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本当はやなんだけど、賭けに出るしかないかと思い、先ほど黙らされた護衛を見て、腕を上げた。
「ねぇ、貴方私の腕を切って下さらない。」
と言った。言われた護衛は私とご主人の顔を困った顔で見比べている。私はご主人に
「私の精霊様の実験です。もし出来なくてもそちらには損は無いのでは無くて。」
と首をひねり聞く。もちろん全部切れないように半分バリアーで保護してる。切り落とされたらたまったもんじゃない。
私はさらに続ける
「ああ、切りやすい様にバリアーもといたわ。」
半分ね。ご主人が護衛の顔見て頷く。護衛が、近付いてくる。怖いが、顔には出さない様に笑顔を浮かべる。武者身震いが走るが気ずかれないように、体に力を入れる。護衛が剣を抜き、腕を切る。一瞬何もなかったかのような気がするが、ふっ、と息をはいた瞬間、腕から血が吹き出てきた。パニックになりそうになる自分を立て直し、傷を手で押さえて癒しの闇魔法?を出す腕の傷ができた場所のみだ。熱い、クソ何でこんな事しなきゃならんのだ。魔力を凄い量込める。
闇魔法?を張ったところで血は止まり、手を離して自分を切った護衛を見る、切り落とせなかった事に驚いているようだ。そう易々と腕はあげられません。切られた腕をグーパーして動かして見る。今のところ指先に異常はなし。ご主人を見て
「精霊様に、癒しの力があるかどうか試させて頂きました。お部屋を汚してしまって申し訳ありません。先ほどの怪我だとどのくらいで治りますか。精霊様にお願いした時との差を調べたいのですが。」
「それで、自分の腕を切ったと言うのか」
「はい。そうですが、それ以外に見えましたか。うーん本当は、尋問の時に奴隷の首輪をつけて来て頂いたら、同じ立場になったあの方を切り刻んで実験しようと思ったんですが、首輪つけて頂けなかったのでしょうがないですよね。」
何か、顔色が悪いぞご主人どうした。
あっ気がついたら護衛が、ご主人の近くに戻ってる。
腕の闇魔法?が解けて腕が治った。えっマジで治った。速くないこれは使い過ぎたらヤバイ奴なのではないか。しかし今は交渉のカードとしては、最高の物だね。私は腕を出し話し出す。
「ご主人様見て下さい。もう傷が治りました。」
ご主人が思わず椅子から立ち上がり腕を覗き込むように見てくるがちょっと顔が良くても、見せる趣味が無いので気持ちが悪いが押さえて傷があった場所を見せる。
「どうですか。ご主人様、この力を持つ私のお願いを1つ叶える気概を見せると言うのはいかがですか。」
ご主人が椅子に据わり直し、コホンと咳をして話し始める
「ああ、良いだろう。お前の願いは奴隷の1人を解放して、冒険者にしてそれを援助しろで良かったか。」
私はきょとんとした顔をして
「私はそんなことお願いしておりません。」
「何、先ほどからの話でそう思ったが違うと言うのか。」
「はい。違います。私が望む物は、こちらにきた者達を生き返らせて下さいませ。私と共にこの世界に拐われ殺された者達を生き返らせて下さいませ。」
「な、なにを言うか、死んだ者は生き返させるなど出来るものか。」
私は何故出来ないのかと言う顔を作り
「可笑しいですね。私の世界では、死後の世界に妻を迎えに行く者もいると言うのに、この世界の者は簡単に命を奪うだけ奪い返しては下さらないと言うのですか。」
神話の話だけどね。
「お前世界ではどうだかは知らないが、此方の世界では、死んだ者は生き返らない!!」
わかっているさそんなこと。お前達が私達の命を軽く扱わないように言っているだけだよ。
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