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時が無い宝石を
この光景は正直上から眺めたいと思った。
色とりどりの花が見れたはずだから。
時を止めると光もその反射も止まるらしい。
目に太陽の光が入っていたら、
きっと今すぐにでも時を再び動かしたかっただろう。
その点に関しては偶然ながら本当に良かったと思う。
そして更なる偶然が重なったから、
この雫一粒を宝石にすることが出来たのだろう。
俺だけがこれを見ることが出来る。
勿体ない話だ。
俺がこの宝石を独り占めしている。
正確には正しく独占出来ているわけではないが。
その宝石を受け止める花が羨ましい。
そしてそれを見たかった。