掃除者
校長『え〜、皆さんえ〜、桜が舞い散るこのアルカナ学園では、え〜、え〜古くからの歴史が、え〜詰められた神聖なる場所であり───』
校長先生のありがたいお話しが続き
先生達は眠そうにしている。
その中でひときわ目立つ全身鉱石でできた男アーロンが見るも綺麗な姿勢で校長先生話しを聞いていた。
アーロン「(ふむ、やはり校長先生のお話は心に響くものがあるな)」
校長先生の話が終わり次は新一年生がホールに入ってきた。
ホールに響き渡る拍手の音に包まれ
総勢200人の生徒達が入場してくる。
全員が入場し終わると着席しホールに再び静寂が訪れるその時──。
フィー先生『ほら!早く席につきなさい!』
マクア「分かったから、いい加減首根っこ掴むのやめてくれませんかね」
フィー先生『そうでもしないと貴方逃げるでしょ?』
マクア「勿論☆」
フィー先生がマクアの頭を叩こうとするとそれをマクアはスラリと避ける。
フィー先生『くっ、当たらないか』
マクア「なら、次はこれでやってもいいんだぜ?」
腰にある二丁拳銃を手にかけようとした時。
アーロン「マクア君、早く席に着いたらどうかな?」
最初に声を出したのはアーロンだった。その声に反応するかのようにマクアは銃を再び納めた。
そして1番後ろの席に静かに腰を下ろした。
司会先生『え、えーと、では気お取り直して新入生代表シュレイド・ヴァルツ君、壇上に上がりなさい』
シュレイド『はい』
席から立ち上がったその生徒は、物腰がよく、身長はやや高めで黒の短髪で
種族は人間の男
シュレイド『私達はここアルカナ学園に入学し新たなる人生の1歩を踏み出すとともに───』
アーロン「(アイツは...ふむいい本友達になりそうだな)」
マクア「(ふぁ...眠い...)」
入学式が終わりお昼頃、生徒全員はそれぞれのクラスに戻り、軽い明日の予定を先生に聞き終えると生徒達はそれぞれの家、または寮へと帰っていった。
GM『言い忘れてた、アーロンとマクアは寮住居って事でよろしく』
アーロン・マクア「「了解〜」」
誰もいない教室に1人アーロンは机にあった紙切れをじぃ〜と見ていた。
アーロン「.........僕の机に紙切れを置いたのは誰だ...」
アーロンは中身を読まずそのまま丸めてゴミ箱に捨ててしまった。
アーロン「僕の机はゴミ箱ではないと言うのに全く...さて、職員室に行かねば」
アーロンは帰り支度を済ませ、職員室に向かった。
【その頃、マクア】
マクア「............」
マクアは正門の木陰に隠れていた。
どうやら屋上で見た兄貴とジルと言う輩が何やら大勢で何かを話している現場を目撃したからだ。
兄貴「てめぇら、いいか?ヴァルム・アーロンって言う奴を何としてでもここへ連れてこい」
子分1「ヘイ兄貴!」
子分2「任せてくださいよ!」
ジル「よし、行ってこい」
兄貴「...さあ、俺達もそろそろ準備するぞ」
ジル「OKだ」
2人は再び正門から姿を消した。
マクア「......面白そうだからここで拝見してみよっかね〜」
そう言うとマクアは2人組の後をおった。
【職員室】
アーロン「コンコン、失礼します」
先生『口でコンコン言わなくていいんだよアーロン君』
アーロン「これは失礼しました先生、それで私はどのような罰を与えられるのでしょう?」
先生『その前に君だけか?』
アーロン「はい、ここに来る途中も私1人でした」
先生『はあ...ジルめ...まあいい』
大きくため息を着くと先生は1枚の紙を出してきた。
先生『君への罰はただコレを書いてくれればそれでいい。』
アーロン「これはいったい?」
その紙に書いてあったのは、【特別依頼処分者】と書いてあった。
先生『つまり君はここの学園の長である理事長、ユラリス理事長から指名を受けたという事だ』
