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この章を今日と明日に分けて投稿します。
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更新遅くなってすいません。
用事とかあったり、サボったり……。
いやナンデモナイデス。
「お兄様は何も悪くない。悪いのは襲撃した犯罪者の方です!」
祈は俺を慰める。
「俺は、市のプレイヤーを助けられなかった。無関係のプレイヤー2人までも……。そして、俺自身も殺人を犯した……」
悔やんでも悔やみきれない。
俺はあの後、服に着いた血が自然に消えた後瀕死プレイヤーの治療をし≪ワ―プホール≫――ワープ先を設定しフラフープみたいな輪の中を潜るとそこにワープできるというアイテムを使い王国の地下牢獄に送り届けた。地下牢獄はその名の通りユンノーシの本丸地下にある巨大な牢獄である。そこに送り届けた後、宿屋に帰ったということだ。
延命の花はあの場に置き去りである。持って帰れなかった。
「俺は市のギルマスと話があるから、またここで待っていてほしい。良いか?」
話す内容はもちろん、犯罪者襲撃事件についてだ。選択肢は2つだ。1つは闇市の襲撃にあい市のプレイヤー3人が殺されたということ。もう1つはそのまんまあった通りの事を話す。「闇市の襲撃にあった。坂でコロンダは闇市の内通者で、犯罪者になり俺を殺そうとしたので身を守るため殺した」なんてこと口が裂けても言えない。理由は2つだ。1つは犯罪者と遭遇した際は逃げるか捕縛するかどちらかに限られているからだ。2つ目は坂でコロンダの評判はギルド内では良くギルマスの信頼も高い。彼が犯罪者であったなんて信じるはずがないのだ。それらの理由により俺は前者を選ぶべきである。能力があるかはわからないが今後延命の花を購入する際に市を通して買うことがあるだろう。その際でも後者は不利になってしまう。よって前者を選ぶべきだ、が――。
それでいいのだろうか? 全てを打ち明けずそれを隠すのは良いことなのだろうか……。それは、俺の頭の中を駆け巡り前者を選択したことを否定し続けた。そして、悩み悩み続けた。そして決めた――。
「もちろん良いですよ。気を付けて行ってくださいね」
優しげなキリノの声が俺の曇りきった心を照らしてくれる。
「あぁ。ありがとうな、キリノ」
そういって宿屋を出た。
市のギルマス『楼楽』とは「ラブリーカフェ」という名のカフェで待ち合わせをしている。名前から分かる通りカップルが多い。非常に多く、暗い話をするような場ではない。が、しょうがなかったのだ。何せ復興途中のアリアにある、復興完了したカフェはここだけだからだ。
俺がちょこんと椅子に座っていると、そこに男性プレイヤーが現れた。
「り、リア充!?」
と、カフェ内にいるカップルに拒否反応を示しながら俺の方に男性プレイヤーが歩いてきた。重装甲と言える装備はしていないもののがっちりとした槍を背中に背負っている。
「君が、トール君かい?」
何この人……。カップルに向ける反応と俺に向ける反応がまるっきり違うんですが……。
俺もカップルは好きじゃない(俺は付き合うをすっ飛ばして結婚すればいいと思う)が、ここまで別物を見るような反応の仕方だと少し引いてしまう。
「俺が、トールだ。あんたが楼楽だな?」
俺はいつもの変わらぬ口調でそういう。
「そうだ」
店員にボーヒーと呼ばれる黒色の飲み物を注文した楼楽は剣を机に立てかけ自分は椅子に座った。そのボーヒーという飲み物なのだが味も色も現代でいうコーヒーにしか見えないのだ。ついでにミルクとコーヒーシュガーまでついている。
「で、話というのは何なんだね?」
無表情でボーヒーを啜りながら言う。
「坂でコロンダさんの事なんだが……」
「…………………………君は心配しなくていいだよ…………」
僅かな苦笑を滲ませ、楼楽はさらに言った。
「実はね、君らの取引が心配で市からもう一人プレイヤーを送っていたんだよ。そして、森であったことを目撃した。つまり、話の全貌を知っているんだよ」
「じゃぁ、何で……。俺は、市の大切な幹部を殺したんだ……! それなのになんで俺を許すんだ!?」
俺の声は店内を駆け巡った。店内にいた全てのプレイヤーに聞えるであろう。もしかしたら店外にいるプレイヤー数名にも聞こえているかもしれない。
だが、俺はその思いを留めることはできなかった。
「君は仲間を助けようとしてくれたが、彼が裏切った。だから自己防衛をせざる得なかった。そうだろう?」
「坂でコロンダは闇市に殺されたんだ。君が悪いわけでは無い。」
「私は坂でコロンダの仇をいつか必ず討って見せる。彼女のためにも、リーサのためにも……。だから、君は心配しなくていいんだ」
俺は返す言葉を失っていた。
「話は以上かね? 急用を思い出してね、私はこれで失礼するよ」
「あ、あぁ……」
俺がそう頷くと、楼楽は笑顔で振りむき「これはこの前の延命の花だよ。受け取ってくれ」とアイテムBOXから5束の延命の花を取りだし机に優しく置いた。
そして、席を立ちゆっくりと店の扉まで歩いて行った。
何か不安な気持ちが、脳内を駆け巡っていた。彼の言っていたことがどこか不自然でそれが不安に繋がる。なぜかそんな気がした。
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