魔法のレクチャー
それから次の日。
「ねえ、カズト」
「なに?アルカネ」
何か用だろうか。
「そのステータスカードになってるキューブ、キューブの状態で見せないほうがいいと思うわ」
「何で?そんなに不味いことなの?」
「ステータスカードは普通、生まれてから一週間くらいにギルドに登録されるの。何も書かれていないただのカードにね。キューブに登録されるなんて聞いたことないわ。下手に見せればトラブルの種になると思うから、他の人、信頼出来る人以外には見せないほうがいいわ」
「わかったよ。教えてくれてありがとう」
確かにこのキューブが普通ではないのならトラブルの種になるな。ヘルプの機能は誰もいないところで使おう。
「じゃあ今日は魔法の練習をしましょう。まずは魔力を操るところからね。今、カズトの体に魔力を流してみるから魔力の流れを掴んでみて」
そう言うとアルカネは僕の首に手を当てた。しばらくすると、何かが流れ込んでくるのを感じた。
それを追いかけると、全身に同じようなものが通っている。
「魔力の流れは分かった?」
頷くとアルカネは次の指示を出した。
「次は魔力を手に集めてみて。集まったら小さい火をイメージして」
いわれるがままに魔力を集める。手に力が漲る。
そのままランプの火をイメージする。すると指先から小さい火がついた。
「筋がいいわね。魔法を使うだけならイメージするだけでいいんだけど、相手への攻撃に使うとか規模が大きくなると詠唱が必要なの。起こしたい現象とその状態を宣言して、最後に、『顕現せよ』って唱えるの。魔法の種類はまた今度教えるわね。あと言い忘れたけど、威力や大きさはその魔法に使う魔力量や、その人の魔力のステータスに左右されるの。じゃああとは練習よ」
その後はひたすら火を起こしたり、体のいろんなところに魔力を集めたりして遊んだ。
その夜、ステータスカードをみると、魔力値と魔力のステータスが
魔力値 100→290
魔力 10 →150
と跳ね上がっていた。
・・あれ?ステータスの伸び方がおかしいぞ?
アルカネに聞いてみるか。
「アルカネさん。少し聞きたいことがあるんですけど」
「どうしたの?」
「ステータスがおかしいことに・・・」
そう言ってステータスカードを見せる。
「なんか魔力値とかが凄い増えてるね。違う世界から来たことでなんらかの補正が掛かってるのかな。私じゃあちょっとわからないわ」
なら今はどうしようも無いのだろう。
「じゃあ明日は剣技を教えて下さい」
「分かったわ。じゃあ今日は早めに休ませてもらうわ。お休み、カズト」
「お休み、アルカネ」
そう言って2人は眠りについた。
カズトはその夜、一つの夢を見た。
剣は次の予定です。