アーロン「ようするに俗にいう冒険者みたいなものですか?」
先生『厳密には違うがまあ、そんなところだろう』
【特別依頼処分者】とは、この学園で唯一
依頼を行い報酬を得ることを許された称号だ。しかしこの称号を得るものは
ほとんどが罪人つまり校則を破った者又は手に負えない生徒達が与えられる称号である。
そのため、全ての依頼は危険を及ぼす
可能性が高いため最悪の場合、死ぬ事もある。生徒皆はこのレッテルを貼られる者をこう呼ぶ『掃除者』と、掃除者は学園である程度、魔法の使用が許可される。しかしその責任は全て自身が負うこととする。
アーロン「なるほど、分かりました、このヴァルム・アーロンこの命に変えてもこの学園の為に貢献する事を誓いましょう」
先生『はあ...先生的にはお前にこんな称号を与えてしまった事が辛くて仕方ない...』
アーロン「先生が落ち込むことはありません、これは私が行ったことによる罪です」
先生『しかしだな...いや、これ以上言っても無駄か、特別依頼処分者は依頼の時はそちらを優先すること、授業は2の次だが、おそらくお前が教室に戻る事はもうない』
先生は口では冷たく放っているがその表情は酷く辛そうな顔をしていた。
そんな顔が見てられなかったアーロンは職員室から出ることにした。
アーロン「先生、3年間お世話になりました」
先生『お前も気をつけてな...』
アーロン「さて、寮に戻って自主勉をしなければ」
【正門前】
兄貴「............」
ジル「......兄貴、来やしたぜ」
アーロン「...ん?君は確かジル君とか言ったかな?何をしている君も早く職員室に行きたまえ」
ジル「へっ、そんなんどうだっていいんだよ」
兄貴「よぉ、アーロン最近お前調子に乗ってるよな?」
アーロン「別に僕は調子になど乗ってはいないが?」
兄貴「へっ、そんな大口叩けるのも今のうちだぜ?」
兄貴は指を鳴らすとアーロンを取り囲むように10人の男共が集まってきた。その手には剣を持つものや斧などの武器を所持している。
アーロン「何の真似かね?」
兄貴「見りゃわかんだろ?制裁だよせ・い・さ・い」
ジル「俺はな、実力がない奴がこんな所にいること自体腹が立つんだよ!」
アーロン「.........」
ジル「その中にお前も含まれてんだよ、どっかのボンボンの癖に金でしか何もする事ができねー奴が俺はイライラすんだよ」
アーロン「............」
兄貴「どうしたぁ?さっきから黙って恐怖のあまり何も言えなくなっちまったかぁ?」
一同「「「ぎゃはははは!」」」
アーロン「はあ、くだらない」
兄貴「な、なんだと?」
アーロンは大きくため息をつくと
ゆっくりと歩み出した。
アーロン「一応言っておくが、僕は別にそこらの貴族でも何でもない、ましてやお金で全てを解決するなどという言葉は僕の辞書には存在しない」
ジル「う、嘘つくんじゃねぇ!お前らやっちまえ!」
子分達「「「しねぇやあああ!」」」
子分の1人が剣を振り上げると、アーロンは何やら呪文を唱えだした。
アーロン「×%○*:々......発動、スリープ」
空中に魔法陣が展開されその魔法陣から淡い光が子分達を包み、たちまち全員眠りこけてしまった。
ジル「お、おいお前ら!クソ!テメェ!よくもやりがったな!」
アーロン「僕は早く寮に戻って自主勉強をしなければならないのだ」
アーロンの言葉は軽いものの確かな威圧感が2人を襲う。
兄貴「舐めたまねしやがっ...て...、お、おい...お前の付けてるその腕章...まさか!?」
ジル「そ、掃除者ッ!?」
アーロン「ん?ああ、今日この称号が与えられてね、まあこれは僕が犯した罪だから仕方ないがね」
兄貴「くそ...予定外だ...」
