元夫視点11
大変お待たせしました。
一週間ほどしたら、お話の順番並べ替えします。
今回はちょっと短めです。
結局僕は現実を突きつけられ、彼女に会うこともできないまま帰国した。
執務室で仕事をこなしながら考える。
離婚直前の彼女の行動が、僕をまだ愛してくれていると勝手に思い込んだ。
しかし、あの寒い冬の日の彼女の声は、僕に対する思慕はなかった。
彼女はもう僕を見ていなかった。
なんて浅はかで傲慢な考えだったのだろうか。
また関係をやり直せると勝手に思い込んでいた。
すでに書類一枚で彼女との関係が終わっていた。
もう二度と結婚した当初の彼女の穏やかな笑顔が見られなくなったのだ。
その関係を壊したのは僕だ。
彼女は自分も悪いように言っていたが、違う。口をつぐませたのは僕だ。
その環境を作ったのは僕だった。周囲に流され、子供ができないことに劣等感を抱き、外で憂さ晴らしをしたのだ。
なんて愚かだったのだろうか。
自分は自立できていなかった。自分の意見をもたず、原因がわからない状態だったのに、彼女にすべて押し付けたのだ。
ポタ…ポタ…
書類に書いた文字の上を水滴が落ちる。
乾ききっていないインクがにじむ。
彼女にもう謝ることさえできない。
彼女への最初に抱いた愛を壊したのは自分自身だった。彼女が僕にくれた愛を捨てたのも僕だ。
自分勝手で子供な僕が起こした結果だ。
グシャリ
書類を握りつぶす。
書類は書き直せるが、もう再び彼女との関係はやり直すことができない。
その現実が今更ながら重くのしかかってきた。




