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視線は永遠に
誰かも分からない貴方と目が合う。
逸らせるわけもない。
俺には貴方が誰だか分からない。
何を見ているんだ。
見ないでくれ。
時間が流れないという時間が流れる。
宝石に目を奪われて、
自分のことが分からなくなって、
ついには見られている恐怖に支配される。
貴方は誰なんだ。
まるで俺の心を見るようだ。
俺が時を止めたのではなく、
貴方が時を止めたのか。
そう思わされてしまうくらいに目が合うのだ。
宝石を見ていればよかったのに、
自分とは何か考えていればよかったのに、
意識の全てを拭い去り独占する。
貴方は誰なんだ。
俺をどうするつもりだ。