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トンネル  作者: 桑 司
1/3

相沢貴理子 起

軽い気持ちで行った、心霊スポット


"いかないほうがよかった"


なんて思っても、もう遅かったりする。

〜相沢 貴理子〜

貴理子は都内の高校に通う、高校3年の女子生徒だ。特別優秀な訳では無かったが。顔立ちも幼く可愛らしく、性格も良かった。

彼女は男女問わず人気があり、同じクラスの男子、サッカー部のエース的な後輩美男子、はたまた男性教師までもが彼女に向かって愛を告白するのも珍しくなかった。

しかし、彼女はそれを頑として断ってきた、彼女にはすでに恋人の男子生徒がいたからだ、男子の名は成瀬 一。彼を見たとき彼女はドキッっと心がときめいたのを今でも覚えている、一は不良あがりで茶髪、ピアスが似合うチャラ目な男だったが内面はとても誠実な男だった。女子と付き合った経験がないらしく周りの男子はそれをからかったりしていた、一はそれに対して笑って「お前はどうなんだよ」と言ったりして周りの雰囲気を和ませるような明るさを持ち、野球部のキャプテンとしてチームを引っ張っていける責任感が強い男だった。

そんな彼に段々惹かれ、高校2年の修学旅行の時に皆の後押しもあり、彼に告白した。彼は女子と付き合ったことがないから、耳まで真っ赤にしていた、その場で「はい、よろしく、お願いします・・・大事にします」と真面目に返事した彼を後押ししてくれた皆が影で笑っていた。


彼女の両親は交際について、一の見た目のチャラさから最初は微妙な顔つきだったが、後々、彼の真面目さに安心したらしく、今では「早く孫の顔が見たいな」なんて冗談を言うようにまでなった。

(私、世界で一番幸せかも)

と、毎日のように思っていた。


そんな一は高校3年の時に車の免許を取った、一は貴理子に「どっかに出掛けないか?」と言ってきた、いきなり二人で車でデートかと思うとさすがに緊張した、今まで水族館など人の多い場所がデートスポットだったから余計に二人でというのは緊張した。そこでクラスで特に仲の良い葛西 李奈と田仲 鈴の二人、李奈の彼氏の佐藤 良の三人を誘った。一は最初はデートじゃなくなるということで残念がっていたが、皆で遊びに行くのも良いなといって直ぐにオーケーを出してくれた。


皆で何処に行くかを決めるのに、クラスの休み時間に集まり話し合った。なかなか決まらなかったが、ある時、鈴が心霊スポットに行かない?と提案してきた、なんでも埼玉の山の方に向かうとあるトンネルがあり、そこに夜入ると入った全員が死ぬらしい。なんとも信憑性にかける場所であったが、携帯で調べてみるとその道の愛好会達には有名な場所らしく、数年前にテレビでも取り上げられた。

そこには、交通事故で死んだ女がでるや、昔、トンネルの工事中に事故で死んだ男の幽霊がでる、といった噂で溢れていた。

面白そうじゃん、一がそう言った、周りもここにしようといった意見があったので貴理子はそれに従った。


両親が共働きだったため行く当日は特に何かが障害になる訳では無かった。夜6時に学校前に集まり、一が車を持ってきた。親から借りてきたらしく、車の赤いボディは少々傷がついていた。皆は特に気にはしてなかったので貴理子もそうした。

心霊スポットに向かうまでの車内は大いに盛り上がっていた、一との思い出の話、彼氏が今はいない鈴がクラスの男子を順番に品定めし、李奈と良がそれに対してツッコミを入れる、といったやり取りがあった。皆が笑い、皆が楽しんでいた。


二時間程経った、目的地が近いことをカーナビが知らせると車内は緊張に包まれ静になった。さすがに皆、怖いのだろう、李奈と良はお互い手を繋ぎ、鈴は辺りをキョロキョロ見ていた。


目的地はカーナビが近い事を知らせてから10分程でついた。

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