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俺は例外ではない
時間を止めたときに見える光景を想像したことがあるか?
この光景を見ようとしたことはあるか?
俺は今、時間が進まない光景を見ている。
誰も動かない。
木の葉が揺れることもない。
天からの雫がはっきりと見える。
そこでは何も起きない。
成長も、
衰退も、
呼吸も、
生命の営みも、
当然、卑しいことも。
何も起き得ない。
感情すらも凍てつく。
感情が動いているのは自分だけ。
それでも自分は周りと変わらず死に体だ。
時計の針は動かない。
それが動き出すまでの俺の感情は。