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剣と魔法と銃器を武器に僕は世界に立ち向かう  作者: 雨空涼夏
一章 若き少女と竜の巫女
21/87

いつだって突然に

遅くなりました。おかしい点などありましたらご指摘お願いいたします。

10分くらいで草原には着いた。やることは沢山あるが、まずは知ることが先決だ。ステータスカードをキューブに戻す。確か握って知りたいことを言えばいいんだよね。僕が知りたいのは職業の基準とステータスについてだ。キューブを握り、呟く。


「職業ってなに?」


キューブが光り、頭に答えが響いてくる。


「職業とは、日常的に何をしているかで決まる。鍛冶を行う者であれば鍛冶師に、誰かに知識を教える者であれば教師となる。戦いを生業なりわいとしている者は、戦い方で決まる。魔法を主として戦う者であれば魔導師、剣を主として戦う者は剣士となる」


うーん、じゃあ僕はどっちも使うから魔剣士ってことなのかな。次はステータスだ。


「ステータスの限界はいくら?」

「ステータスに限界はない。鍛錬を続ければいくらでも上がり続ける。しかし、ステータスが高くなるほど

数値は上がりづらくなっていく。死ぬまで鍛錬を行えば、いつしか限界を超えることが出来るだろう」

「レベルは?」

「レベルも同様、限界はない。レベルが上がればステータスにプラスで数値補正がつく。個人差が大きいため、参考にはならないことが多い」


何それ。人によってどのステータスがどれだけ上がるか分からないってこと?てことは、いつまでもたくさんステータスが上がり続ける人もいれば全然上がらない人もいるのか。なかなか理不尽な世界だなあ。


「よし、銃の練習をしよう」


ともかく知りたいことは知った。あとはまだ使い慣れない銃の練習をしよう。

だいぶ魔力の扱いには慣れてきたところだ。今日は前と違う銃を使おう。

魔力を集めて出した銃はP90。FN社の開発したPDW(個人防衛火器)だ。

この銃は近距離戦闘に適した銃だと言われている。弾の初速が高く、金属も多少なら貫通できたはずだ。

弾数も50発と多く、重量も3kg程度で身体強化をすれば片手で撃てる重さだ。

今回は威力の実験と、使ってみた感覚を確かめるつもりだ。


「出てこい!『防壁シールド』!」


100m先に、薄い防壁を展開した。どれくらいの強度にすれば耐えるのか確かめよう。

銃を構えて、防壁をめがけてセミオートで発射した。


軽い銃特有の発砲音と共に発射された弾は、100m先の防壁を砕いてそのままどこかへ行ってしまった。

防壁の強度を高めながら実験を続けた結果、楓さんに教えてもらった防壁が一番強かった。

当たった弾が防壁にのみ込まれて、そのまま停止した時はびっくりした。

あの防壁にすれば、銃弾の回転を抑えて無力化できるし、防壁そのものの役割も果たしてくれる。

あとは魔力の量によって左右されるので、実験はもう十分だろう。


「ちょっと休もう。さすがに疲れた・・・」


魔力があまり残っていない。さっき残り魔力を確認したらすでに残り半分を切っていた。

まだ太陽は出ているが、もう少しで沈みそうだ。少し休んだらすぐに帰ろう。




















「横になったのが間違いだった・・・」


気付いたら夜になっていた。日が出ていたので、少しだけならと思って横になったら、真っ暗。

魔力はだいぶ回復したようだが、早く帰らないと危険だ。なぜか嫌な予感がする。


ドドドドドドドドドド・・・


「言ったそばからこうだもんな・・・」


遠くから地響きが聞こえる。遠くに何かがいる。目を凝らして見ると、なんだろう、ゴリラみたいな?大きな生き物が数匹こちらに向かって進んできている。


「どう見ても遊びに来たわけじゃないよね・・・」


今逃げても遅いし、アルトノリアに向かえば少なくない被害が出る。


「やるしかないか。かなりいるから数を減らさないと」


草原にM15対戦車地雷を出現させる。ここからでも見える大きさなので多分効くだろう。大体10ヘクタール程度にばら撒いておいた。魔力で作っているのでもし残っても消すことが出来る。


「こっからでも当たるかな?」


少し距離を取って、FPSでおなじみのロケットランチャーを出す。

RPG-7。PG-7VL弾頭を使用したロケットランチャーだ。距離は分からないので一か八か使ってみることにした。


屈強な兵士の真似をして、標準を合わせる。引き金を引くと、バックブラストが起き、熱風が後ろに広がる。弾頭は緩やかな軌道を描いて、運良く先頭の巨大ゴリラの顔面に着弾した。顔を吹き飛ばされた巨大ゴリラは轟音を立てて崩れ落ちる。


「よし、次!」


弾を正しく装填する自信は無いので、発射機を捨てて新しいRPG-7を出して撃つ。次の弾頭は別のゴリラの右肩に当たった。


「ヴォオオオオオッ!」


痛みに悲鳴を上げるゴリラ。ミギウデガ使えなくなっても進んでくる。距離的にそろそろ地雷原だ。2匹くらいに減ることを祈るしかない。僕はしばらくRPG-7を打ち続けた。


