本当の実戦
いつもより長いかもです。
集落にたどり着くと若者たちが夢で見たのと同じ魔物の群れを食い止めていた。しかし、既に満身創痍である。
アルカネが叫んだ。
「私達が食い止めるわ!皆は下がって!」
魔物の数は10匹程が減っているが、依然数は多い。これを2人で削りきるのはきつそうだ。
「少しずつ減らすわよ。頑張りましょう!」
そう言うとアルカネは剣を構える。
一匹が爪を突き出した。それを受け流すと一太刀で斬り捨てた。魔物は斜めに崩れ落ちた。
「かかってきなさい!一匹たりともここは通さないわよ!」
僕も戦わなきゃ。
剣の柄をきつく握る。そして剣を受け流せるように構えた。タイミングよく魔物が一匹攻撃してきた。それを剣ではじき上げるとガラ空きの首に剣を振るう。剣はしっかりと首を捉え、はね飛ばした。しかし、剣から断ち切った肉と骨の感触が伝わった。噴き出す血が和人に降りかかる。
「うわ…なんだよいまの…」
手が震える。気持ち悪い、血が、死体が、虚ろな目が、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いーーーーー
「カズトッッ!」 一喝。
恐慌状態に陥った和人を正気に戻したのはアルカネの一声だった。
「カズトはトワって子を探すんでしょ!?そんな姿、その子に見せられるの?生きるんでしょ!」
そうだ。ここで死ぬ訳にはいかないんだ。決めたじゃないか。何としても生き延びると。こんなとこで死んでどうする。僕は生きて永遠を見つけるんだ!
いつの間にか手の震えは止まっていた。僕に近づいた魔物はアルカネが倒してくれたらしい。剣の柄を握り直す。イメージでも魔法が使えるならできるはずだ。
「剣よ、燃えろ」
鉄の剣が灼熱の炎を纏う。燃え盛る剣を突きつける。
「俺は死なない!おまえらなんかには殺されない!俺は生き延びるんだ!」
天に向かって叫ぶ。戦え。もう失うことはしない。力があるんだ。障害なんて乗り越えるんだ!
「どっからでもかかってこい!切り捨ててやる!」
戦闘って、難しいですね。