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死神の鎌、捕食者の剣  作者: 神奈
5/12

三影の本心

「あの……」

説明の後、私は少し躊躇いがちに切り出す。

「ん?」

「生命操作って、人を生き返らせることも出来るんですか…?」

予想通り、三影は頷いた。

「えと、じゃあ…その……」

言葉が見つからず、口籠る。

「つかぬことを聞きますが、人を生き返らせたこと、あるんですか?」

かんがえるような仕草を見せてから、三影は答えた。

「使おうとしたけど、使えなかった」

「それは、どういう……?」

思いも寄らない言葉に、私は聞き返してしまう。

「24時間以内に死んだ人にしか、使えないらしいんだ。俺はそれである人を生き返らせようとしたけど、無理だった」

寂しさの混じった笑顔。切なくなった。

「ある人って…?…」

これ以上聞いちゃ駄目だ。そう思っているのに、気になってきいてしまう。

「今までの人生で、唯一俺の愛した女性(ヒト)

辛い筈なのに、三影は笑って告げる。

その笑顔が痛々しくて、思わず三影を抱き締めた。

「莉亜ちゃん?」

その声は、ほんの少しだけ震えていた。

「なんで泣かないんですか……?言うのも辛い筈なのに……なんで、そうやって笑顔で強がるんですか…?」

貼り付けた笑顔の裏に隠れた、触れただけでも壊れてしまいそうなくらい弱々しい本心。

辛ければ泣けばいい。

無理して笑う必要なんて無い。

なのに何故この人は……?

私の目から、涙が溢れた。

「強がりなんかじゃないよ、莉亜ちゃん。何か勘違いして……」

三影は否定する。強がりではないと。

「強がってるじゃないですか!!私には分か」

「分かる訳ないっ!!」

初めて声を荒げた。

三影さんを抱き締めた私の肩に、雫が落ちる。

「三影、泣いてる」

ずっと黙っていたハルさんが指摘する。

「もう、泣かないって決めたのに……絶対泣かないって……」

抱き締めた腕を解き、真っ直ぐに瞳を見つめる。

「泣いていいんですよ。辛かったら、いつでも。私がまた、抱き締めてあげます」

半分くらい冗談のつもりで、私は言う。

「莉亜ちゃんの能力、本心も見抜けるのぉ?」

声の震えが少し収まっている。

私は笑って否定した。

「流石にそこまでは無理ですよ。でも……よく、言われるんです。莉亜は何で知られたくない本心を見透かすんだ、って」

そのせいで、友達は少なかった。

秘めた本心を暴かれるから、と。

「にゃは、じゃあ特技?」

「かもしれませんね」

三影は、優しい笑顔を作った。

「……あー、ん、その……あ、ありがと」

俯き気味に告げられる、お礼の言葉。

耳まで真っ赤になってる。

照れてるのかな?ちょっと可愛いかも。

「何がですか?」

悪戯に訊く。

「本心、見抜いてくれて。抱き締めてくれて。泣いていいって言ってくれて。…ありがと」

ぎゅっと、今度は私が抱き締められる。

「え、ちょっ……み、三影さん!?」

私は一瞬で赤くなる。

「悪戯のお返しぃー」

気付いてたのかー!

「ハルの奴、過去に囚われてるんだ。無口なのはそのせい。君の特技で過去から解放してやって?」

三影さんは、私の耳元で囁いた。

私はそっと頷いた。

盗み見たハルさんの顔は、強張っているように見えた。

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