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反逆の火炎

遅い上字数も少なめです。本当にすいません。

「魔力を用いて宣言する、燃え上がれ!『火球かきゅう』!」


先手を打つべくアキナが魔法を詠唱しキメラに向かって放つ。身長の何倍にも膨れ上がった火球は合成獣キメラに向かって高速で移動する。


「ギュヴヴヴヴヴヴヴウッッ!」


合成獣はその火球をそのまま受けた。激しい熱風と共に火球が弾け、合成獣を焼いていく。宙に浮いたまま呻き声を上げ、体から何かが滴り落ちていく。それが地面に落ちると、枯れ果てていた草木が緑を取り戻していった。あの体に纏わりついているのが森の生命力か!


「皆、あいつの体を燃やして! まずは力を削ぎ落とすぞ!」

「任せなさい! 魔力を用いて宣言する、荒れ狂う炎よ、わが剣に宿れ!『炎舞えんぶ』!」


アルカネが剣に炎を纏わせて合成獣に切りかかる。だが向こうもやられっぱなしではない、一際高く飛び上がりアルカネの斬擊を躱す。切りかかる対象を失ったアルカネがそのまま地面へと落下してしまう。


「まずい、『防壁シールド』!」


アルカネが落ち始める前に防壁を張る。アルカネは防壁を足場に更に跳躍し、一際高く燃え上がる炎剣を振り下ろした。

合成獣の体に一筋の赤い線が走り、泡立つ液体を吹き飛ばす。だが肝心の胴体はまだ見えない。相当な量の生命を吸収しているようだ。液体は地面に染み込み、辺りに緑を生みだしていく。


アルカネが着地すると、飛翔を続ける合成獣が高度を下げ始め一瞬後ろへ下がった。


「アルカネ、来るぞ!」


合成獣が目にも止まらぬ速さでアルカネに向かって突進する。あの鋭い爪がアルカネを引き裂こうとギラギラ光っている。

アルカネは軽く振り返り合成獣の居場所を確認すると、身体強化で攻撃を躱した。合成獣はそのまま悠莉の家へ突っ込み、木製の家を跡形もなく破壊した。


「あぁっ、私の家……」


合成獣は振り返ると怒号を飛ばしながらこちらへ飛び掛かってくる。大きな体格のせいで、生半可な距離では躱すことが出来ない。僕は火球を合成獣の顔面に撃ち込みながら走って逃げた。


火球は顔面に直撃し合成獣の視界を熱で埋め尽くした。堪らず暴れ出す合成獣。尻尾で辺りを薙ぎ払い、あちこち飛び回りながら爪を振り回す。無差別な攻撃がかえって僕達の意表を突き、囲むようにしていた陣形が崩れる。


「ガアアアアァアァァァァァァアァ!」


合成獣が叫びながら地面を強く踏みつけた。同時に地面が激しく揺れる。


「蔦! 下から来る!」


悠莉が叫ぶ。蔦ってあの拘束してくる奴か。地面に意識を集中させていつでも動けるように、そう思っていたのだが想定以上で、数本かと思いきやうごめく触手よろしく何十本も出てきた。個人で手に負える量じゃないぞこれ!


「私が抑える……!」


悠莉が杖を振ると、蔦の動きが目に見えて遅くなり、各自斬ったり焼いたりして対処できている。合成獣の方を向くと、既に足は地面から離れておりこちらに向かって飛びかかってきていた。


「『防壁シールド』!」


僕は合成獣の目の前に防壁を展開し、身体強化をして走って逃げる。急に目の前に現れた防壁に対応できず、鈍い音を立ててぶつかる合成獣。


「悠莉、耳を塞いで」


即座に右手に出現させたP90を合成獣の顔面に向けて引き金を引く。規則正しく放たれた弾丸が着弾するが、合成獣の顔は直ぐに再生していく。


(くそ、やっぱり効かないか)