ジル「お、俺は逃げるぞ!掃除者に捕まったら最後...死ぬよりキツイ拷問って言う噂が...」
兄貴「て、てめぇ!俺を置いてにけるんじゃねぇ!」
2人が逃げたそうとしたその時、パンッ!と言う重声が聞こえた、恐る恐る2人が下を見ると地面に弾が貫通していた。
兄貴「な、なんだ...?」
ジル「この正確かつギリギリのラインを狙ってくる奴っていったら...」
マクア「ふ〜」
兄貴「ま、マクア!?」
マクア「なんか面白い事が起きてると思ったらまさかお前が掃除者だったなんてな」
アーロン「君は確か、マクアだったか?」
マクア「お?覚えてくれてた何て嬉しいね」
アーロン「君は何かと噂になってるからね、主に悪い方の」
マクア「え、まじで?」
2人が話していると2人組はゆっくりとその場を立ち去ろうとしたが。
アーロン・マクア「「どこへ行く?」」
兄貴「ひっ!」
ジル「ま、まってくれ!俺はただコイツに乗せられてただけなんだ!俺は悪くねぇ!だから見逃してくれぇ!」
兄貴「なっ!?て、てめぇ!」
アーロン「そうか、なら僕は実行犯である兄貴君を処分する事にしよう」
マクア「俺は掃除者じゃねーからコイツもらってもいいか?」
アーロン「ああ、同じクラス別に構わない」
マクア「さあ...」
アーロン「掃除の時間だ...」
「「ぎゃあああぁぁあぁあ!!!」」
【職員室】
先生『.........』
アーロン「.........」
マクア「.........」
先生『で、これはどう言う意味かなアーロン君?』
アーロン「はい、正門に学園の汚れが見つかりましたので掃除者として掃除をしだです」
先生『掃除者ってそう言う意味じゃないから!...でマクアお前は何をしているんだ?』
マクア「暇だったのでアーロンと掃除したまでです」
先生『そう言う事を言っているのではないッ!』
机を思い切り叩きつけ込み上げてくる怒りを抑えつつ深呼吸をし、ゆっくりと話し出した。
先生『とりあいず、アーロンは私からもう1度掃除者とは何なのかを1から説明し直すことにしよう、その後は始末書を書いて提出するように』
アーロン「ご指導の方よろしくお願いします」
先生『それでマクア...お前はもうわかってるな?』
マクア「ああ、早くアーロンと一緒のものよこせよ」
先生『分かってるなら話は早い...今日からお前も特別依頼処分者だ...』
マクア「うひょ〜う!これで学園内で魔法撃ち放題だぁ!」
先生『(#^ω^)ピキピキ』
こうして、この学園に2人の掃除者が生まれてしまった。
アーロンとマクアはこの学園の秩序と平和を守るためにこの学園に命を預けなければならない。
果たして2人のは掃除者としての依頼をこなすことができるのだろうか?
そして、この2人に危機が迫っている事に気づくのはまだ少し先の話だ。
【ジャーベルウォーキーの森】
?「はあ...はあ...」
?「うっ...」
体にローブを羽織った者がその場で倒れ込む。それと同時に首から何かが落ちる。どうやらペンダントのようだ
そのペンダントを握りしめ、ただ一言
?「......母さん...」
ガサガサ...(草ゆれ
アーロン「マクアとの共闘たのしかったな」
マクア「そうだな、やっぱり俺とお前はウマが合うようだな」
GM『これから幸先不安でしょうがないわ...』
アーロン「と言うか、学園生活終わるの早くないか?」
GM『ふっふっふっ、まだ終わらせんよ...これからいろいろな行事に参加していくことになるのだからな!』
マクア「まあ、俺は参加する気はないし、適当にやってくれ」
アーロン「なんだと?よし、ならば僕が君を厚生させてあげよう」
マクア「おもしれぇ、できるものならやってみな」
GM『暴れて学園壊すなよ...』