地雷原に突っ込んだゴリラ達は次から次へと地雷を踏んだ。アクション映画みたいだ。手足をやられて動けないゴリラが唸りながら横たわる中、3匹の巨大ゴリラがこちらに接近。デカい、何メートルだ?6,7、10メートルあるんじゃないか?多分一発でも食らったらアウトだ。回避優先だ。


p90を出してゴリラA(三匹いるので、A、B、Cで区別する)にフルオートで発射。しかし片手で撃ったので安定しない。巨体なのが幸いして、ばらけた弾は着弾した。


「ヴオッヴオッヴオッヴオッ!!」


しかしゴリラAは直進してくる。左腕を僕めがけて振り下ろした。


「くっそ、『防壁シールド』!」


とっさに出した防壁で軌道を逸らす。左腕が振り下ろされた地面は激しく陥没している。やっぱり当たったら終わりだ。

マガジンを出して素早くリロード。顔を狙って撃つ。


無数の弾がゴリラAの顔を乱回転して抉る。顔を失ったゴリラAは支えを失いこちらに倒れ込む。危ないって。潰れるよ。飛び退いてぺちゃんこになるのはなんとか防いだ。


しかし、飛び退いた先にゴリラB&Cがスタンバイしていた。今度は振り下ろさない。アッパーだ。詠唱していたら間に合わない。

僕は楓さんの使っていた巨大な剣を出して盾代わりにした。


「ちくしょおっ!」


重い。堪らず剣を投げ捨てて受け身を取る。大剣は後ろに飛んで行ってしまった。体が痛い。p90は顔に当たらないと効果が薄い。

粘って削るしかないか。再びp90を出す。次は顔ではなく膝の辺りを狙った。ゴリラBは銃の特性を理解したのか、射線から外れようと動いている。しかし体が大きすぎるため、避けきれずに弾丸を右足に受けた。体の組織が破壊されて崩れ落ちるゴリラB。こちらに近づこうとするが歩けない。這いずってくる姿はまるでゾンビだ。


そういえばゴリラCが来ない。後ろを見ると、ゴリラCの背中に大剣が突き刺さっている。貫通こそしていないものの、剣の柄がかろうじて見えるくらいまで深々と刺さっていた。勿論ゴリラCは動かない。


「終わったの、かな?」


だったら後は動けないゴリラ達に止めを刺すだけだ。先にゴリラBを仕留めよう。

攻撃されない所からちゃんとした構えでp90を撃つ。他のゴリラ達も同じように殺した。


「何回やっても慣れないな・・・」


こうして生き物を殺すのはどうしても慣れない。慣れるほどそんなに場数は踏んでないと思うけど、慣れない。この世界では魔物は殺すのが当たり前なのだろうか。魔物だけでなく、人を殺すのも。いつか僕も、殺したいという意思を持って、人を殺す日が来るのだろうか。


「止めよう。こんなこと考えるの。今考えたって意味ないじゃないか」


自分に言い聞かせる。戦わなくちゃ、死ぬんだ。生き残れないんだ。震えだした手を握り、死体を見渡す。何のためにゴリラ達は戦ったのだろう。既に死体の横には魔石が出来ている。僕は戦うしかないんだ。何が起きても、前を向くんだ。


今度こそ戻らないと。痛む体を鼓舞し、アルトノリアに戻ろうとした。


「なんでまだ生きてるの!グレム達を呼んだのに!」


突然、どこからか可愛らしい、気の強そうな少女の声が聞こえた。振り返って辺りを見渡すが誰も見当たらない。


「誰だ!どこにいる!」


叫び返すと、答えが返ってきた。


「上よ!人間!」


上を見上げると、そこには赤く光る翼を生やした少女がいた。


「あんたらのせいで、あんたらのせいで、お母さんは!」


声を震わせて少女は叫ぶ。

なんの事だ、そう聞こうとしたのだが、既に少女は見当たらない。探そうと思ったその時だ。


最初に感じたのは風。台風みたいに強い風。次に激痛。どこだ、横を見ると左腕が千切れて落ちて行くところが見えた。落ちる?落ちてる?どうなってるの?妙に高い。そうか、飛んでるのか。遠くにはさっきの少女が見えた。多分殴られたのだろう。どれくらい飛んだんだろう。考える間もなく地面に叩きつけられる。数メートル転がり、現状が把握できた。多分体中の骨が折れてる。左腕は肩からない。もう自分の周りには血溜まりができ始めてる。恐らく1時間も持たない。


さっきの少女が近づいてくる。右の拳が血まみれだ。やっぱり僕の事を殴ったのだろう。


「どうするよ、これ・・・」


こんなとこで死ぬつもりはない。僕は永遠を見つける。一緒に元の世界に戻る。生きて帰るんだ。


「吐きなさい。あなたはこの世界に何をするつもり?返答によってはすぐに殺す。言いなさい、異世界人」


ここが正念場だ。言葉を間違えれば命はない。なんとかしないと。

次も少し遅くなるかも。なる早で頑張ります!

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