6:モヒカン!紹介してくれ!
前回:隠しスキルが判明しました
モンスターを倒しまくって始まりの街に戻ってきた俺は1人の人物を探していた。
多分街を歩いていたらきっと奴の方から声をかけてくるはずだから、俺は街の散策を行なっていたのだ。
すると、やはり予想通り声をかけられた。
「なぁ、そこの姉ちゃん!もしかしなくても初心者だな?俺が案内してやるぜ!!」
おいおい。お前、最初に俺に声をかけた時とセリフ変わってねぇじゃねぇか。レパートリー少ねぇな。
そう思いながらも俺は笑顔で後ろを振り向いた。
「って!お前かよぉっ!」
やはり俺に声をかけてきたのはモヒカンだった。いやー、良かった良かった。
笑顔の俺とガックリ肩を落とすモヒカン。なんとも不思議な光景である。
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「チクショウッ!超俺好みのドストライク美人を見つけたと思ったのにダチでしたとか笑うことすら出来ねぇよ!しかもお前、俺を探すためにわざわざ歩いてるとか・・・・・・」
さっきのカフェのさっきの席。そこに俺たちは座っていた。
「まぁまぁ、そう悲観するなよ。何はともあれ見つけられて良かったよ」
「ハァ・・・・・・・まぁ良いか。あ、そういやお前、ちゃんと戦えたか?アレから結構時間経ってるが」
「ん?あぁ、バッチリだ。コツを掴めば割と簡単だったぞ。今はレベル10だな」
「っ、マジかよ!!それ、今の平均くらいだぞ」
お、それは良いことを聞いた。
まぁ、ウサギ共から逃げ回ってた話をしたらまた笑われるから言わないでおくとしよう。
「それで?俺を探してたって、一体なんでだ?」
「おぅ、そうだったそうだった。完全に忘れるところだった。
なぁモヒカン。お前、どこかに腕の良い職人知らないか?いつまでも初心者装備のままってのはちょっと嫌でな」
「あーーなるほどな!ま、その気持ちはわかるぜ。そうだな・・・・とりあえず防具から揃えたい方が良いだろう。どんな防具がいい?」
「そうだな・・・・とりあえずそこそこの防御力があって性能良くて動きやすいものが良いかな」
「なるほどなるほど。となると、それは服飾類になるな。知り合いに腕が良いやつがいるから紹介してやる。今マップを送るから少し待て」
「おぉ、マジか!助かるぜ。後は武器か・・・・これはどうするかなぁ・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・っと、送信完了。武器なら武器鍛治師にでも頼んだらどうだ?」
「防具も作るのにか?金がねぇわ、金が。とりあえずダンジョンにでも潜るかね」
「それが良いだろうな。あ、そういやお前、明々後日のイベント出るか?」
「イベント?」
「おぅ。参加者全員で殺し合うバトルロワイヤルだぜ」
なんでも、特殊フィールドに転送されてから最後の1人になるまで戦い、殺し合い続けるイベントらしい。
どんなゲームも第一回イベントは基本こんなもんらしい。
「ほぅ、バトロワか。そりゃ良いな。是非参加しよう。折角だ。お前を殺しに行ってやる」
「お、いいぜ。かかってこいや」
「ま、兎に角助かったぜモヒカン。とりあえず早速その職人プレイヤーのとこまで行ってみるわ。三日後を楽しみしてろよーー!!!」
叫びながら店を飛び出し、俺は走り出した。目指すは凄腕職人プレイヤー!!
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