表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣と魔法と銃器を武器に僕は世界に立ち向かう  作者: 雨空涼夏
一章 若き少女と竜の巫女
18/87

秘策はあるかもしれない

突然始まった実戦。だけど向こうからは攻撃してこないので一方的に攻める形になる。

そういえば剣ってどうすればいいんだ?魔力創造で出せるかな。

魔力を集めてアルカネと訓練した時の剣を思い出す。これで出ればいいけど。

そんなことを考えているうちに、すでに右手に剣が現れていた。


「ほう、それが魔物共を殲滅した力か」

「出したのはこれじゃないんですけどね」

「まあいい、さっさとこい!こちとら血が疼いて仕方がないんだ!」


やっぱり狂戦士じゃないか。言葉を無視して身体強化で一気に加速。そのまま体当たりをかました。


「ぐうっ!」


さすがにこれは躱せないよね。そのまま剣を頭めがけて振り下ろした。

カンッ

軽く弾かれる音。え、なんで?確かに今、頭に当たったのに。僕が唖然としている隙に、狂戦士に距離を取られてしまった。


「惜しかったなあ。お前の筋力のステータスが俺の耐久力のステータスを超えられなかったんだよ。ざあんねんだったなあ!」


アドバイスをしてくれたんだろうけど、バーサーカーモードのため煽りが混ざってる。ウザいし腹が立つ。

だけどちょっと気になることが出来た。僕はそれを検証するため、剣ではなく何百本もの小さな鉄のナイフを出した。狂戦士の頭上に。


「ほう。何か思いついたか。試してみろ!」


僕はナイフ達に指示を出す。


「落ちろ」


ナイフが重力に従って落下する。このナイフはこのさっき僕が攻撃に使った鉄の剣よりも小さくて弱い。

ステータスの壁があるのなら、普通は当たっても弾かれるはずだ。狂戦士が避ける必要はない。


「チッ、『防壁シールド』!」


なのに狂戦士は防壁を頭上に展開した。ビンゴだ。


「くそっ、もう気付きやがったか」


ステータスの壁は自分が攻撃する武器に触れていなければ通用しない。耐久力を上げれば弾くことも可能だろうが、きっと防壁を張るより魔力の効率が悪い。だからあの狂戦士は防壁を張ったのだ。つまり、ステータスの差が大きいときは、


「直接殴るより、飛び道具の方が強い」


もう一度ナイフを出現させる。さっきの倍以上の密度を。


「落ちろ」


避ける隙間もないほどの大量のナイフが降り注ぐ。


「防壁!」


同じように狂戦士は頭上に防壁を張る。そりゃそうだよね。さっきの何倍ものナイフが降ってくるんだし。

でも、


「前ががら空きだよ」


手に出現させたナイフを、身体強化で筋力にガン振りした腕で全力で投げる。

あまりに速すぎて、狂戦士の右足に刺さるとき、音もなく刺さった。そりゃもうサクッと。痛みで狂戦士のバランスが崩れた。もう一本。次は左に。かかとの辺りに当たったっぽい。狂戦士はそのまま後ろに倒れ込んだ。きっとアキレス腱が切れたんだろう。もう歩けないはず。僕は狂戦士に歩いて近づいた。


「ったく、俺は回復魔法が使えねえんだよ。糞が」

「この世界ではやっぱり飛び道具の方が強いんですかね?」

「そうだな、ステータスの壁が無くなる、って点では飛び道具の方が強いな。だが、防壁であっさり弾かれちまうし、鎧に当たっても同じだ。身体強化でガチガチに固めてるやつにも効かねえ。ただ飛び道具で攻めるんじゃなくて、魔法をまとわせたり、さっきのお前みたいに筋力ガン振りで投げて使うのもアリだ。まだまだ試すことは沢山あるからな、もう少し工夫してみろ」

「分かりました。・・・それと、もう一つ聞きたいことが」

「何だ?」

「どうやってトドメ刺せばいいですかね?」

「おい、マジかよ!」


さっきのナイフ投げで魔力が切れてしまった。さすがにナイフを召喚しすぎたか。そこらへんに刺さっていたナイフは全部粒子となって消えてしまった。出現していられる時間には限度があるみたいだ。


「仕方ねえな。俺の背中の剣を使え」


楓さんが寝返りを打つと、背中に背負った大きな大剣が姿を表した。


「これで斬れ。耐久力無視の付与効果があるから重いが殺すことはできる」


剣の柄を掴み、引き抜く。重い。重すぎる。引くだけで腰が抜けそうなくらい重い。何とかして鞘から抜いたが、これからどう持ち上げようか。このまま持ち上げればぎっくり腰になる未来が見える。


「そうだ」


大剣を壁に立てかけておく。そのあと、楓さんを壁まで引きずった。


「おい、何するつもりだ!?」


楓さんが何か言っているが気にしない。大剣を膝で支え剣先に楓さんの首をあてがう。


「おい、ちょ、まっ・・・」


何か喋ろうとしたので無視して首を斬る。返り血が飛び散ったが、すぐに粒子となって消えた。その後、切った頭が同じく粒子となって消え、首から生えた。自分もこうやって生き返ったのか。実際にはこんなことは起きない。一瞬でも気を抜くとすぐに死ぬんだ。ここは日本じゃない。異世界だ。改めてそう思った。


「てか体がだるすぎるよ・・・」


かなり動いたし疲れた。体当たりしたときが一番痛かったかも。

もうナイフ一本くらいの魔力は回復しているだろう。魔力をかき集め、ナイフをだす。


「自殺なんてしたことないけど、なんとかなりますように」


躊躇ったらだんだん怖くなるので、覚悟のあるうちにやることにした。ナイフを握り、振り上げる。


「せーのっ!」


ちょっとした痛みと共に、意識は闇へと沈んでいった。

感想、アドバイス等お待ちしております。

次はちょっと遅くなるかも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