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剣と魔法と銃器を武器に僕は世界に立ち向かう  作者: 雨空涼夏
一章 若き少女と竜の巫女
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邂逅

やっと投稿できました。

朝日が部屋に差し込む。雲一つ無い晴天だ。


「ううん…」


目覚めの良い朝なのに、体が動かない。こんなに外は晴れ、雲一つ無いというのに。寝返りを打とうとしたら背中に柔らかいものが当たった。


「まじか…」


首を回して後ろを見ると、アルカネが抱き付きながら寝ていた。すーすー、と寝息を立てている。あれ?何か忘れてるような・・・


「あ、潰されたんだ」


美容を求める女性達に押し潰されたんだった。部屋に運んでくれたのはアルカネかな。


「起きたらちゃんとお礼言わないと」


起こさないようそっとベットを出て着替える。高校の制服は最初の襲撃でかなり傷んでいる。アルカネに直してもらった物を今は着ているが、そのうち着ることができなくなるだろう。近いうちに新しい服も買わなければ。


「これもいつまで着られるかな」

「ん…」


ベットの方から声がする。


「おはよう、アルカネ」

「ふぁぁぁぁ、おはよう、カズト」


大きくあくびをしながら目を擦っている。綺麗な髪もところどころはねている。髪の毛を触っている。寝癖に気付いたようだ。


「カズト、準備するから先に食堂で待っててくれない?寝癖とか直さないと」

「分かった。待ってるね」


部屋を出て食堂へ向かう。入り口にはいつもの少女。


「おはようございます!」

「うん、おはよう」

「朝食もバイキング形式となっております。昼食のご提供は行っておりませんのでご了承下さい」

「分かった、ありがとう」


とりあえずご飯とサラダを取って食べているとアルカネが走って来た。


「ごめんなさい、遅れちゃって。寝癖を直すのに手こずってたの」

「大丈夫だよ。まだ時間もあるし、ゆっくり食べよう」


その後、アルカネは大きな肉の塊を持ってきてご飯を何杯も食べていた。どこからこんな大きさの肉を取って来たのだろう。突っ込みたいところはあるが時間が無くなってきたためスルーすることにした。


食事を終えて休んでいると使いの人が迎えに来た。


「カズト様とアルカネ様をお迎えに上がりました」

「来たわよ、カズト。行きましょう」

「うん。よろしくお願いします」

「いえいえ。では城へご案内します」


あの揺れない荷車に揺られながら町の中を進んでいく。

アルトノリアは結構な広さがあり、全部回ろうと思えば1日や2日では済まないのではないか。


「そろそろ到着します」


使いの人の声で前を見ると、要塞のような城が見えた。

例えるなら姫を攫う大きな火を吐くカメの城みたいな。

これ城じゃないよ。自分の想像してた城と違うよ。

顔は冷静に、心は動揺しながら城門をくぐる。


「そのまま進めば玉座です。扉の前に兵士長が立っているのでその人の指示に従って下さい」


城の中は絨毯が敷かれてあるが無骨な石造りの城だ。

やっぱり要塞みたいだ。2~3分歩くと大きな扉が見え、その前に兵士が一人立っている。


「おお、来たか。待っていたぞ。王はお前達が来るのを心待ちにしている。朝の食事量がいつもの3倍になるくらいな」


「王様はどれだけ僕達と会うのが楽しみなのさ…」

「さあな。私がそれを知る必要はない。知ろうとしてもそれは叶わない。とにかく、手荒なことはしないので安心してくれ」


怖い。この王様は危ない匂いがする。自分の直感がそう告げている。


「さあ行け。あまり待たせると私の身が持たない。早く行け、異世界人」


扉が開き背中が押される。

「え、今なんて」


兵士長の聞き捨てならない言葉を確かめようとしたが、低く、よく通る声に遮られた。


「待っていたぞ。戦士よ」


声の方を向くと玉座に鎧を来た一人の青年がいた。


本当に楽しみだったのだろう。口元がつり上がっている。青年は一息吸ってこう言った。


「俺の名は工藤楓くどうかえで。アルトノリアの王を務めている」


日本人の名前を名乗って、青年は、王様は両手を広げた。


「ようこそ、アルトノリアへ」


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