疑いの芽
この小説を読んで下さってる方!
ありがとうございます(*^□^*)
小説初心者なものでめちゃくちゃなところもあると思います。
何か気になったところや、間違いがあればどんどん教えてくださいっ(>人<)!
では、今後もよろしくお願いします♪
辺りは真っ暗で、静寂と闇が支配していた―
もちろん、桜の花びらが舞い散ってなどいるわけがない。
だが、そうと分かっていても窓の外をつい覗いてしまう。
もちろんあるのは、夜の闇と、少し遠目に見える、ギラギラとした建物の灯りだけだ。
深夜2時を少しまわった頃だろうか。
夢から目覚めて一瞬、どこにいるのか戸惑ったが、すぐに思い出した。
ここはとあるマンションの一室。
記憶喪失であることを除けば、私は一応完治した。という訳で昨日、ついに退院したのだ。
―と言っても、時々起こる頭痛のせいでまだまだ通院しなければならないが。
そうして朝比奈くんに連れて来られたのは、カレの家。
―そう、現在地であるマンションの一室だった。
居候させてもらうといっても、カレは独り暮らしをしているらしく、若干同棲状態になっているが、私独りでは、たくさん困ることがあるので仕方がない。
カレには本当にお世話になっていて、申し訳なかった。
でも心から感謝している。
この、マンションの一室―カレの家は、結構広く、いくつか部屋がある。
そのうちの一つが、私にあてがわれた。
ベットと、タンスと、机くらいしかないシンプル―というか質素な部屋。
でも窓もあるし、私が生活するには充分な広さがあった。
朝比奈くんは、この家で自由にしたらいいと言ってくれた。
ある部屋に入る以外は、と。
その部屋は、カレの部屋の隣にあった。
私は、単に物置状態だからそう言われたのかと思ったが、今、冷静に考えれば何か違う気がする。
理由は、思い返してみるとあの部屋には鍵があったからだ。
ただ、普通の部屋を物置として使用しているという可能性もあるが、今私がいる部屋には鍵はなかった。
普通は、鍵がかけられる部屋に、人が生活するのではないだろうか…?
物置として、部屋を使いたかったなら、今私がいる部屋を使えば良かったのではないだろうか?
じゃあ、仮に物置じゃないとしたら、あの部屋には何があるんだろう…?
もしかしたら、誰かの部屋だったりして……
誰かがひっそりと居たりして……
私の想像は、まるで妄想のようにどんどんと膨らみ、私をとり込み、がんじがらめにしていく気がした。
優しくしてくれるカレを信じたいのに、親切にしてくれるカレを疑いたくないのに、
―一度感じた疑惑と、頭をよぎった妄想は、カレに対する不信感を私に抱かせた。
たったこれだけのことで馬鹿馬鹿しいにも程があるけれど、カレが、あの部屋に入ることを禁じたことで、それはより濃く、深く、私をとりまいた。
あの部屋には何か秘密があるんだ―
カレはあの部屋に何かを隠しているんだ―
私に見られたくない、見られてはいけない何かがあるんだ―