● 旅のメモ ~精霊と火魔法編~
魔法の凄さを目の当たりにしたオレが、ジステア出発直前にアリィから得た初耳情報。
なんでも魔法ってのは各属性を司る精霊の力を借り、それに自分の魔力を融合して初めて扱える技らしい。
その精霊っていうのがよく分からないオレだったが、「全属性の精霊」 と 「火魔法の詳細」 をアリィから教わったので、とりあえず書き留めておく事にした。
――何処に住んでるのかは誰も知らない偉大な精霊さん達――
●火の精霊ベクディム
……精霊の中では唯一の男性、しかも野獣の姿を持つ、炎の如き熱い心を持った精霊さんらしい。
●風の精霊エミリヴァス
……空の如き澄んだ心で、風の如き自由を求める美しき女性の精霊さんらしい。
●水の精霊ローディオーネ
……水の如き純粋さと、氷の如き冷酷さを持った、これまた美しい精霊さんらしい。
●土の精霊アグレノマ
……大地の如き情愛に包まれた聖母的な精霊さんらしい。 やっぱり美人だとか。
――感心したけど他属性まで聞くのは面倒になった火属性魔法の詳細――
●ファイディム(初式火弾魔法)
……掌に火種を発生させ、球状にして撃ち出す最も初歩的な魔法。 全魔法の中で最も扱い易く、生み出す火種のサイズは1cm~30cm程度までと魔力によって自在に調整が出来るので、生活面でも色々と役立つ。
●フレイディム(二式焼夷魔法)
……狙った場所にピンポイントで火柱を呼び起こす火属性の中級魔法。 狙い通りの場所に発生させる事が非常に難しいが、巻き起こった炎は触れた物を灰と化すまで簡単には消えない。 威力に関しての調整は出来ず、術者の魔力の総量次第で規模と熱量が変化する。
●バーニンデイム(三式獄炎魔法)
……極めて高温の 「地獄の炎」 を異界より召喚、掲げた両手で受け止め、狙った相手に撃ち出す火属性の上級魔法。 熟練した者でなければ自らの肉体すら燃やしてしまう程の危険を伴う。 多大な魔力を消費し、如何なる調整も不可能だが、放たれた業火はあらゆる物を焼き尽くす。
●ベクディアルマ(火神魔奥義)
……火の精霊ベクディムを召喚して一時的に力を借りる事が出来るらしいが、その詳細は不明。
とまぁ、考えるだけでも熱くなりそうで。
しかし精霊にも男女があるとは驚いた。 つまりベクディムさんはウハウハハーレム状態って事か。
とにかく自分が平凡な人間である以上、この先アリィを怒らせない様に注意しようと思った、うん絶対。