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剣と魔法と銃器を武器に僕は世界に立ち向かう  作者: 雨空涼夏
一章 若き少女と竜の巫女
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異常成長

遅くなりました。たまたまちょっと忙しかったんです。

城の近くなので、役所には割と早く着くことが出来た。けっこう大きい。

中に入るとカウンターがたくさんあって、多くの人がそこに並んでいる。

どのカウンターが何なのかさっぱりだ。アルカネは一番左のカウンターに向かったので、あそこがお金を預かってもらえる場所なのだろう。ついて行って見てみよう。


「こんにちは」

「アルカネさん、お久しぶりです。今日はどのようなご用件でしょうか?」

「お金を預かってもらいたいわ」

「お預かりですね。それではステータスカードの提示をお願いします」


アルカネがステータスカードを渡す。受付さんは奥にある金属の台にステータスカードを置いた。少しすると、いつか見た青白い光が出て、すぐに収まった。


「認証が完了しました。次はお預かりさせて頂く貨幣をお出しください」


アルカネが中銀貨の入った袋をカウンターに置く。受付さんが中身を数え、すぐ脇の別の台に中銀貨を置く。すると中銀貨とステータスカードが一緒に光り、中銀貨が消えた。光が収まると受付さんはアルカネにステータスカードを渡した。


「お預かりが完了しました。お確かめください」


アルカネはステータスカードを確認すると、「ありがとう」と言って僕の方を見てきた。


「カズトも預けたいんでしょ?付いていてあげるから、早く済ませちゃいましょ」

「え、うん、分かった」


やり取りを見ていた受付さんが僕の方を見て、素晴らしいスマイルで話しかけた。


「お客様はご利用は初めてでしょうか?」

「はい」

「それでは登録を行いますのでステータスカードの提示をお願いします」


僕のステータスカードを受付さんに渡す。受付さんはステータスカードを受け取り、しばらく見ていたのだが突然「ええっ!?」と素っ頓狂な声を上げた。当然周囲にいた人たちの視線が集まる。


「すいません、ステータスが他の方と比べて群を抜いて高かったのでつい・・・」

「ちょっと見せてもらえますか?」

「はい、どうぞ」


手渡されたステータスカードは異常な数値を示していた。



名前 一宮和人 

職業 魔剣士


ステータス

体力  93

魔力値 1749

魔力  2915

筋力  74

耐久力 43

幸運  10


アビリティ

『魔力創造』『剣術』『下級魔法』『身体強化』



「ねえ、私にもちょっと見せてくれないかしら」


アルカネも僕のステータスカードを見ようと後ろから覗いてくる。


「ちょっと、これどうなってるのよ?魔力の数値がとんでもないことになってるわよ。前見た時は普通だったじゃない」


初期値が低かった頃は見る影もない。


「一体どんなことをなされたのですか!?私、気になります!」


どっかで聞いたことのあるフレーズで受付さんが問いかけてきた。どう答えるべきだろうか。この口ぶりからして自分が異世界人という事は知らないはずだ。念のため伏せておこう。


「えっと、僕、小さい頃から魔法を教えてもらっていて。魔力の流れとか、簡単な魔法とか。多分、それのせいだと思うな、うん」

「そうでございましたか!それは失礼いたしました!すごいですね、この調子で上がり続ければ将来は大魔導師間違いなしですよ!」


我ながら誤魔化すには酷い言い訳だったが何とか誤魔化せたようだ。それにしても受付さんのテンションが急上昇。収まるのかな、これ。


「っと、話を逸らしてしまいましたね。改めて手続きに戻りましょう」


受付さんが平常運転に戻ったのでステータスカードを渡す。受付さんが台に置くとさっきとは違いオレンジ色にステータスカードが光った。


「ステータスカードの登録が完了しました。次はお預かりさせて頂く貨幣をお出しください」


あとはさっきと同じだ。中銀貨と小銀貨を渡す。これもさっきと変わらず、すぐ脇の台に置くと光って消えてしまった。魔法って不思議だ。何の魔法なんだろう。


「はい、お預かりが完了しました。お確かめください」


受付さんが持ってきたステータスカードを見る。預かってもらったお金は職業の下に表記されていた。分かりやすくすると、


金 大0 中0 小0 

銀 大0 中0 小99

銅 大99 中0 小0


みたいな感じ。銅貨たちはこの先まだまだ使うと思うので預けないでおいた。また串焼きおじさんの串焼き食べたいなあ。


「ありがとうございました。またよろしくお願いします」

「いえ、お気になさらず。これが私の仕事ですから。また御用の際はぜひ」


さて、これで今日やることはだいたい終わってしまった。時間を見てもまだ3時くらいだ。


「カズト、私は宿に戻るけど、カズトはどうするの?」

「ちょっと待って。今考えてる」


どうしよう。このまま宿で暇を持て余すのも嫌だしなあ。何か出来ることは無いかな。


「あ、ねえアルカネ。今からアルトノリアの外に出ることって出来る?」

「出来なくはないけど、門番に止められるわよ。夜になると何があるか分からないし」

「銃の練習をしたいんだ。街中じゃ周りの人を危険にさらしちゃうから、すぐ近くの草原に行きたいんだけど、ダメかな?なるべく早く帰ってくるから」

「仕方ないわね。分かったわ。宿の方にも伝えておくから。無事に帰ってきてね、カズト」

「分かってる。ちゃんと帰ってくるよ」


ちょっとだけ身体強化で高速移動して、城門に着く。前の二人の門番に近くの草原に行きたいと伝えると、割とあっさりと通してくれた。なんでも、魔力のステータスが高かったことがすでに兵士中に知れ渡っているらしい。兵士たちの情報網がすごい。国中に張り巡らされてるんじゃないか。


「お前なら大丈夫だとは思うが、異変を感じたらすぐに駆けつけるからな。お前の安全を祈っているぞ」


それと、この前怪訝そうな目を向けた門番さんがかっこいいセリフを言って見送ってくれた。僕の中で門番さんの株が高くなったよ。門が閉まると、さっきより多く魔力を使って高速移動。時間がもったいないし、試したいことがたくさんある。風を感じながら、僕は草原へ向かった。

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