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☆乙女の日記☆ ~嫉妬のち決意、ときどき懐郷病~

※※※※※※※※※※


○月△日  ずっと晴れ



☆まどーし劇場 『恋の魚雷を発射せよ』



ピピー!! ピピピピー!!!


少佐「何事だ! アリィ曹長!」

曹長「ほーこく! ほーこく! 現在、目標に未確認物体が急速接近中!!」

少佐「む! 正体は!?」

曹長「お待ちを! 現在レーダーで確認中…」


伍長「アリィ少佐! これは一大事であります!」

少佐「どうしたアリィ伍長!」

伍長「この物体は驚異的な力を持ち、進行速度も異常に速いであります!」

少佐「むむむ…早急に正体を割り出せ!!」


曹長「かくにん! かくにん! 目標カレに接近中の物体オンナを確認!」

少佐「オ、物体オンナだとおおおおおおお!!?」

伍長「あの艦は異国式最新型であります! 形式名タイプマコ!」

少佐「ぬあああああああああにいいいいいいいいいいい!!!」


曹長「せっきんちゅー! せっきんちゅー! 全速力で目標カレに接近中!!」

伍長「これは非常事態であります! 新たな恋のライバル出現であります!」 


少佐「ええぃ撃てえええええ!!! 海の藻屑と化してしまえええええええええええ!!!!」


ドォッ◆◆◆◆\(`~´♯)/◆◆◆◆カーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!



     -完-    

 

企画・監督:アリィ  出演:少佐、曹長、伍長(全部アリィ)



――今夜の夕食時に行なった独自の調査記録――


●色気より食い気なマコさんにホッとした回数…1回

●かと思えば、マコさんがレグザに色目を使った(←偏見?)回数…3回

●レグザがマコさんを真っ直ぐ見つめ返した回数…2回

●マコさんがレグザに話しかけた回数…8回

●レグザがマコさんからお酒を注がれた回数…5回

●レグザがその他大勢からお酒を注がれた回数…およそ20~25回(完全に飲み過ぎ) 


これは由々しき事態だ!

酔って頬を赤らめたマコさんが、全身から放出していたフェロモン値が異常だった。

本人は自覚してないかもしれないけど、大人の魅力っていう一点ではジョセより驚異的な存在かもしれない。

やっぱりレグザは大人っぽい女性の方が好きなのかなぁ…。


それに、マコさんがレグザをどう思ってるのかもすっごく気になる。

山に薬を取りに行った時、お父さんの事があって泣いてたマコさんを、レグザはおんぶして降りて来た。

それ自体ショックだったけど…そのずっと後に理想のタイプを聞いた時、マコさんは 「強引な優しさに惹かれる」 って言ってた。

あれって、レグザの事を言ってたのかも。


でも! でもでも! わたし絶対に諦めないもん!

っていうか、前にレグザが言った 「どんと来いだ」 ってゆーのは、まだ心に決めた人がいない証拠だもん! たぶん…。


そういえばパーティーの後、マコさんが1人で城の外へ出て行くの目撃しちゃったけど、あんな夜遅くにどこ行ったんだろ…みんなの所かな?

後で報告しに来てくれた兵士さんは、4名とも命に別状は無いのでご安心下さい、って言ってたのに。



それはそうと、捨て置けないのはマコさんよりアイツだ。

レグザをいっぱい困らせて、みんなを痛め付けたムカつくアイツ。

魔王って名乗ってたけど、本当なのかな…でも、めちゃくちゃ強かった。

アイツが本当に魔王だとしたら、いつか必ず倒さなくちゃいけない。 それが旅の目的なんだから。


目潰しは効いたけど、魔法だけじゃ足止めにもなんなかった。

「私に魔法は効かない」 だとぉー!? そんなの有り得ないっつーーの!!

見てなさいよぉーー次また現れたらギッタギタのバッキバキにしてやるんだから!!


