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この章が思った以上に長くなりそうです。


 イベントは無事終了した。1位である俺は色々なプレイヤーからのPT勧誘などから逃げ切り広場中央の掲示板の前にいた。

掲示板にはプレイヤーギルドからのお知らせや王国やNPC国民からのクエストなど様々なことが掲示してある。

「この町にいたらさっきみたいに追いかけられるばかりだ……。とりあえず狩もしたいしエリアに逃げよう……」

 掲示板を見て手頃なクエストを探す。クエストはMMORPGにあるものとほとんど同じだ。何かを採集してくるクエストならそれを採取して町に帰り依頼人のところまで届ける。そうすればそのクエストの難易度にあった報酬が用意される。クエストの難易度はクエストランクを見ることで一目で分かる。クエストにはランク付けがされており一番低いランクが「ランクF」だ。一番高いランクが「ランクG」だ。「F→E→D→C→B→A→S→SS→SSS→G」これがクエストのランク付けだ。ユンノーシの掲示板にはランクGのクエストはない。エリアを攻略していけば出現すると言われている。ユンノーシ掲示板に出ているクエストの最高ランクがBだ。

「このクエストがよさそうだな」

 俺が選んだのはもちろんランクBのクエストだ。このクエスト適正LVはLV20だ。


依頼人:老人「ブルーク」

依頼内容:3日前、私の娘「ヴィヴァル」がバイディングフォレスト西方の方に遊びに行きました。それっきり娘は帰ってきませんでした。きっと駐屯地に遊びに行ったんだと思います。娘をどうか助けてください!

完了条件:『マステマ<Mastima>』の撃破

ヒント:駐屯地の神殿には非難者と呼ばれる者がいる。

完了時報酬:30000N、光鉄(ブライトハイロン)×5


 無茶言ってくれる……。駐屯地にマステマなんてモンスターはいなかった。俺が探索してないのは神殿だけだ。神殿にはBOSSモンスターがいる。……ようするにBOSSモンスターである「マステマ」を倒せと言うことだ。本当に無茶言ってくれる……。

 だが俺が断るわけない。俺は「受諾」を押す。

「見つけたぞぉ!  PT組んでください~!」

 まだ追ってくるプレイヤー。恐ろし過ぎるぜ……。勿論そんなプレイヤーたちはガン無視で行くんだけどね。俺は門まで歩き出した。

 気づいたら門だった。俺の後ろを追ってきていたプレイヤーの集団はもういない。だが、いるにはいるのだ。さっきから俺の後ろで「お願いします!」と連呼している1PTが。いい加減ムカついてきた。

「さっきからうるせぇんだよ!」

「お願いします! PT組んでください!」

 そこにいたのは4人ほどのプレイヤーだった。2人は男性だ。俺より背が高い戦士だ。もう2人は女性だ。結構綺麗だ。

「俺たち西方攻略をしてるんですけど最後のBOSS戦を手伝ってほしいんですけど……ダメでしょうか?」

 ――目的が同じ……。それは利点である。俺はクエストできる、PTは西方の攻略できるのだ。だがその反面欠点がある。アイテム分配である。もしレア武器が出たとしよう。それは誰の物かで争うことが多々あり恨みを買い場合によってはPKされることもあるのだ。別のMMORPGではそのようなことに巻き込まれたことがあり大変だったという覚えがある。

「どうでしょう……?」

 そういったのはブルーの髪をした綺麗なお姉さんだ。くそ……! こんな卑怯な……! 俺が綺麗なお姉さんに目がないことをいいことに……! ここはきっぱり断ってやる……!

「分かった……。PTを組もう……」

 おかしいな……? 口が勝手に開きました。文句を言うなら俺の口に言ってください。俺は何も知らないから俺に言っても無駄だよ?

