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 何てことはない、きっかけは本当に単純なものだった。

 小学六年の時の学芸会、ステージ幕の裏側ではすでに皆が並んでいた。皆声を押し殺しながら話をしていて、先生が声出さずアイコンタクトで皆静かになるように促していた。僕も落ち着きのないメンバーの一人で、暗幕特有の埃っぽさに少し鼻をムズムズさせながら隣にいる子に話しかけていた。話の内容は全然覚えていなかったけど、開演のブザーが鳴り、幕が開いた。これからの合唱や合奏することに対する緊張よりも、この子ともう気軽に話さなくなるのかなっていう寂しさの方が強かった。皆が前進する瞬間、その子がボソッと言った。

「いよいよ最後だね、楽しもうね…でも何か寂しいね、うん」

 ああ、僕と同じこと考えているんだって嬉しくも思ったけど、同時に寂しさが強まった。事実、それが小学校時代、あの子との最後になった。自分から話かけられなくなっただけなんだけど。

 その女の子は明るくて、皆に好かれるタイプで、スポーツが得意で、勉強はそこまで得意じゃない、他の女の子と違って髪の短めな女の子だった。恋という言葉は知っていてもそれを上手く表現出来なかった僕の初恋の女の子。

 それ以降、黒髪、ショートの、ストレートの女の子にしか心惹かれなくなってしまった。

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