなり苦労するということだ。
悩んだ末<片手剣と盾>を選択しOKを押した。
トールさんは戦士なんですね。
会話が現れると同時に声も聞こえる。優しい女の方の声……。この声……タイプだ……。
戦士の特徴をまとめた物があります。どうぞ。
画面が現れ、戦士の特徴と初期スキルが書かれていた。初期スキルはたくさんあり10個程ある。スキルの覚え方、使い方も書いてありなかなか役に立つ。なるほど、と納得しながらOKを押した。
もういいですか? これは、いつでも見ることができますので困った時には見てください。
と、ウィンドウの出し方の説明が出た。フムフム……。ウィンドウと心で唱えながら人差し指でタッチか。キーボードは難しいがこれは簡単な仕様だ。
では、トールさんの冒険の始まりです。
と声が聞こえた途端に周りが一気に明るくなった。
数秒後、俺は謎の街に飛ばされていた。
周りには俺と似た格好の奴らがいる。ここが始まりの街なのだろうか……?
そう思っていると画面が現れた。画面にはこう書いてある。
ユニルナス暦316年4月7日にリスティムニア大陸にサンミラ帝国が建国された。帝都をこの街ユンノーシとし大繁栄していた。繁栄を見た帝国はとうとう大陸制覇に動くため兵を出征した。兵は各地に散らばるモンスターを倒し領土を広げ出征は大成功に見えた。
ところが ユニルナス暦333年7月23日帝国軍がモンスターに大敗し今まで攻略した都市を全て捨て逃げ帰った。それを追撃したモンスターは帝国領に侵入し各地の都市を落としながら帝都に迫った。
ユニルナス暦335年6月6日帝都攻防戦が始まった。20万を超えるモン スターに対し帝国軍は残兵や魔術師3万近い兵を招集した。戦いは1ヶ月にも及んだが帝都は陥落。サンミラ帝国は滅びたのだった。
ユニルナス暦512年に他大陸から兵が集められかつて帝都だったユンノーシに侵攻した。そして陥落 させることに成功した。彼らはユンノーシを国都に選びサンミラ国を建国。多くの冒険者を集めサンミラ帝国再建するべく動くのであった。
そなたは冒険者だな。名前は……トールか。トール殿もサンミラ国国王ヘルスィア・サンドロス様に招集されたのであろう。
トール殿、知っての通りだが冒険者を集めたのにはわけがある。サンミラ帝国の再建だ。そしてリス ティムニア大陸制覇だ。
-成功条件-
・敵の本拠デスタウンの攻略。
・サンミラ帝国の再建。
・リスティムニア大陸制覇。
-失敗条件-
・冒険者の全滅。
・ユンノーシの陥落。
・サンミラ国の滅亡。
長すぎてとても読む気にはなれなかった。ところどころ読んでみたが全く分からない。成功条件を全て達成させればいいわけだ。だが気になったことがある。失敗条件の中にある「冒険者の全滅」である。俺ら冒険者がモンスターにやられても生き返るはずである。そうでなければ成り立っていかないからだ。だが、全滅という条件がある……。俺はこの言葉に違和感を感じた……。
成功条件と失敗条件を一通り確認したので俺はOKを押した。画面が切り替わった。内容によると現実の時間と仮想空間内での時間は同じで現実世界で7時なら仮想空間内でも7時になる、ということだった。
俺はそれを確認し画面を閉じると、すぐさまウィンドウを開いた。武器がかなり気になっていたのだ。俺は「装備」を押し現在の武器と防具を確認してみた。
武器:「錆びた剣と鍋の蓋」
防具:「ビギナーセット」
完璧初心者装備だった。まぁしょうがないだろう、NPCショップで買えばいいだろうと思った。俺はウィンドウから「持ち物」を選択し持ち物を見てみた。すると、入っているのは初心者指南書と謎の薬×5だけだ。謎の薬……? なんだそれ。と思い説明を見てみると……。
謎の薬品。誰が作ったのかもわからない、本当に謎の薬。飲むとHP・MP50ずつ回復する。
回復薬ではあるがあまり飲みたくない。誰でもそうだろう。
俺はこんな薬捨ててさっさとまともな回復薬を買おうと所持金を見てみた。
所持金:10N
こんな金額では鍋蓋も買えなかっただろう。というか門前払いされるだろう。
ニールはこの世界のお金の単位だ。金はモンスターからドロップしたり、得た素材を売ったりして儲けることができる。素材は武器製作にも使えるのでかなり有効である。
とにかく、ここでの生活とモンスターとの戦闘に慣れないといけないから真一をPTを組もうと思い真一を探す。そういえば真一の名前なんだろう……。
俺は途方に暮れていた。
次回1作。
つか授業中も小説のことしか考えられないw
ノートには歴史がびっしり……かと思いきや
職業構成やバランス、内容、武器、スキルの候補がびっしりっ!w
※もうすぐ終わってない課題が全部終わるので1日2作書くかもしれません。
誤字脱字、おかしな点とかありましたら報告お願いします。
感想お待ちしております。
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※一部訂正と情報
・ゲーム機器の生産台数を1万から10万に変更しました。
情報
1.職業構成と武器が決定しました。
2.スキル考案中