「本当ですか!?」

 喜び包まれるPT。

「ただ条件がある。俺の目的は駐屯地のBOSSを倒すことだ。そのあとからはついて行かない。それで良いならPTを組む」

「え……そんな……」

 大型の戦士1人が言う。

「お願いです! 私たちなんでもしますから……! 最後までついてきてください!」

 ブルーの髪のお姉さん。

 またもや危機だ。こんなのありかよってほどこの女性は綺麗だ。たぶん俺が断れば泣く。というか今でもすでに泣いている。俺が了承すればお姉さんの笑顔が見れる。どっちを取るかと言われればもちろん!

「そんなに言うんならついて行ってもいいけど」

「本当ですか!」

「あぁ」

「ありがとうございます!」

 やはり笑顔が見れた。とても純粋な笑顔だった。他のPTMもそろって「やった~!」と言う。俺は勧誘を承諾しPTに入った。


PT名「雪氷」

PTL(パーティリーダー)リリアン(ブルーの髪のお姉さん。狩人)

PTM ぶくぶく虫(黒い髪の男性。槍を使う戦士)

   ベンちゃん(白髪の男性。戦斧を使う戦士)

   ☆白亜☆(茶髪で短髪の女性。僧侶)

   トール


 俺たちは市場で食料調達などを行いさっそく駐屯地に向かった。


 駐屯地のBOSSがいる――神殿に入るには隊長格のモンスターを倒さなければならない。その隊長格は俺とキリノで探索したときに全員倒しておいたので既に侵入可能ということになる。

 神殿を守るモンスターを一掃した俺たちは、神殿に侵入できる唯一の門の前に来ていた。

「入るぞ……。準備は良いか? 敵がどんなやつでも絶対に慌てるな」

 俺はそう声をかけ門に手を掛けようとする。すると門は俺が触れる前にギシギシという音をたて開く。

 BOSS戦をするときは陣形を組んで戦った方が有効である。俺たちが組んだ陣形は先鋒の俺が突撃しそのあとから、前衛に戦士2人と後衛に女性2人を置いた陣形が突撃してくるという流れだ。

「行くぞ!」

 そう言い剣を抜く。それにつられるように皆が武器を抜く。そして神殿内部に侵入した。先鋒である俺は歩いて入った直後に走りだす。そしてBOSSの――マステマの姿を確認した。

 『マステマ<Mastima>』――その姿はとても美しかった。まるで人間のようだ。体全体を薄い紫色の修道服のようなものを着込み、修道服からは青白い光が浮かんでいる。だが、人間とは決定的に違うところがあった。紫色の羽が生えているのだ。さらに片手の手の中には青白い玉が1個収まっている。その周りを複数個の青白い玉が浮かんでいる。

 マステマは俺を見た瞬間に手に持つ青白い玉を投げつけてきた。それを間一髪に避けるが避けきれなかったようで頬に青白い玉が掠れる。

「ぐっ!」

 掠れただけなのに頬が焼けつくように痛む。HPも掠っただけとは思えないほど減っている。

 飛んでくる玉を避けながらも前に進みそしてジャンプしマルテスの目の前で剣を振るう。


 バジィ!!


 何かが弾けるような音ととも俺の剣は弾かれていた。

 俺の剣を弾いたのはマステマの体に張り巡らされている薄い膜(バリア)だった。マステマのHPバーの下に謎のバーがあった。それがバリアのDP(ディフェンスポイント)だろう。武器で言う耐久力のような物だ。あのバーを全て削ればマステマの体に直接ダメージが与えられるようになるのだ。さっきの攻撃によりバーが少し削られているが全て削りきるにはまだほど遠い。

「突撃しろ!」

 俺は大声で叫ぶ。だが、何の返答もない。その代りガキン! バキン! と剣がぶつかり合う音がしている。

 後方でも交戦が起きていたのだ。どこかに隠れていた敵兵士数人がリリアンたちの足を止めている。

「時間稼ぎってことか……!」

 俺は剣を握りしめる。

『ワタシノコイノジャマヲスルナ!!』

 そういったマステマは翼を広げ「グォォォ!」と叫ぶ。

「そんなのしらねぇ!」

 俺はマステマに飛び掛かかり剣を振るった。それと同時にマステマが手を振るい剣と手が衝突する。



『シヌガイイ!』



「死ぬのはお前だ!」



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