日々の修行はみんなに内緒でやってる。

魔力を高める為の瞑想と、新魔法を習得する為のイメージトレーニング。

ただ問題は、精神面の修行ばっかりで実技面の腕を磨ける機会が少ないこと。

投射系魔法の撃ち出し方やコントロールは良いんだけど、範囲系の狙いが余りに未熟で経験不足。

だからもっともっと経験を積んで、早く強力な魔法を覚えてレグザやみんなを守る! と、ここに宣言。


それにしても、レグザが心配…。

仮に偽魔王だとしても、あんな怪物から父親だなんて名乗られたら…うぇ。


レグザが魔族の子だなんて…まさか、ね。

途中から様子が変だったけど、強く否定できない理由があるんだね、やっぱり。

さっきレグザといっぱいお喋りしたけど、すっかり酔っちゃってて、なんだか可愛かった♪

…じゃなくて、それとなく聞いてみたけど、そこだけ上手く話をはぐらかされちゃった。

パーティーの前に説明してくれた時も、その事に関しては何も触れてくれなかった。


その時ちゃんと聞いておくべきだったのかな。

でも本人が言いたくないんだとしたら、しつこく追求するのはイヤだし…。


あるんだね、きっと。 右手の甲に…アイツの言ってた紋章が。

見せてなんて、言えないよ。 そんなこと気軽に言えるわけない。


レグザはみんなを守る為に従おうとしたけど、それぐらい深刻な問題なんだと思う。

でも、そんなのわたしには関係ない。 何があってもレグザは渡さないし、何があってもわたしがレグザを支える。

そう決めたもん。



あ~それにしても…お城の豪華なお部屋に1人ぼっちとか眠れる自信なーい!

ワンダはいるけど、あれからリュックの中で眠ったままだし…別に変わったとこ無いけど、大丈夫かな。


それより部屋! この部屋! 無駄に広いんだってば!!

シャンデリアは不気味だし、あちこち装飾が派手で目がチカチカするし、ベッドなんて私10人ぐらい寝れそうな大きさだし。

寂しい…っていうか、雰囲気が微妙に怖い…ワンダ抱いて寝よっかな///

せめてマコさんと一緒の部屋にしてもらえば良かった…なんて、今更だけど後悔。


さっきのパーティーで未成年は私1人だったけど、なんかイヤだったなぁ…お酒飲めればなぁ。

どんな気分になるのか分かんないけど、酔っちゃえば恐くても眠れたかもしれないのにー…。

家が懐かしいなぁ…自分の部屋以外で、1人で寝るの初めてなんだよなぁ…。


そういえば、お父さんとお母さん元気にしてるかな。

まだ村を出て半月も経ってないのに、なんか色々あったせいか何ヶ月も会ってないような気がする。

考えてたら会いたくなってきたけど、次は西に向かうらしいから、また村から離れちゃう…。


ちょっとだけ帰れないかなぁ…レグザも一緒に…やっぱ無理だろなぁ。

だってレグザってば、すんごく酔ってるくせに、しっかりはっきりこう言ってた。


「明朝すぐに出発する。 みんなには悪いが、3人だけでもラスターシャに向かう」 って。


先を急ぐ理由として考えられるのは…逃げたアイツを追う為、かな。

せっかくワンダのおかげで倒せそうだったところを、まんまと逃げられちゃって…悔しそうだった。

でも居場所が分かんないから、アイツが本当に魔王なら、マコさんの占いを信じて先に進めば手掛かりが見つかるかもしれない。


『邪悪な者が力を増し、近い将来、人類に終焉が訪れる』

『宿命を背負いし者、魔力の満ちたる場所で全てを悟り、大いなる力を得る』


それと、2つ目の 「宿命を背負いし者」 ってゆーのは、もしかしたらレグザの事なのかも。

んー…邪悪な者を滅ぼす宿命を背負った勇者、とか。 いやいや、大いなる力を得て勇者となり、邪悪な者から世界を守るレグザ!

超ぉーカッコいい!! これで決っまり! だってレグザは勇者だし~うんうん!


となると…勇者様に釣り合うのは、やっぱ大魔道士でしょ!

ぬふふふふふふふふくくくくくくくく…にゃはははははははははははは!!!!

勇者様は、このわたしがもらったあああああああああああ!!!!


※※※※※※※※※※



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