このままじゃ劣勢だ、早く合成獣が身に纏う森の命を取り払わないと。僕は悠莉を降ろし、銃の代わりに剣を出した。楓さん使っていた巨大な剣だ。魔力を流せば爆炎が


「皆、僕が切り込む! 何とかして隙を作るから、大きな魔法を御見舞いしてくれ!」

「分かったわ。頼むわよ、カズト!」

「アキナも頑張るね!」

「悠莉、僕が突っ込むからサポートできる?」

「うん、任せて」


再び身体強化を行い剣を振るうだけの腕力を身につける。僕は走って一気に合成獣の足元に潜り込み、アキレス腱目掛けて全力で剣を振った。ブチリという音と共に右前足がバランスを崩し合成獣の体が傾ぐ。


「今だ!」

「魔力を用いて宣言する、地獄の魔炎よ、仇敵を捉え焼き尽くせ!『牢火ろうか』!」

「魔力を用いて宣言する、燃え上がれ『火球かきゅう』! おっきくなーれー!」


アルカネとアキナが同時に魔法を詠唱すると、合成獣の周りを包み込むように真っ赤な火炎が現れすぐに姿は見えなくなる。

中がどうなっているかは分からないが森に緑が戻り続けるのがその証拠だろう。


アキナの詠唱した火球は放たれることなくどんどん巨大化を続けている。一撃で決めるつもりなんだろうか。その直後、僕の後ろから声が聞こえた。


「ふう。少年よ、状況はどうだ?」

「ノノさん!? どこ行ってたんですか!」


背後から現れたのはノノさんだった。土まみれで全身泥色だ。


「なに、森が焼け落ちてしまわぬよう防火の結界を張っていたのだ。森一帯と大樹に張ってきたので好きなだけ火をばらまいていいぞ。魔物はどうなっている?」

「アルカネが魔法を撃ちました。今は動く様子はないです。ていうか炎で何にも見えないって言った方が正しいですけど」


火柱に包まれて中の合成獣の様子は窺えない。分かるのは威力が徐々に弱まっていることだけだ。


「アキナ、そろそろお願い!」

「はーい! 皆気をつけてねー!」


アキナが溜め続けていた火球を放つ。何百倍レベルでふくれあがったそれは、合成獣どころか僕達まで呑み込んでしまいそうだ。徐々に火球が近づいてくると、パチパチという音と熱気が迫ってくる。もしかして巻き添え食らっちゃうかこれ?


「絶対に危ないだろこれ! 『防壁』!」


僕は安全を考慮して皆の周りに防壁を展開した。案の定火球が着弾した後の爆風がこちらへ吹き付けてきた。防壁なかったら火傷してたかも。


「どうなったんだ?」

「そう甘くはないはずだ。このくらいでやられるような輩が封印されている訳がない」


そう言ったノノさんの言葉通り、周囲に火の粉が漂う中に合成獣の姿はあった。全身を覆っていた液体は全てなくなり、筋肉質な体が露出している。背中に生えていた翼は焼け落ちて無くなり骨だけが残っているが、それ以外に目立った傷は一つも無い。ぎりぎりの状態で足も治したようだ。


「……ですよね。後は消耗戦ですか」


合成獣の怒りに燃える目が僕達を射抜く。あれほどの火を受けて怪我を負っていないということはもう火は効かないということだ。属性攻撃に頼るよりは力尽くで行った方が有効そうだ。


「皆、合成獣にはもう火は通らないはずだ! さっきみたいに僕 合成獣に攻撃して気を引くから効果的な攻撃方法を探してくれ!」


僕は剣を構え直すと再び合成獣に向かって突っ込んだ。


苦手な戦闘シーンにぶち当たってます。ジャンプの漫画を文字に起こしてみたり、アクションジャンルの小説を読んだりとお勉強していたらもう一週間です。

続きは土日までに死にものぐるいで何とか仕上げますのでどうかご容赦を……


追記:風邪引きました。熱でてふらつくので土日までに更新できるか分かんないです。なるべく急ぎますのでご了承願います。本当にすいません……

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